黒板で告白 【2/5】




「あれ…。」




初めて足を踏み入れた図書室




その奥の奥。
誰も近寄らないような本当に奥。




何でかわからない。




でも何となく引き寄せられるようにして近寄った。




「こんなとこに黒板なんかあるんだ〜。」




もしかしたら誰も知らねぇんじゃねーの?




白・赤・青・黄色




一通りの色がちゃんと揃っておいてあった。




…誰も見ないならいいよな?ちょっとくらい悪戯しても。




『練習、キツすぎ。』




そう書いてから自分で笑った



まっ、いっか。




そのままにしてその日は図書室を出た。




そう。




今思えば、確かにこれが始まりだった。









2日後




何を思ったか、ふとあの黒板に足が向いた。




返事が書いてあるはずもないのに
無性に気になったのだ。





「マジかよ…。」




書いてあったのだ。





確かに。





“無理しないように頑張ってね。”





そう、稀に見る綺麗な字で。




『サンキュー。
俺、高尾って言うんだけど知ってる?』




新たなメッセージをその下に書く。




これで知ってたら嬉しいよなぁ〜。




顔がにやけた。




これ、結構楽しいかも。




どっかの知らない誰か。




同級生か先輩かもわからない。




でも、確かにこれで繋がっている人がいる。





/





「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -