長崎十字架島まとめ | ナノ
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登場人物

美和絢也(みわじゅんや)17才

長崎・十字架島(じゅうじかとう)の高校生。
十字架島は隠れキリシタンの伝説の残る孤島で、絢也は美雪が中学時代に訪れた時、隣の貸別荘に滞在していたことがあり、それ以降しばらく手紙などの交流を続けていた。
絢也は、異国情緒の残る十字架島で暮らす美しい少年で、天才詩人としても有名であり東京で大きな賞にも入賞した。
受賞した詩の中のひとつが、中学生の頃に一緒に遊んだ美雪をモチーフにしたものだったことから、美雪は絢也に再会することになる。
絢也は以前から美雪に思いを寄せており、それを心配した金田一は夏休みにその町を訪ねるという美雪に同行することになった。



遠夜聖子(とおやせいこ)17歳

絢也の幼なじみ。
絢也に想いを寄せる地元の少女であり、絢也の美雪への気持ちを知り、嫉妬心から美雪を島から追い出そうと策略を企てる。
彼女もまた、絢也の詩のひとつ『木漏れ日の少女』のモデルでもある。



小坂部崇(おさかべたかし)18歳

絢也の親友。
十字架島に残っているキリスト教の亜流ともいえる『九留州(クルス)教会』の司祭であり、島の有力者でもある小坂部六郎の息子。
高校生ながら司祭として教会に立つ崇は何か人知れず曰くありげな佇まいを持つ少年である。
小坂部一族はこの島に逃げてきてひっそりと暮らしていた隠れキリシタンの子孫で、教会には、全国から逃げてきた人々や捨てられた子供などが大勢、匿われるようにして暮らしていた。



由利川春名(ゆりかわはるな)35歳

絢也たちの通っていた中学校の音楽教師。
田舎の中学の教師とは思えない美貌の持ち主であり絢也の才能を見抜いて、詩を書くように勧めた人物である。



笠木華絵(かさきはなえ)38歳

絢也が詩人として売れだした時に突然現れ、そのまま絢也のマネージャーのようになった女性。
絢也の実の両親のことを知っているらしくその縁で今の絢也の生活の面倒をみている。
そして絢也の詩集の印税や講演会などを一手に取り仕切り、一人羽振りのいい生活をしている。

第一の犠牲者


間宮秋声(まみや・しゅうせい)42歳

絢也の育ての親。
絢也の父親の親友で、両親が亡くなった後、絢也を引きとって育てた人物。
以前は有名作家であったが、現在は見る影もなくおちぶれてしまい定職にも就かず、たまに入ってくる過去の作品の印税で、ひっそりと暮らしており、美貌の天才少年詩人として売れ始めた絢也に実質上、世話になっている。

第二の犠牲者

あらすじ
金田一と美雪のところに「天草財宝伝説事件」以来、久々に雑誌記者のいつき陽介が訪れる。今回は金田一ではなく美雪の方に用だと言う。そして美雪に一冊の詩集を見せるのであった。

詩の芥川賞とも言われる大賞をとったこの「セレナーデ」という詩集の作者が長崎の十字架島に住む17歳の天才詩人である美和絢也であり、彼は美雪の中学生時代の知り合いであることを告げた。

その詩集の中の「追憶の少女」の題材が美雪であり、それは彼と美雪が中学時代の夏休みに、ひと時一緒に過ごした思い出を描いた作品であることを知らされる。 美和絢也はその時から美雪に淡い恋心を寄せていた。

絢也への嫉妬心から、はじめは美雪と共に十字架島へ雑誌の取材という理由で行くことになった。 休暇中の剣持警部も「お目付け役」ということで同行することになり、3人はあたかも運命に導かれるように長崎十字架島に住む美貌の天才詩人美和絢也に会いにいく。
ここから「不可思議な運命の歯車」が回りだした。

この時、この十字架島への旅が二人の身に降りかかる恐ろしい事件の幕開けであることを、はじめも美雪も知る由もなかった。

そして二人は、運命の長崎十字架島へ…


長崎十字架島は元々ポルトガルの宣教師と隠れキリシタンが開いたという伝説のある島であり、決して外部の者を寄せ付けない不気味な雰囲気のある島であった。 島に着くと絢也の同級生である遠夜聖子と小坂部崇が迎えにきていた。東京からのよそ者を訝しげに見る二人の目は、これから起こる不吉な事件の前兆を感じさせた。

美雪は、いよいよこの世のものとも思われぬ美しい美和絢也と再会する!!

絢也は招かれざる客のはじめや剣持も歓迎する。
その妙に大人びた彼の雰囲気にはじめは言いようのない違和感を覚えるのであった…

彼への取材で行った中学校で絢也に詩を書くことを勧めた音楽教師の由利川春名を紹介される。
はじめは、彼女の訳ありげに絢也を見る目が無性に気になった。
その後、書斎で彼の育ての親でもある怪しげで暗い印象の元作家の間宮秋声と絢也のマネージャー的存在の笠木華絵と出会う。 はじめは、この奇妙な同居人にも不自然さを感じるのを禁じ得なかった。「ここの住人には暗い陰がつきまとっている」

その夜、美雪の歓迎会が催され、絢也とその周囲の人たちが集まった。明るく振舞う聖子や崇が本当は東京からのよそ者を歓迎していないことをはじめは感じていた。
そこで金田一は崇が「何かとんでもないことが起こる!」と不気味な事を言っているのを聞いた。
はたして、彼の言葉が意味することとは…?

