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Thanks Clap!


拍手2『愛』より抜粋



2、ふるえるまぶたが願うもの



 薄っぺらいベニヤ板の扉を軽く叩く音がして、次に二番目の兄が自分の名を呼ぶ声がした。
 「おぉいラックー。いるんだろー?」
 声こそ張り上げているがいつもの活気が感じられない(これは確か困ったときの声だ、と記憶している)。
 返事を返す気も起こらずに黙っていると、兄はぼそっと、
 「…キー兄が怒ってるぞ」
 即座にバシッと何かが何かを叩いた音がして、あぁ今のベル兄の話は嘘なんだなと判り、少しだけ噴き出しそうになった。

 しかしキー兄の、入るぞと呟いた小さな声が三人だけになってしまったアパートの廊下に木霊したのを聞いて、今度こそ泣きそうになった。


『愛』より
ふるえるまぶたが願うもの


Fin.

***

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(本のタイトル的なのは大嘘です!)
(title:「休憩」様)

2012.08.27.Monday.


此れからも当HPを宜しく御願いします。


四季愛露


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