朝焼けが降るその街で
命を燃やして
泡沫の夢も現もその髪も、
描き続けた
恐れすら愛しいその瞬間を。

必ずなんて約束事も
気のないふりで先伸ばし。
くたびれた革と煙草の煙が
健気に見えるのは何故だろう?
この腕はきっと引力に負けて

さ迷いながら密やかに
幸せを抱く。
救いを求めて
戦地を駆ける。
そんな矛盾の境地でも

ただがむしゃらに抱き寄せた。
縮こまってたあの指が
捕まえた髪を忘れない。
手をかざした
遠くの空も零れる声のひとつさえ、

何度も何度も抱き締めた。
二度とは触れることもない
脱ぎ捨てたあの幼い日々も
願えば叶うと
望むだろうか?

儚く強く勇ましく
光の鼓動が
振り向き様の目を焼いた。
平和に続く毎日に、
欲っした躯は残らないけど

またひとつ増えた
未完成の物語。
昔話も御伽草子も
目に焼き付いて
もう還らない日々を呼ぶ。

優しい優しい子守唄みたいな
ユートピアから突き抜ける空で。
よう、元気にしてるかよ?
笑ってんの?
涙を湛えて
…んな訳ねぇか!らしくねぇ。

忘れない、紡いだ50の恋のうた。


end.
→次に天化Side、「大人になるべく50の階段」

最初から繋げると50音で天化を想っています、詩人発。
2011/04/16
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