その深夜、美雪の身に恐ろしい事件が起こった!!


美雪が忽然といなくなった!

美雪の部屋には絢也の詩集「吟遊詩人」が置かれていて、その中の「鳥になった少女」のページが開かれていた。
嫌な予感がしたはじめが絢也を呼ぶと、彼が「詩の舞台になった場所に行ってみよう」と言う。 前の晩に小坂部六郎、笠木華絵、間宮秋声らと深酒して寝込んでいた剣持警部をたたき起こし、十字架中学校の屋上に由利川春名も一緒に駆けつけたのであった。

絢也の指示どおり手分けして探すと助けを呼ぶ美雪の声が…。「来てくださいっ!」
彼女は手すりの向こう側の屋上の縁に寝かされていた。
絢也は必死で手すりごしに美雪の腕を掴む。そこに、はじめと剣持が加わって二人で、あわや転落という美雪を救出した。

美雪から、夜中に何者かに薬を嗅がされて拉致された、との証言を聞いた剣持は「これは明らかに犯行未遂だ」と断定するのであった。

はじめは何故、絢也の詩に準えて美雪が犯行されかけたのかに強い疑問を抱き、事件がこれだけでは終わらないと予感した。

その夕刻、はじめの予感が的中する!!


今度は絢也と一緒に暮らしている笠木華絵がいなくなった!部屋には美雪の時と同じように絢也の詩集「吟遊詩人」が開かれて置いてあったのだった。
そこで真っ青な顔をして絢也がはじめと美雪、剣持を呼びに来た。4人は急遽華絵が事務所にしている部屋を訪ねるのであった。
慌てた美雪は置いてある大きな鉢を落としてしまい、その始末のため管理人のもとへ先に向かわねばならなくなった。
(これが後刻、はじめの謎解きのヒントになる)

はじめ、絢也、剣持がその部屋に着いた時、人の気配はなく鍵もかかっているらしく開かなかった。 そこで絢也が急遽、管理人に鍵をもらいに行った。5分ほどで鍵を持って絢也が帰り、そのドアを鍵で開けるとそこには…

絢也の詩の言葉に準えたかのように華絵が動かぬ姿で座らされていた!

部屋には内側から鍵がかかっていて、唯一開いている台所の空気抜き窓にも拳しか入らない程の幅の格子が入っていた。 さらに管理人の持っているマスターを除けば鍵は一つだけで、複雑で複製するには困難な鍵は動かぬ華絵の抱える猫形のバッグのキーホルダーに繋がれていた。

華絵は絢也の詩「アパートの女主人」そのままに、ロッキングチェアの上に座らされて膝には猫を模したバッグを乗せていた。これはまさに…

密室事件!!


地元の警察は美雪の事件同様に絢也の詩集が関わっていることで、絢也に疑いの目を向けた。しかし、はじめは、そんなに単純な事件ではないことを主張し、独自の捜査を開始する。

歓迎しているようでどこかよそよそしい小坂部家の人々、美雪を邪魔に思っている遠夜聖子、絢也を見る目が異常に思える中学の恩師の由利川春名。

容疑者とも思える人物たちが、それぞれに怪しい様子をみせていた。

そして翌朝、第三の事件が起きる。

十字架中学校の校庭の中程で、被害者となった間宮秋声が見つかる。被害者は、やはり絢也の詩集「吟遊詩人」の一ページを開けて本を握りしめていた。 その姿はあたかも絢也の詩「孤独な老人の散歩」にそっくりであった。

被害者が置かれていたのは前日からの雨でぬかるんだ校庭で、その真ん中に立つ一本杉と校舎のちょうど真ん中の地点であり、足跡は秋声の履いていた長靴のものしか残されていなかった。 これはまさに…

足跡なき犯行!!


地元警察は絢也が受け取るはずであった死んだ二人の「死亡保険金」を理由に絢也を犯人と決めつけ、引っ張ろうとする。
そこで絢也が言った
「あの保険金なら僕も入っています。最近、華絵さんが言い出して僕の印税がたくさん入ったから税金対策でかけよう」って、 「だからもし僕が死んでいたら、保険金はあの二人に入っていたんです」とのことであった。

そして絢也の詩に準えて犯行が起こったので、彼が怪しいと言う刑事に剣持警部が反論した。彼はこの二つの事件は自ら命を絶ったのではないかと考えた。 密室と足跡のない状況での被害者の発見はそれ以外に説明ができない、という見解であった。
作家として売れなくなった秋声は世を儚んでいた。その愛人であった華絵も彼に同情したのではないか?という理由であった。

自ら命を絶ったのではなく事件なら保険金は絢也に入るだろうし、彼の詩が売れなくなっても困ることはない。 そこで犯行を偽装し、なおかつ自分たちのメッセージを絢也に伝えたくて彼の詩集に準えたのではないか?というのが剣持の推理であった。

大きなショックを受けている絢也。「もし自ら命を絶ったのならば保険金がおりなくても構わない」と言う。 「仮におりたとしてもビタ一文いりません」とも言った。そこで警察は納得したのだが、はじめだけは何かが違うと考えていた。

この事件はまだ終わっちゃいない。
真相は必ず俺が暴いてみせる。

「ジッチャンの名にかけて!」


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