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なんだか、優しい温もり


「―‥ん、オズ君!オズ君…!!」

瞼を開いた時オレはびっくりしてしまった。ブレイクのこんな取り乱している姿は初めて見たからだ。オレの肩を掴んで揺さぶりながら必死の形相で何度もオレの名前を呼んでいた。
オレが見開いた目でブレイクを見ているとブレイクはそっとオレの首もとに手を当て脈を取るとほっとしたように息を吐いた

「…何とか、無事みたいですネ」
「…えっと…?」
「チェインと接触したんです、覚えてませんカ?」
「………悪夢を見せる?」
「…やはり嫌な夢を見せられたんですねェ、チェインを退けた時に心臓が止まっていてどうしようかと思いましたヨ」

やれやれ、って感じで溜め息をもらしてブレイクはもういつものペースだ。
でも、もしまだ悪夢が続いていたら?もうこれ以上怖い思いをするのはごめんだ、いっそ殺して欲しい
そんなことを考えている中ブレイクは双眸を細めてオレの腰に腕を回してくる

「私と二人きりの時に余計な事を考えてると、食べちゃいますヨ?」

ふわっと唇に優しい温もり。あれ、さっきもなんか感じた気がするオレはちらりとブレイクを見上げてみるともっと慌てるとでも思ってたのだろうか、ブレイクは詰まらなさそうにしながらオレを抱き寄せた
オレは彼の顔を見たまま問い掛ける

「ねぇ、オレが意識失ってる間に、した?」
「…人工呼吸デス」

ああやっぱり、なんて思った。
ふわふわと撫でる手つきが心地良くてオレはぎゅっとブレイクに抱き付く。顔は見えないけど多分ブレイクは目をまん丸にしてるだろう、普段オレから積極的になることはないから

「余程…怖い夢を見たんですネェ…」
「そりゃ…もう」
「でも、だからってあんまりくっつくと本当に食べちゃいますヨ」

「いいよ」



(もっとブレイクを感じないと、安心出来ないよ)



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