君にtoy問い

「にゃん長。人間ってよく出来てると思います?」
「にゃ?」

今日の第一声はそれであった。いつもなにかとあれは?これは?と尋ねてくるもここまで倫理的なものは初めてあり、流石の班長も驚いた様子だ。

「ある意味ではそうかもしれませんにゃ」「ふーん。じゃぁ、時間ってなに?」

好奇心が旺盛な彼女はいつも物知りな班長に答えをせがむ。それは彼女の問が終わるまでずっと。

「その質問は曖昧ですのにゃ。どの部類かにもよって違うのですにゃ」
「曖昧かぁ……うーん…人生としては?」「それならば、……」

班長は毎回嫌な顔一つせず丁寧に答える。聴かれれば大抵の事をひとつひとつ。

そうして班長は名前に教える。人の間違いも、正しさも、信念も、拘りも。
そんなで名前にとって班長はヒーローみたいな感覚なのかもしれない。

「ふむふむ。」
「どうかしましたかにゃ」
「今日はもう次で最後」

班長の答えに満足そうにした彼女はもう帰るようだ。いつになく短い。

そして最後といった質問は彼女が出口に足を止めたその刹那の呟くようなもので、きっと二人しか聴こえなかった。

班長にとてつもない問いを置き去りにしてひとり満足げに帰っていく背中を班長はずっと見ていたと思う。


「……参りましたにゃ、名前ち」

班長の髭は今までみたことないほど困っていたそうな。


+おまけ

そんな二人をみる影は一つにとどまらなかった。

「うーん。良く聴こえねぇな…おいちびっ子。ちょいとサイレンとムーブで…」
「ちびっ子ゆーな!やらないぞ。」

扉付近でわいわいと言い争う声がする。因みに班長にはモロバレだ。


「てゆうか、本当に質問にだけ来てるのかな…?」
「なにかいったか?」
「あぁ、いや…」






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