『無防備な君に』 ※if 訓練中一緒に生活してたら、こんなこともあるのが思春期。 虎杖くんは、男の子なのにすごく話しやすくて。 伏黒くんもよく話してくれるけど、彼はあまりおしゃべりが好きなわけではないし、おそらく「仲良し」とかいう馴れ合いの言葉は得意じゃないだろうから。 たぶん気安く仲良しの男子って呼べるのは、虎杖くんがはじめてだった。 「虎杖くん、起きてる?」 もうすぐ夕飯の時間、という頃合い。 虎杖くんは夜ご飯どうするんだろうと思って、地下室に行ってみたのだけど。 『あん…っ、あぁっん、あっ』 そのテレビから流れる淫らな声に、私は固まった。 黒クマを抱えて虎杖くんが見ていたのは、普通の映画ではなく……。 「え? え……あっ!? 皆実!?」 私の登場に慌てて、虎杖くんがソファーから立ち上がる。 恐らくかなり動揺したのだろう。呪力が乱れて、見事にクマに殴られていた。 「……ってぇー! くっそ油断したーーっ!」 殴られた頬を抑えながら虎杖くんは、急いでテレビを消して、私に苦笑した。 「変なもの見せてごめん。で、えっとー……言い訳してもイイデスカ」 言い訳も何も、今見ていたのは所謂アダルトビデオだ。 虎杖くんは健全な男子高校生。 部屋にグラビアポスターを貼るくらいの男子の行動として、これは正しい。 「え……あ、ううん。ノックとかせずに入ってきた私が悪いし」 「いや、そうじゃなくてさ。えっと、別にコレ……ヌきたくて見てたわけじゃなくてさ」 ポリポリと頬をかきながら、虎杖くんは眉を下げた。 「こんなん見てても、呪力安定させられんのかなーって」 たぶんそれは、その場凌ぎの嘘なんかじゃないって、虎杖くんの顔を見たらすぐに分かった。それが分かってしまえば、逆に安直に考えてしまった自分が恥ずかしく思えて。 「ごめんね、早とちりしちゃった」 「いや、普通はそう考えるって。まあそれらしいこと言ってっけど全然何にも思わずに見てたわけでもねぇし」 虎杖くんは素直にそう付け加えて視線を逸らす。そのセリフに私も何も反応しなければよかったのだけど、反射的に視線を下げたら不自然な下腹部の膨らみが目に入ってしまった。すぐに目を逸らしたけど、恐らく私がそれを見たことは虎杖くんにもバレている。 でもお互いに直接的な言葉を避けて、変な空気だけがその場に漂った。 「えーっと……それより、どしたん? 皆実も白クマ練習?」 「あ……あの、虎杖くん夜ご飯どうするかなって」 「あー、もうそんな時間か。食う食う。……あ!」 「ん?」 夕飯の話題を振ると、途端に虎杖くんが目を輝かせた。 「今日五条先生いねぇし、皆実ご飯作ってよ」 虎杖くんの提案に私は目を瞬かせた。そして考えること数秒、私は首を横に振る。 「本当にあんまり上手じゃないから。虎杖くんのご飯のほうが美味しいし」 「俺は皆実の作ったご飯が食べたい。今日はそーいう気分。な?」 ズイッと覗き込むように顔を近づけられて、反射的にビクリと身体を揺らしてしまう。あからさまに反応してしまった自分が恥ずかしくて、踵を返そうとしたら虎杖くんに腕を掴まれた。 「……っ」 「逃げないで、皆実。……その顔めちゃくちゃ可愛いから、ちゃんと見して」 強い力で引き戻されて、虎杖くんが私の両頬をその温かい手で包み込む。 否応なしに合わせられた視線は、焦げかけの熱を宿してる。 「顔真っ赤で、すんげえかわいい」 「そんなこと、ないから……」 「目逸らしても、かわいいだけだかんな」 そう告げて、虎杖くんがまた私の顔に自分の顔を近づけた。 触れ合うまであと少しの距離に、怯えた私は後退る。 でも私が一歩下がれば虎杖くんがまた一歩詰めてくるから、結局私の背中が壁にぶつかればそこで行き止まり。 背中に当たる冷たい壁の感触とは正反対に、私に触れる虎杖くんの身体が熱い。 「皆実……チューしたら、ダメ?」 「……ダメに、決まってるじゃん」 「五条先生としてんのは、やっぱり好きだから?」 そう、だけど……。それを肯定することを躊躇してしまう。 五条先生のことを素直に『好き』と口にできない理由を、誰より虎杖くんの身体は知ってる。 その内側に宿したもう一つの魂が、私の裏切りを知ってるから。 「私とキスしたら……虎杖くん、呪われるから」 「もう呪われてるよ、俺」 虎杖くんに対して最も意味のない言い訳をして。 そんな私を、虎杖くんが笑った。 「じゃあ口にはしねぇから……」 そう約束して、虎杖くんが私の頬にキスをする。 子どものようなキスが、私の頬にいくつも落とされて。 「い、虎杖……くん」 そのキスが徐々に首筋に降りてきていることに、気づいた時にはもう遅かった。 「胸、触っちゃダメ?」 首筋に熱い息をかけながら、強請るように問いかけてくる。 