11/18 大井満樹
高校生になって、誕生日は2度ともバイトで終わった。学校で祝ってもらったし、特に遊びに行ったりとかしなかったから、別に良かった。
でも今年は違うことが一つある。彼女ができたことだ。
でも、咲季とは同じバイト先。俺は休みを取れたけど、咲季は休みが取れなかった。だから、夕方からしか遊べない。
昼までは同じ中学だった恭一と圭が家に来てくれた。「どうせ暇してるっしょ?」って恭一に言われたから。
「みっちゃんもリア充バースデーいいねえ……」
と、圭に言われる。
「別に俺は…」
「咲季ちゃんとどっか行くの?」
恭一にも聞かれる。
「どこも行かないけど、咲季が家に来てくれる」
「そっか、楽しんで!」
夕方になり、時間になった。咲季が部屋に上がると同時に、たくさんの荷物を下ろした。
「これなに?」
と、俺は箱を指さして聞く。
「聞きたい?」
「うん、聞きたい」
「じゃーん!」
箱を開けると入っていたのは…
「チーズタルト?!」
「そう!みっちゃんチーズ系好きって言ってたから作ったの!」
それは嬉しすぎる。俺は甘いものは全般的に好きだが、チーズタルトは特に好きだ。チーズケーキもいいけど、タルトのほうが俺は好き。ちなみに俺は果物がアレルギー多くて食べれる果物は苺とミカンとぶどうしかなかったりする。
「あと、これ!」
と言って渡されたのはラッピングされている物だった。開くと入っていたのは、スポーツブランドのパーカーだった。前に二人でお店行った時に俺が目を付けてたやつだった。
「え、ありがと!すげえ嬉しい!」
「良かった〜!」
…と、一緒に入っていたものがあった。
「ん?封筒?」
「あ、開けてみて?」
とりあえず封筒を開けてみる。
そこに入っていたのは写真だった。
「18歳の誕生日おめでとう!」と写真の裏に書かれていた。
あー、もうほんと、最高だ、俺。
「もー、大好き」
とっさに咲季のことを抱きしめた。我慢できなかった。
すると、
「もう一つプレゼントあるよ」
と言われる。
「え?」
と返すと
チュ、とキスをされた。
「18歳おめでとう、満樹。」
と、咲季に言われた。とても可愛らしい笑顔だった。
っつーか、
「や、名前…?!」
「なんとなく、名前呼びした。」
「じゃあいつも満樹って呼んでよ」
「いつもは嫌だねー、その時が来るまで?」
「どういうことよ…」
最高な18歳の始まりでした。