朝早くから
「…………ねぇパパ?」
「………なんだ」
「パパってさ悪い人だよね」
「フッ…そう見えるか?」
そう聞き返したのはサングラスをかけた長身の男
3歳くらいの女の子だろうか。
顔は見えない………
「だってパパはいつも明るいところにはいないじゃない」
「明るい…ところ?」
「そうだよ..!かっこいい正義のヒーローは皆を明るく照らすから明るいところにいるんだよ!!
でもパパいっつも隠れてる…だから悪い人!!」
「……フフッフハハッ」
急に笑い出した男にキョトンとする女の子
「………?」
「正義のヒーローが本当にヒーローだとは限らないだろう?」
「……そうなの?」
「そもそも隠れてるから私が悪い人とは……さすが幼稚園児が考えることだな」
「………バカにしたねパパ」
そういうと女の子が拗ねてしまった
すると私に気づいたのか女の子がこちらを向いて…
「 」
聞こえない……
私に何か伝えてるみたいだけど…
そもそも私って何
私は、私
あの子は…
_______私?
ハッ
…………私の部屋だ
さっきまで女の子と…
「そうか…夢だったのか」
ふと時計をみると5:30を指していた
「………早い」
今日は雷門中との練習試合の日…
集合は7:30だからかなり早く起きてしまった。
昨日鬼道から連絡があって、
『雷門と試合だそうだ。……アイツがいるかもしれない』
なんて言われたけど…
どこだ。雷門中って…
しかもアイツってなんだよ、誰だよ笑
普通に名前呼べよクソメガネ
時間に余裕もあるし一通り支度をして
帝国学園のグラウンドに行った
「……あれ?」
着くと1人だと思っていたが先客がいた
「おっ聖奈じゃないか。早いな」
「こんな早くに練習か?お前もやるなぁ」
「……いや、お前らもはえーよ」
ユニフォームを着てグラウンドで練習していたのは佐久間と源田だった
「そんなに練習試合楽しみなの?」
「は?練習試合?あんな雑魚相手になんねーよ」
…と言い佐久間はボールを高く蹴り上げ源田に向けてシュートを放つ
「……ッ痛ッて…そうそう。だから俺らで練習してようぜって話で…集合前に集まったわけ」
「あーね」
雷門ってそんなに弱いの?…まぁ名前聞かないし多分弱いんだろう。
「あ、そうそう鬼道から聞いたんだけど…」
「鬼道さん?」
"鬼道"と名前を出すとぴたりと動きを止め佐久間は私を見た
「え、何その鬼道への過剰反応」
「は?!馬鹿ッそういうのじゃねーよ」
「いや、反応がそういうのだよ」
「佐久間……お前…」
「ッッだから違うって」
***
「へぇー、鬼道さんがそんな事を…」
「うんー。アイツって言われても私わからないし…そもそも帝国以外に知り合いいないし…」
と鬼道に言われた話を2人にもしていた……
「………ぅわッ朝からやってるよアイツら」
「……はよー」
「お前らそんなにサッカー好きかよ…」
とゾロゾロと帝国の選手達がグラウンドに入ってきた
「いやぁ、早く起きちゃって…運動しようかなって」
「それにしてもクソだねメンツが」
成神がそういうと一緒に来た皆が一斉に頷いていた
「とりあえず着替えろよ。そろそろ集合時間だぞ」
と言われ時計を見た
時間は7:20を指していた
「やば」
時間を確認してバッグに入ってるシートを取り出し汗を拭く
「……シャワー浴びる時間ないよね…」
「ないね」
「はぁ…致し方無し」
バッとユニフォームを脱ごうとしたその時
「待て待て待て待て待て待て待て待て」
と辺見が止めた
「は?」
「更衣室で着替えろよ流石に」
「………え?」
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