恥ずかしそうに笑う顔が好きだった、
僕を呼ぶ声が好きだった、
君を見ると胸が高鳴った、
けれど、同時に苦しくなった。
「フェイくん、」
涙を流して僕を呼ぶ君にたった一言、伝えられたら僕は満足するのだろうか。
「行っちゃうの…?」
それでも喉に張り付いた言葉は出てこない、ただ僕の胸をぎゅっと締め付けるだけ。
「ごめんねごんべ、さよならだ」
また会えるよね、の一言に嬉しくなる僕は、確信もないのに非情にも「うん、」と返して、
それから大切な君に最後に微笑みを返して。僕らを分かつようにドアが閉じられる。
あぁ、神様なんて大嫌いだ。でもなにより意気地がない自分が一番嫌いだ。
空へと浮かび上がったキャラバンはもう地上に降りることはない。
ワープゾーンを駆け抜けていく中、僕は好きだと一粒、
それは純粋に恋でした