novel2011 | ナノ


曖昧すぎて壊れやすくて


 午前二時、ベッドの中。
 隣には気持ちよさそうに眠る花宮がいる。
 明日が部活の休みということで、俺は今日花宮の家に泊まりに来ていた。
 そして、先程まで二人で語っていたのだが花宮は先に眠ってしまった。
 隣で無防備に眠られると、流石に俺でも我慢できねえんだけど。
 けれど手を出すわけにはいかないから、髪を撫でるだけにしている。
 花宮は、まるでガラスでできているかのように壊れやすいように俺には見える。
 悪童だなんて言われてるし、実際に評判はよくないけどそれが偽りなんじゃないかって思う。
 日向達にそんな話をしたらありえない、と一蹴されたけど。
 真っ白な肌、すやすやと寝息が聞こえて思わず笑顔になる。
 明かりがなく真っ暗なのに、はっきりと花宮が見えるのはきっと俺が――。
「う……ん、きよ、し」
「……花宮?」
「離れないでよね、絶対に……俺離さない……」
 突然聞こえた弱弱しい声。
 Tシャツの裾を強く掴まれた。
 花宮が目覚めたのかと思ったがどうやら寝言のようだ。
 だけど、Tシャツを掴んでいる力は弱くならない。
 嗚呼、何か怖い夢をみたのだろうか。
 抱きしめたい、今すぐ。
 でも、壊れてしまいそうで怖い。
「花宮、俺は」
「ずっと、一緒にいるから」
 怖いけれど、触れたくて堪らなくて頬に優しく口付けた。
 ――しょっぱいな、泣いているのか?
 俺はコイツを守ってあげたい。
 壊れてしまわないように抱きしめていたい。
 ずっと、ずっと、隣で居てあげたい。
「――いや、違うな」
 守ってあげたい、隣で居てあげたいじゃない。
 俺が、花宮に隣で居て欲しいんだ。
 守りたいんだ。
 あの日、花宮の涙を見てからきっとこの想いは変わっていない。
「……木吉?」
「どうした花宮」
「何キスしてんだよ、バァカ」
「……狸寝入りか、花宮」
「ちゃんと寝てたし」
 ごろん、花宮が俺に抱きついてくるから俺は花宮を抱きしめた。
 壊れないように、優しく。
 強く強く、花宮は抱きついてくる。
 必死で、何かに耐えているかのように。
「怖い夢でも、見たのか?」
「木吉が、居なくなる夢見た。だからムカついた」
「ああ、成るほど。怖かったんだな」
「ふはっ、勝手なこというなよ」
 そっと花宮の頬に触れる。
 熱い、ああ、照れてるのか。
 どうしようもなく、俺はこの恋人が愛おしい。
「安心しろ。俺はお前から離れない」
「……バァカ」






 久々すぎて話が纏まっていない。
 申し訳ございません……!
 弱弱しい花宮と甘やかし木吉を書きたかったんです。
 次はヤンデレ木吉(←え、花宮じゃないの)を書きたいです。
 ヤンデレ木吉、需要ないですかね。

 2011/08/16 弥深

[TOP]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -