夢下限恋愛 | ナノ



『穏やかだった日々の一夜』


※時間軸としては親睦会から呪胎戴天くらいのお話


 親睦会を終えて、みんなとの距離がまた一段と近くなった気がする。
 私とみんなの距離はもちろんのこと、例えばもともと相性の良い野薔薇ちゃんと虎杖くんの関係ももっと良くなったし、野薔薇ちゃんと伏黒くんもよく喋るようになった。伏黒くんと虎杖くんもお互いを信頼してる感じが一層強くなって、小さな変化だけど私にはとても新鮮なこと。

 野薔薇ちゃんに流行を教えてもらったり、虎杖くんが打算のない楽しい会話をしてくれたり。
 伏黒くんは……。

「……ねえ、起きてんのにいつまで僕のこと無視すんの?」

 耳元で響く掠れた声に、すべての思考を止められる。
 気を紛らわすように巡らせていた無難な思考を止めたら、この現状を否応なしに頭が意識してしまう。

「僕の挿入ったまま……他の男のこと考えてたりして」

 ベッドの上、私は五条先生に背を向けるようにして横になっている。
 でも背中にはぴったり五条先生の胸板が押し付けられていて、汗の滲んだ素肌が離れることを拒むように密着していた。

 今は、おそらく朝の4時前くらいだろう。
 真っ暗だった部屋の中が薄暗く変わっている。

 まだこの部屋が暗闇に包まれていた頃に、私は五条先生に……その、うん。いろいろあって……その、気絶、させられたんだと思うのだけど。
 さっき目を覚ましたら、下腹部にその違和感がまだ残っていて。

 恐らく目が覚めたのだとバレたら、このまままた抱かれてしまうだろうと。
 それが分かっていたから寝たふりをするために、冷静に取り留めもないことを考えていたのだけど。

「皆実がイきまくって気絶しちゃったから……僕まだイッてないんだよ。ずーっとこのまんま……分かってる?」

 やけに色っぽい声が耳元で響くから、思わず身体が震えてしまって。
 意図せずに体に力を入れれば、五条先生が息を詰まらせた。

「……いきなりシめんなよ。……それとも、朝っぱらからめちゃくちゃに抱いていいわけ?」
「ち、が……ぁ」

 朝一番に出した声は小さく掠れてしまう。
 でもその掠れた声の中に、微かに混ざってしまう自分の高い声が、私の羞恥心を煽った。

「昨日あれだけ舐めて…つねって……いじってあげたから……まだ乳首かわいくなったまま……」
「や……ん…っ……ぁ」

 背後から回る手が、そのまま私の乳首を弄る。
 昨日も私がどんなに降参の合図を送っても、五条先生は舐めることも抓ることもやめてくれなくて。
 あれだけ弄られたら、その先端がおかしくなっちゃうのも仕方ないじゃんって……怒りたいのに。

「あ……ん…っ、ぅ」
「起き抜けの皆実の声ってさ……めちゃくちゃエロいんだよね」

 身体だけじゃなく、精神的にも煽られれば、快感が身体を巡って文句の声も出ていかなくなる。
 起き抜けの声がいつもと違う艶で彩られてるのは……私だけじゃない。
 五条先生だって……いつもの夜と囁き方が違うの。
 こんなふうに私の鼓膜に息を吐くような囁き方なんて、しないのに….。

「ねぇ……もう動いていい? ……さすがにもう待てない」

 私の中に埋められたままの肉棒が徐々に私の中でしっかりと形を顕わにしていく。
 異物感が増すほど、私の身体は求めるようにその肉を自らの壁の中に包んだ。

「……ぁ……っ……皆実……」

 呼ばれて微かに顔を後ろに向ければ、そのまま唇を奪われる。
 五条先生の熱い舌が絡んでそれだけで溶けそうになるのに。
 私の乳首を弄る手も、腰をゆるゆると動かすこともやめてはくれない。

「……ごめん……皆実……そのまま……足抱える、から……っ」

 互いに横向きに寝たまま。
 五条先生が私の片足の膝裏を抱えて開かせるように上へ持ち上げる。
 そうしたら五条先生の足がしっかりと私の内股を押さえ込むように入ってきて。

「……っ、ぁ…先生、……っやぁ、…っ」
「うん……こっちのが……動きやすいし……っ……いいとこ当たる、だろ?」
「ん…ぁ…っ、…はぁ…ああっ…ん」

 起き抜けで声がうまく出ていかない。
 動きづらそうに揺れていた腰が、ストッパーを外したように動き出して。
 互いにベッドの上に横たわっているから、五条先生の腰が動くたびに私も、シーツもぐちゃぐちゃに揺れて乱れていく。

「……あ、…ぁ…っ、先生……そんなに……したら…っ」
「またイく? イってもいいけど……さすがにもう…気絶しても待ってあげられるほど……紳士なことできないよ?」

 困ったように笑う息も、途切れて艶やかに流れてくる。

「や…ぁ…ああ…っ…あ…あ……いっ、あ」
「ああ………っ……いいシメつけ……ごめん皆実……マジで優しくすんのは…無理」
「ひゃ…あっ…あんっ…あ…やだ…せん、せ…っ」

 痙攣する身体を離さずに、五条先生はさらに奥深くを抉るように私のナカを突いてくる。
 頭の中がすでに真っ白で、チカチカして。
 さっき気絶する寸前に見た景色がまた私のことを迎えに来てる。

「せん…せ…っ…あ…んんっ…あっ、きゃ…ぁ」

 でもそんな私の思考を呼び戻すように、五条先生が私の首筋を甘く噛んで。

「こら……置いてイくな、よ」

 新たな刺激がまた私のナカを駆け巡って、こんなの逆効果なのに。

「あ…んぁ…っ、はぁ…あっ、ご、じょ…せんせ…っ」
「皆実…えっろい……あぁ……やっば…い……はぁ…ぁ」

 五条先生の声が熱に浮かされて、甘く響く。
 ナカを掻き乱すように暴かれて、もうきっと、この痙攣が治まることはないの。

「ずっとイキっぱ…じゃん……っ…かわい、すぎ……っ…ああー……っ…僕も……もう」

 淫らな水音が部屋の中に木霊する。
 溢れ出すようにぐちゃりぬちゃりとわざとらしく響く音が、私と五条先生の肌が乱暴に擦れ合う音と共鳴して。

「…あ…っ…や…ぁ…また…またイッちゃ…ああっ…あ……っ!」
「……っ、皆実」

 ギュッと、逃げられないように抱きしめられて。
 これ以上一つになんかなれないくらいに、強く抱かれて。
 薄膜の中に溢れる熱が、私の身体を流れることはないのに。

 どうしようもなく満たされて。

「……はぁ……っ……ぁ……皆実」

 互いに果てても、五条先生はすぐにはその熱を抜くことはしなくて。
 余韻を楽しむみたいに、私のナカに沈めたまま。
 私のことを優しく抱きしめて。

「……ごめん。……今夜も抱かせて」

 今抱かれたばかりなのに、あまりにも早い次の約束が、朝日に照らされて甘く溶けた。



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