また明日 06
「皆実……っ…は…ぁ……ナカ…いつもより……濡れて……っ…きもち…いい」
もう何度、絶頂に達してるのかも分からない。
苦しいくらいの快楽の波に飲まれて、それでも私は……もっともっとって、さらに深い熱を求めてしまう。
もう腕に力なんて入らないのに、五条先生の首に絡めた腕を解くことはできなくて。
「ぁ…っああっ、……は、ぁっ、せん、せ…ぇ…あっ」
「あー……やっ…ばい……」
耳元で吐息まじりに囁き合えば、お互いの体が震えて。
その振動が新たな刺激になって、また私たちに熱を流した。
「皆実…また……イきそう、じゃん……っ」
「や…ぁ……っ」
「まだまだ……僕は…全然、足んないん、だけど?」
「せん、せ……ぁ、うっ……機嫌……なおし、…てっ」
息を整えられないまま問いかければ、五条先生は困ったように笑って。
私を突き上げる勢いを少し緩めて、優しいキスを額に落とした。
「何、……直してほしいの? やめたい? 僕とのエッチ」
「そんな……わけ…ぁ…んっ」
「皆実がやめたくても……絶っっ対僕は……やめてやんない、よ……。こんな姿まで……七海に見せたんじゃないかって……考えると止めらんない」
「なな、みさんとは……こんなこと……っ、ぁ…ん、あっ」
「七海の名前、呼びながら……僕の締めるな……っ」
少しだけ拗ねたように言って、五条先生がまた腰の動きを早めた。
七海さんの名前を呼んだって、考えてるのは五条先生のことだけなのに。
どう伝えようとしても、私の言葉は薄っぺらくなっちゃうから……。
だから……。
「五条、先生……っ」
「……ぁ…っ、皆実……ぁ…動くな……っ」
言葉じゃ伝わらない気持ちを、せめて体で示したくて。
五条先生任せになってしまう行為を、せめて一緒に繋がる行為にしたくて。
五条先生の腰の動きに合わせて、私も自らの腰を揺らした。
「……ぁ、ん……先生……きもち、ぃ?」
「……っ…七海んとこで…何、学んだんだよ……っ」
そんなふうに私を揶揄しても、私のナカを貫く熱がどんどんその質量を増していくから。
きっとこの行為が、五条先生は嫌じゃないんだって。
言葉で伝わらない気持ちも、繋がったすべてが教えてくれる。
「……ぅ、皆実…っ……あぁっ、僕のこと……離すな」
身体が素直なのは……私だけじゃなくて、五条先生も同じなの。
「あ……んっ…あ…あぁっ」
言われなくとも離れることができなくて。
私は五条先生の首に腕を回したまま、少しだけ体を浮かせて。
五条先生の首筋に唇を当てた。
「……ははっ、……いいよ…僕の首に皆実の痕つけても」
まるで「つけて」とでも言うように、今度は五条先生が自らの首を私の唇に擦り寄せた。
けれどその綺麗な首筋を私の痕で汚すことにわずかな抵抗があって。
首筋に唇を触れさせたまま、何もできない私を……五条先生は笑った。
「早くつけないと、僕が先に……たくさん皆実に痕つけるよ?」
そう言って、先手を打つみたいに。
五条先生が私の首に自らの唇を寄せた。
お手本を見せるように、愛しい首輪の周りにその証を刻んでいく。
与えられる微かな痛みなんて、もはや快楽でしかなくて。
「ぁ…っ……あぁ…っ」
「首にキスするだけで……感じちゃってさ……相変わらずエロいね、お前」
揶揄するような声にも、体は耐えられずに反応して。
身体を震えさせる私を、また絶頂に追い込むみたいに、五条先生が私を追い詰めていく。
「ね……そんなに気持ちいいなら……僕にも、つけてよ、皆実の印」
そんなことを囁かれたら、堪らなくて。
どんなに私を保っていたくても、身体が言うことを聞かない。
「あ……っふ、ぁ……あぁっ」
これ以上したら、私が意識を手放しちゃうって、そんなことも全部分かってるくせに。
五条先生はビクつく私の身体を押さえ込んで、私の身体に愛くるしい杭を打っていく。
「早く……っ、またイッちゃうでしょ皆実」
そう言うなら少しは手加減してくれたらいいのに。
与える快楽の波を、鎮めることはしなくて。
「あ、…もっ……ああっ……先生…ごめん、なさ…っ…ぃ――」
「……っ、はっ…それは、やりすぎだろ……バカ」
頭の中を白紙に返す寸前。
愛情に溢れかえるような声で私の名を呼ぶ、五条先生の首筋に……私は自らの噛み跡をつけて。
そのままベッドに沈みこむ。
けれどそれは行為の終わりではなく、もはや始まりで。
「……かわいすぎて、もう全然機嫌直んないよ」
くっきりと刻まれた痕にスイッチを押された五条先生が、その後もずっと私のことを抱き続けて。
ふと意識を戻しても、また五条先生に意識を奪われて。
そんなことを繰り返して、私は1日中、五条先生に抱かれ続けた。
零れ落ちそうなくらいの愛情を、全部抱え込んでもまだ足りなくて。
何度身体を重ねても、まだ欲しがって。
どんなに満たされても、溢れてしまうほどに求めて。
でもそれは、依存なんかじゃない。
ただただ、五条先生へ向けた愛情に他ならなくて。
「皆実……おかえり」
やっと、五条先生の元に戻ってこれたんだって。
そう実感したらまた、身体も、頭の中も全部真っ白になって。
やっと、五条先生だけを刻むための真っ白な自分に戻れた気がした。
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