「左近んんんん!!そこに直れェッ!!!」
「ひえええっ三成様!!スンマセンンンン!!!」
「今日も左近君が何かしでかしたのかい?」
「おお、賢人か。まあそんなところよ」
「まったく、彼の軽率な言動にも困ったものだ」
「まことよな」
「…で?今回は何を?」
「姫と秘密の逢瀬よ、オウセ」
「アサミちゃんと?なんで彼が」
「三成に隠れて花札遊びに興じていた、と」
「はあ、なるほどね。…大方、三成君が佐和山を留守にしている間のアサミちゃんの様子を尋ねられた左近君が、調子に乗って余計なことまで口を滑らせた…ってところかな」
「流石は賢人、大当たりよ」
「それなら、放っておいて問題なさそうだね。まったく、アサミちゃんを花札なんかに誘ったら三成君も怒るに決まっているだろうに」
「まあ、もとはと言えば姫が強請ったことらしいがなァ」
「ああ、彼女もなかなかお転婆な所があるからね。それは三成君に報告しないのかい?」
「ヒヒッ、口は禍の元、よ。余計なことは言わぬに限る」
「君もなかなかいい性格をしているねえ」
「何、われなどまだまだよ。賢人には負ける」
口は禍の元