Clap




お礼小説その一(赤→黒)


「勉強を教えてくれませんか?」

その瞬間、当事者二人以外の目には赤司の周りに花が咲いたように見えた。
驚きのあまり、赤司は固まっている。
「…赤司君?」
反応がない赤司の目の前に、手を翳す黒子。そこで赤司はやっと我に返る。
「…ああ、すまない。それで、ええと…」
どこかまだぼんやりしているようだ。
「ですから、勉強を教えて欲しいんですけどいいですか?」
「ああ、それくらいならもちろん構わないよ」
「ありがとうございます。いつなら空いてますか?」
「そうだね……」
その後、赤司と黒子はいくつか約束を交わし、別れた。
なお、その日一日、赤司の周りに大輪の花を目撃した生徒・教師が多数いたという。


そして約束の日、彼らは放課後の図書室で二人きりの勉強会を開いた。
その時ばかりは、普段つるんでいる派手な4人も邪魔することはなく、赤司は終始ご機嫌だった。まるで世界で一番幸せ、とでも言うような表情である。


さらにその日の帰り道。
「つーかテツお前、赤司がお前のこと好きだって知ってんだろ?」
「はい、もちろん知ってますよ」
赤司君て、実は分かりやすいですしね。
そう何気なく呟く。
「…あー赤司マジかわいそー」
「? 何がです?」
黒子はいつも通りの無表情で首をかしげている。
ああ本当に、我らが主将が哀れでならない。




天然?計算?(いいえ、ただの無関心)
天然や計算であれば、きっと彼もまだ救われただろうに。








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