8:40



月曜日の朝、琴音は入部届けを持ったまま屋上を目指していた。

月曜日の8:40に受け取ると言われ来てみたはいいものの、もう少しで朝礼が始まる。

さっさと渡してしまわねば、とゆっくり屋上のドアを開ける。

するとそこには仁王立ちをしたリコと、ぽかんと口を開ける1年生がいた。

火神はリコに入部届けを突き付けながら受け取れと催促する。

ふん、とリコは火神を見ながら言った。

やるからには本気でやること、ここで今から1人ずつ目標を宣言すること、出来なかったら好きな子に全裸で告ること。

火神はリコの言葉にそんなことかよ、と笑えば柵から乗り出し大声で言った。

「1-B 5番 火神大我!
キセキの世代を倒して日本一になる!!!!」

全校生徒を前にそう宣言した。


『(やるじゃん、火神。)』

さて、次は自分の番だと琴音が歩き出したところで教頭達が屋上へ登場。

カントク含め全員がこってりと怒られたのは言うまでもない。


その日の部活。

『…わたしたち、入部出来ないのかな。』

ぽつりと琴音が零した一言で1年全員が慌てた。

「いっ…いやいや、それはないでしょ!」

「わかりませんよ、もしかしたら本当に入部できないかもしれないです。」

珍しく黒子も話に加わり、わいわいがやがやと議論が行われた。



次の日。

琴音は自分のクラスに入り、教科書などを引き出しに入れていた。

テラスには鳥が止まっていて、可愛いなあ、と思ったその時。

ふと校庭に目を移すと、大きな文字が見えた。

「日本一にします。」


驚いたように目を見開いた琴音は、思わずふふっと笑った。

『(黒子くんらしいね。)』


こうして1年生は全員無事入部することが出来た。

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