韋護と楊ゼンが明確な言葉なく恋愛関係が膠着して数年。
「──別れようか、韋護くん。君もいい加減きちんと愛した人と身を固めなよ」
「はいぃ?ちょいちょいちょい、なんでそうなるよこの王子サマは!?」
「この僕を前にして抱かないだなんて正気の沙汰とは思えないな。僕に気のない証拠だよ。ああ、なんなら女の子に化ければよかったかい?そうしたら君は…」
「──あーもー相変わらず頭でっかちだな!」
「!?」
「あんたに惚れてから、正気なんかとっくのとうに棄てちまったってのに…」
「──い、いごく…」
「…無理やりモノにしてあんたを泣かせたくなかった。ちゃんと対等な関係作って、あんたが同じだけ惚れてくれんの待つつもりで…」
「やっぱりバカだね、…韋護くんのバカ…僕に誘わせたんだから高いよ?」
「いんや?俺も抱かせて貰うんだからギブアンドテイクだろ?」
「ふふっ」
「んじゃ、いっちょいただいていいですかね」
「散々待たせたんだから…はやく…」
「──!!うっひょぁーー!!楊ゼーン!!!」
「いごく、あっ…」
そんな美しき初夜を迎えた土曜の夜明け。
「わざわざ日取り選んで『正気のサタデーナイトとは思えないな!』なんてぶちまけちまうあんたが可愛くってな!思わずネタ帳の最新ページに『蝶と寝た、ネタ帳』『正気のサタデーナイトフィーバー』っつって」
「別れようか、韋護くん」
「でぇぇ!?なんでよー!?」
END…?