もう遅いかも。でも来てね

最近の"愛音"はドラマの役を演じさせてもらっている。

名前にとってこの役は難しかったがそれでも楽しくて好きで。
充実した日々を過ごしていた。


そんなある日、事務所を訪ねた。

「あら!久しぶりね。元気にしてた…ってお仕事してるんだものね!」
「よう。最近頑張ってるな、お疲れさん」

学園時代からの知り合い、月宮林檎に日向龍也だ。

「meも忘れられては困りマース!」

床から飛び出してきた学園長…今は社長が正しいと思う。もその一人。

「お久し振りです。」

事務所の人たちはいまでも愛音と仲良くしてくれている。とても暖かくて明るい場所だ。
いつきても迎え入れてくれる心地のよい場所。

「そんなところにいつまでも居ないで一緒にお茶しましょ?」
「そこが空いてるから適当に座れ。林檎お前仕事は片付いたのか?」
「ぶー!休憩よ!きゅ・う・け・い!!龍也のお馬鹿!」

いつきても本当にいつも通りで、安心する。良かったここに居られて。

でもまた罪悪感が膨れ上がる。彼らだって名前を愛音だと信じて疑いようもなくなっているから。

なんて重たい。


暫くお茶をしてから事務所を後にした。

歩いているとふと友人を思い出した。
なぜだか分からないけど少しだけでも会話を交わしたくなって電話を掛けた。

繋がったのは留守番電話だった。






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