そんなのダメに決まってるのに、身体の中に徐々に流れ込んでくる呪いが出口を探して快楽を求めてしまう。 無意識に身体を捩らせたら、虎杖くんの硬い熱がお腹に当たってしまった。 「……さっきのAVで結構出来上がってたのにさ……皆実がこんなかわいい顔するから……結構限界」 わざと擦り付けるように、虎杖くんが私のお腹にソレを擦り付けた。 「や……っ…虎杖、くん……当たって……っ」 「なぁ……触るだけ……ダメ?」 それを許すべきなのか、頑なに断るべきなのか、正しい答えが分からない。 もしも私が部屋に来なければ虎杖くんはあのまま一人で処理できたかもしれないのに、それを邪魔してしまったのは間違いなく私で。 だからって、許していいわけないのだけど。 「……触る、だけ……だよ?」 その言葉を信じてしまうくらいに、私は虎杖くんに気を許していた。 「うん……約束する」 虎杖くんが私の学ランのボタンを外す。 そうして、そのままキャミソールだけをたくし上げた。 「……っ」 「やっぱ……でけぇよな。……皆実のおっぱい」 「や……だ…あんまり……見ないで」 「無理無理。……こんなん、ずっと見てられる……」 本当にずっと見ちゃいそうなくらい、虎杖くんは下着に収まったままの私の胸に視線を当てていた。 そうしてその節くれ立った指で、くっきりと刻まれた深い谷間をツツとなぞる。その些細な刺激に私が身体を震わせたら、下の熱がまたその大きさを増した。 「ホック、外すね」 背中に手を回して、虎杖くんがその留め金を外す。 たくし上げられたキャミソールとは対照的に、ブラジャーが胸の下で行く宛もなく不安定に揺れた。 「あぁ……やばい……すげぇキレイ」 感嘆するように言いながら、虎杖くんは包み込むように私の胸を両手で揉み始めた。 「やわらけぇ……痛くない?」 「痛く……は…ない……けど……っ…ん」 時折指先が頂を掠めるのが、もどかしくて。 触れられるたびに体が跳ねてしまう。 「皆実……かわいすぎ……すげぇ…舐めてぇけど……約束、だもんな」 「……っ…ぁ……う…ん」 「そんな声出されたら……もっと聞きたくなる……」 「あ……んん……っ…ぅ」 言いながら、虎杖くんがずっと焦らしてきたその頂を指先で弾く。馬鹿みたいに大きく身体を揺らした私を、虎杖くんは切なげに見つめて。 「気持ちいい? 皆実」 「……ん……ぅ……っ」 「胸だけで……こんなになっちゃって……ちゃんとシたら、もっとかわいくなんの?」 「や……ぁ……っ、つね……な……ぃ…で」 グリグリと、いじめるように胸の頂を弄られたら、どうしたって腰が揺れてしまう。 求めるように、虎杖くんのソレにお腹を擦りつければ、虎杖くんの口から呻くような声が漏れた。 「皆実……それ、ずるい」 「ぁ……んっ……」 「触る、だけ……なら……これもいいの?」 下腹部を擦り寄せる私を揶揄するように、虎杖くんが尋ねてくる。 もう何が正解で、何がダメなのかもよく分からなくて。 頷いたことに、意味なんてないの。 「……皆実、俺に甘すぎ」 そう言いながらも、虎杖くんは私のショーツを脱がして。 濡れたショーツが私の蜜壺と綺麗な糸で結ばれているのを見て、その舌を舐めた。 「最初に触るだけって約束した自分を殴りてぇ」 困り顔で言いながら、虎杖くんは自分のベルトを外した。 こんなことになっても、最低限の約束だけは守ってくれて。 虎杖くんの熱が、私の蜜が滴る内股にそのまま滑り込んだ。 「……足しっかり閉じて。じゃねーと挿っちゃうかもだから」 内股で、その硬く熱い塊を挟み込む。 そうしたら、大きな形を直に肌に感じて。 「……っ……ぁ……ん」 擦れ合う熱が、互いの思考を麻痺させていく。 「あー……皆実…全部……やわらけぇ……」 「は…ぁ……っ」 スカートの中で、卑猥な音が鳴り響く。 私の蜜が絡み合って、素肌で擦れる音。 首筋を舐める虎杖くんの吐息が、沸騰したように熱を持つ。 「……あ……っ…そこ……っ…あたって……」 「ここ……擦られると、いい?」 「あ…ああ……ん……っ」 足が震えて、立っているのもやっとで。 縋るように虎杖くんの肩をギュッと握る。 そうしたら、虎杖くんの肉棒がまた質量を増して。 「ああ……皆実……俺も……めちゃくちゃ気持ち、いい……っ」 こんなのおかしいって、分かってるのに。 快楽の波に、抗うことはできなくて。 「は……ぁ……なあ…皆実……イきそ? 俺……もう……っ」 虎杖くんの腰が大きく揺れている。 限界なんて、もうとっくの昔に超えていて。 「虎杖……くん…っ」 耳元で囁いた『一緒にイッて』の言葉とともに、虎杖くんの身体が大きく震えた。 コメント ×
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