家出少女の芸術思考 | ナノ


▼ 0話

家にうんざりした。
とにかく誰もいないところへ行きたかったのだ。

三人兄妹の末っ子である私は、生まれてすぐ親に絶望された。
なにか特殊な才能があるわけでもなく、なにか特殊な能力があるわけでもなく、何も持っていない、並で平凡で…とにかく兄にも姉にも劣っていたわけだ。
親には名前すら呼ばれたこともない。
兄と姉は自分を必要としてくれていた。
それが利用する形だとしても嬉しかった。
それでも家が嫌いだった。

だから家出した。
家出したからといって捜索届けが出されるわけもなく…その時点で思った。
そこから出たのは私の意志だったけれど、捨てられたのだ。
私は家族に捨てられたのだ。

prev / next

[ back to top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -