円堂くんはサッカーは楽しいものだと言った。
お父様はサッカーは道具だと言った。



「ヒロトはどう思う?」
「今はヒロトじゃないよ」



そうだった。
彼は今、吉良でも基山でも況してやヒロトでもなくグランなんていう宇宙からの侵略者なのだった。



「円堂くんがなんと言おうと、僕たちはお父様に従うだけだ。」



またお父様。
お父様が嫌いなわけじゃない。ここではお父様の命が絶対だし、私達がここにいられるのも全部お父様のお陰だ。でも、皆の笑顔を奪ったこの計画は嫌い。リュウジも治くんも晴矢も風介も、そしてヒロトも。しばらく皆の心から笑う姿は見ていない。それどころか仲違いが多くなっている気がする。ピリピリした空気が流れる建物の中はとても居心地が悪い。それとは逆の瞳子さんと共に戦う雷門イレブンの子たち。円堂くんたちのサッカーはとても楽しそうで私は試合を見る度、羨ましくて悔しくて、胸がギュッと締め付けられる。星空を眺めるヒロトの表情は酷く切なそうで、苦しげで。いつか皆もあんなサッカーが出来ればいいね。今は口に出して言うことは出来ないけれど、この計画とあの石を雷門の皆が壊してくれるまで、私は傍でヒロトを支えようと決めたんだ。




流れたのは星と涙

title by 僕らの非日常
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