そろそろ起きなよ、そう声をかけられて眠い目を擦って時計を見た午前10時半過ぎ。思い切り明けられたカーテン。窓から入ってくる太陽の光が目にしみる。かなりたくさん業務が残っていたため、寝たのは昨日の、厳密に言うと今日の3時過ぎだった。本音を言えば折角の休みだしもう少し寝ていたいのだけれど、そうすると彼女に怒られそうなのでやめておこう。「全く、仕事なんてさっさと寝て今日やればよかったのに」
…否、もう怒っていた。


昔は(今となっては思い出すのもとても恥ずかしいのだが)サッカーで地球征服、とか、世界一とか大きな夢(正しくは野望?)を語っていたけれど、最近は専らあの頃のような大きな夢はなくて、ただ今日の味噌汁おいしいな、とか、天気良いな、とかそういうちいさなことに幸せを感じる毎日である。


朝食、というにはあまりにも遅すぎる朝食を食べて、寝疲れしたのか気だるい身体をソファに沈めていると、丁度ごんべがベランダに出て洗濯物を干している姿を見ることができた。その姿は中学の頃からずっと見てきたものなのに、なんだかとても眩しくて嬉しくて愛しくて。



「ねぇ、どこか出かけようか」
「んー?どこに?」
「うーん、どこだろ」
「なにそれ」



そうやって言って笑うごんべに、好きだよ、と伝えると今度は声を上げて笑い出す。



「ふふっ、おかしなヒロト」



君がそうやって笑ってくれるなら、僕は本当にどこへでだって行けるのになぁ。
とりあえず今日は手を繋いで散歩でも、なんて思いながら彼女に微笑み返した。




幸福の日曜日

song by 日曜日
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