「……プレゼント?」

妹が差し出してきた小さな袋を受け取りながら訊ねると相変わらずの表情でそうですと答えられた。
別に、誕生日だからって俺は誰かに祝ってほしいとかそういう願望はないのだけれど、こいつは毎年律儀に祝ってくれる。手作りお菓子を渡されたときは死を覚悟したけれど。

今回は何が入っているのだろう。袋は軽い。まさかまた手作りお菓子じゃないだろうなと身構えながらそれを開ける。独特な異臭がしなかったので、ああ今年は生き延びれそうだなと安堵する。

「……髪飾り?」
「はい」

似合うと思いまして。
自信ありげに答える妹は、実際そうだと確信しているんだろうが、その自信はどこから湧いてくるんだろうか。
中に入っていたのは水色のビーズでできた髪飾りだった。光に当てるときらきら光るそれは宝石にも見えた。

「お兄様の目の色に似ていると思ったんです」

恥ずかしげもなく妹がそう言うのに、照れずにはいられない。言っとくが、俺の目の色だったら、お前の目の色でもあるんだからな。そう言えば妹は、兄妹ですからね、とどこか嬉しそうに呟いた。

「……まあ、ありがとう」

早速付け替えようとすると私にやらせてくださいと、俺から髪飾りを半ば奪うように妹がそれを手に取った。言い出すとなかなか頑固な子であるので、俺はおとなしく言う通りにされる。

「お兄様の髪は純白できれいです」
「……だから、俺がそうならお前もそうだからな」

なにせ兄妹なんだから、という俺の言葉に妹が微笑んだ。



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