『据え膳は戴くものぞ』 ※if 虎杖悠仁『無防備な君に』の続き 先にそちらを読んでから、読むことを勧めます。 成り行きで、虎杖くんと……未遂、になるのかな。 でも、そういうことをシてしまって。 私の内股についている、虎杖くんの吐き出した欲望を早く拭いてしまいたいのだけど、虎杖くんが私の肩に顔を置いたまま離れてくれない。 「……虎杖…くん」 早くお互い身体を拭いたほうがいいのだけど、虎杖くんは果てた後身動きひとつしなくて。 意識がトんでしまったのだろうか、と心配になってその肩を揺らそうとしたら……。 「ケヒッ……ケヒッ」 聞き覚えのある笑い声と、身体中に現れる刻印。 そして、刺さるような濃い呪力の気配。 「……っ!」 虎杖くんの身体が、すでに虎杖くんのものでなくなっていると分かっても、すでに身体を抱き留められている以上、抵抗することなどできない。 宿儺を突き飛ばそうと伸ばした手は、いとも簡単に囚われた。 「……逃げるでない。小僧にあんな姿を見せておいて、俺の相手もするのが当然だろう。……それとも」 笑いながら言って、宿儺は乱暴に私の身体を反転させた。 「背後から乱離に抱かれたいか?」 私の身体を壁に押し付けて、前髪を掴んで無理矢理に顔だけ宿儺の方を向かされる。その憎いほどに歪んだ笑顔が私の心を刺した。 「あのような稚児の戯れなど……俺とのまぐわいの前戯にすぎぬ」 「そんな……こと……っ!」 否定しようとする声が、高く抜ける。 先ほどまで虎杖くんの肉棒が擦りついていた蜜壺に、宿儺の指が触れた。 「小僧の拙い愛撫ごときでこれほど濡れてしまうとは、相も変わらず妄りがましい身体よ」 ケヒケヒと笑いながら、暴くように宿儺の指が蜜壺の入口を擦る。 虎杖くんとの触れ合いで蕩けたソコは呪われた指をいとも簡単に濡らしてしまう。 「……こんなに糸を引かせて……もどかしかったのだろう? 溺れるほどの快楽を与えてほしくて」 知られたくない感情を読み解いて、思い知らせるように繰り返す。 寸前まで蜜壺を弄っていた指を見せるように掲げて、宿儺はその指に滴る淫らな糸を伸ばして絡めた。 そうして尚も楽しげにその濡れた指を私の胸へと這わせ爪を立て、硬く尖った頂に微細な痛みを残した。 「……っ、ぅ…あ」 「痛いか? やめてほしいか? 乞うたところでやめはせぬがな」 「……や…め…っ…ぁ…あ」 逃げることも、この行為を止めることもできない。 私はただ、目の前の壁にしがみつくことしかできずに。 「……小僧のモノも、まだ全然足りぬと喚いているぞ? あれだけで到底満たされるはずもない」 嘲笑うように言って、再び硬く勃ちあがった虎杖くんの肉棒を、宿儺はわざとらしく私のお尻に擦り付けた。 「俺は……オマエを極上の快楽に堕としてやれるぞ? 皆実」 今すぐにでも、と。 宿儺は私の蜜壺の入口にその塊を押し付けて、また囁いた。 「……ぃ……や…っ」 「そう意地を張るな。楽になりたいだろう? 俺を求めろ」 その先端が分け入るように、ほんのわずかナカを擦る。 入口を行ったり来たり、擦るだけ。時折その狭い口を拡げるようにグラインドして。 尚も全てを打ち込むことはせずに、緩やかな……それでいて強烈な刺激を繰り返す。 溢れる蜜が、この刺激に対する答えなの。 「…ぁ…っ…はぁ……っ」 「いいのか? 俺は今のままでもオマエをイかせられるぞ?」 その言葉は、きっと大袈裟なものなんかじゃなくて。 現にもう、足が震えて立っているのが限界だから。 「くだらぬ意地で……物足りぬ快楽に身を鎮めて果てるか?」 答えなんて、一つなの。 「……い…や…」 宿儺の熱を求めるように、お尻を突き出すように動かせば、挿入りかけていた肉棒はいとも簡単に私のナカへと進んでいく。 「ああ……良い。良いぞ……皆実」 その欲の塊を全部受け止めたら、もう自分で身体を支えることはできなくて。 膝から崩れ落ちそうになった私を、宿儺が笑いながら壁に縫いつけた。 「まだイかせはせぬぞ。……言っただろう? 極上の快楽と」 ガクガクと震える身体を、無理矢理その肉棒で繋いで、宿儺は腰を揺らす。 欲望のままに揺らされているだけなのに、抗えない快楽の渦が身体中を駆け巡って、苦しくてキツいのに。 「あ…っ……ん…ぁ…っ」 「はぁ……あぁ…っ…皆実…もっと腰を突き出せ」 言いながら、その命令に従わせるように宿儺が私の腰を引き寄せる。 激しくぶつかる肌の音が木霊して、かと思えば抉るようにナカをかき回されて。 「……あ…んっ…すく、なぁ……は…ぁ」 「こんなに…乱してもまだ……腰を揺らして…っ……まだ欲しがるか?」 嘲笑いながらも、宿儺は腰の動きを止めてはくれない。 それに合わせるように自分の腰が揺れてるのなんて、気のせいだって、思いたいのに。 「あぁ……っ…は、ぁ…っもっ……ぁ…ん…っ、やぁ……っ」 「誠に良き器よ……っ……その身体で……俺を…もっと悦ばせろ」 絡み合う愛液が泡立つほど、ぐちゃぐちゃに混ざり合って。 床に滴る蜜が、どちらが流したものなのかももう分からない。 「……ぁ…っ…皆実……オマエの…身体に……俺をしっかりと……刻むぞ」 「あ……っ…や…ぁ…っ…だ…め…っ」 噛まれた肩が熱を持つ。 微細な刺激さえも、私を狂わすのには充分すぎて。 「あぁ…っ、んぁ…っあ…きゃ…っ…あっ」 「オマエは……俺のものだ……っ」 何度言われたって、それを認めることはしたくないのに。 宿儺が与える快楽を愛することはないのに。 「あ…っ…あぁ…っ……」 ただ、この快楽が『極上』であることを否定することはできなかった。 コメント ×
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