エドガー×風丸
「イナズマジャパンの皆様が到着しました」
会場に足を踏み入れる彼等は和やかながら何処か張り詰めた空気に気付いたのか少し警戒気味だった。取り敢えずキャプテンとして挨拶をしておかないと、そう思い面々を見渡して思わず首を傾いだ。
「確か女性マネージャーは三名…」
「ああ、それがその…」
「ドレスが足りなかったのですか?言って下さればご用意しましたよ」
「え?」
一段と輝きを放つ女性が先程から目についてしょうがなかった、タキシードに身を包む彼女に歩み寄れば手を優しく握る。紳士として当然このまま女性にタキシードを着せておくなどと出来る筈が無い。だが辺りはきょとんとしている。何故か小さく震える彼女がぼそりと呟く。
「っ…俺は選手だ…」
「…今大会女性の選手入りは…」
「だから男だって言ってるんだ…!」
…?この方は何を言っているのだろう。こんなに美しい男なんて、特に日本人には存在する筈が無い。綺麗な流れる様な髪に滑らかな肌、鼻筋の通った整った顔立ちに澄んだ凛とした眼。どこからどう見ても女性にしか見えない。しかし、
「…風丸顔真っ赤だぜ、あれ照れてんのか?怒ってんのか?」
「怒ってるんじゃないでしょうか…」
どうやら本当に男で在るような反応が周りから伝わってくる。まさかこんなに美しい同性が居るとは、驚きを隠しきれない。
「もう一人のマネージャーはキャプテンと遅れて来る、悪いな」
「…そうでしたか、これは失礼」
「……離してくれないか」
握ったままの手に視線を向けながら彼女改め彼は溜息混じりに言った。しかし何故か離したく無かった。別に男の手なんて握っていたくなんか無いのに、離したら彼は遠退いてしまうのかと思うとなかなか手を離せずに居た。訝しげに彼が私の顔を覗き見る。私は緩慢な動きで漸くその手を離した。彼は直ぐに一歩下がり、その際にふわりと髪が靡く。つい手を伸ばしそうになるがぐっと堪えた。
それからパーティーが始まり私は何時も通りに振る舞う中どうしても彼が気になって仕方無かった。遅れてやって来たイナズマジャパンのキャプテンも正直どうでも良く思えて、…ただ、円堂守が着替えて戻って来た時に先程の彼は今まで見せなかった笑顔を見せたものだから。小さな嫉妬心が生まれた事に私自身も気付かなかった。
勝負を終えてパーティーに戻ったが先程のいざこざもあって何処か空気が悪い。まあ当然と言えばそうなのだろうが。私は飲み物を片手にイナズマジャパンの…いや、彼の元へ歩み寄った。彼は今までに無いくらいに不機嫌な様子で私を見た。周りの面々もまた同じ。円堂守だけは楽しそうにしているが。
「…何か用か?」
「…嫌われたくは無いので、一言御詫びを」
「だったら俺じゃなくて円堂にだろ」
彼の言う事は確かにその通りだが、私が嫌われたく無いのは彼であって、謝りたいのも彼なのだ。しかし此処でそんな事を口走ればまた彼は不機嫌になるのだろう。大人しく言う事を聞いておこう、そう思って歩み出ようとした時、手にしていたグラスが彼に当たって中身が掛かってしまった。
「、大丈夫ですか、申し訳無い…今すぐ着替えに行きましょう」
「平気だ、円堂に謝るのが先だろう」
彼の中の優先順位はどうあっても円堂守が上らしい。それに今度はしっかりと自覚もある嫉妬心を覚えた。私は彼の腕を掴んで半ば強引に室内に向かって連れて行く。
「紳士として、この状態を放置出来ません…着替えたらキチンと謝ります」
「……わかった」
室内に入って音を立てないように鍵を閉めた。もうこの時私は平常心を失っていたのかも知れない。背を向けた状態で上着を脱いでシャツのボタンを外し始めた彼を優しく抱き寄せた。ふわりと良い香りがするのは髪からだろうか。やはり女性の様に柔らかい。
「なっ、何…」
戸惑いの声を上げる彼の首筋に顔を埋め舌を這わせた。弾力のある柔肌が心地好い。そのままはだけた胸元に手を這わせ指先で突起を弄る。爪を軽く引っ掻けたり指の腹で押し潰したり、刺激を与え続ければぷくりと赤く主張し始める。
「やっ…は…ぁ…、」
「胸で感じるなんて女性みたいだ…可愛らしい…」
「ふっ…ざ、け、…」
可愛い顔で悪態をつこうとするものだからつい手に力が入る。ぎりっと突起をつねり上げて、ついでに首筋を軽く噛んだ。前者の痛みで声にならない悲鳴のような息を吐き出す姿もまた、愛らしい。ズボンと下着を無理矢理に足下まで脱がすと愈々以て抵抗が激しくなるものだから何か良い物は無いかと辺りを見渡してサスペンダーが視界に入る。手に取って手首同士をしっかりと固定した。キッと睨む様な目付きは今は私の欲情を煽るだけで。彼の自身に触れてみればもう先走りに濡れ軽く掴んで手を動かすだけでぐちゅぐちゅと音が響いた。
「こんなにシて…余程の淫乱だ…」
「違、…う…ッ!」
「…何時まで…そんな強気で居られるのかな」
ゆっくり扱いていた手を次第に速め同時に後孔に先走りをたっぷり絡ませた指を這わせれば一気に二本挿入した。キツい締め付けと裏腹に受け入れの早い其処に私は溜息を漏らした。納得と言えば納得だが、こんな可愛らしいのに処女の筈は無い、か。
「一体普段は誰に抱かれて居るんだろうな…」
「ふ…ぁ、っ…アッ、」
甘い喘ぎ声を上げる彼にはもう私の声は届いて居ないようで。指を引き抜いて私の其れを後孔に宛がい一気に貫いた。そして何度も繰り返し突き上げた、私が達するまで。
「…、…」
「さて、早く着替えて戻らないと、心配して皆が捜しに来てしまうかも知れないな」
「っ……」
鍵を掛けた事を知らない為か顔を青ざめる彼に私は小さく微笑った。強い支配欲に駆られた。私だけのものにしたい。
「嗚呼、まだ名前を教えて貰って無かったかな?……教えてくれたら、まあ濡れタオルくらい用意しよう」
「………風丸…一郎太」
「一郎太、」
私だけの、忠実な恋人へ、
これから仕上げていこうじゃないか。
---------キリトリ---------
風丸のero率の高さ異常(←)
初めは馬鹿紳士なエドガーに振り回される風丸だったんですが…………
エド風いいよ!