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「トリックは全て暴いた!
あとは、犯人を追い詰めるだけだ!!」

コンコン!!

「(ん? こんな時にいったい誰なんだ?)はいはーい! 誰?
なんだ、美雪か。どうかしたのか」

「はじめちゃん、あのね。今日で最後だし、色々なことを私なりに整理してきてみたの。
あまり役に立たないかも知れないけど……。はじめちゃんの推理の手助けになればと思って……」


「そうか、ちょうど俺も今から事件のことを整理してみるところだったんだ。部屋に入れよ」

「ねえ、はじめちゃん。歌月っていったい何者なの?やっぱり犯人は歌月なの?」

「歌月はトリックで生み出された架空の人物なのさ。
まず俺達が到着する前日にホテルにチェックインした『歌月』と名乗る人物は、部屋に入ってくるなときつく言いつけ、この島を脱出したんだ」

「でも、はじめちゃん。ここは孤島だよ? 定期便の就航もないし……」

「簡単なことさ。
ゴムボートで、ここを脱出したのさ」

「え? でも、ゴムボートなんて大きなモノをどうやって?」

「簡単なことさ。
『歌月』の部屋にあった『スーツケース』の中に入れて持ち込んだんだよ。ゴムボートの空気を抜いてしまえば、持ち運びできるだろ?」

「なるほど……。でも『歌月』が架空の人物となると、いったい誰が……」

「簡単なことさ。
犯人は、俺達の中にいるってことだ!」

「!!」

「まずは、最初の殺人事件について、整理してみようか」

「うん。
桐生さんが襲われた時、みんな食堂に集まっていたのよね」

「ああ、だがこれは巧妙に仕組まれたトリックだったのさ。
まず犯人は、今まで収録された『オープンリール』の中から、桐生春美が悲鳴を上げているシーンを探し出す。
そして事件の夜、月島のことをバラすとか言って、舞台の上に呼び出したのさ。
もちろん、みんなが食堂に集まる時間を狙ってね。
その数分後に、タイマーでセットされたオープンリールがまわり出し、俺達はテープの悲鳴と知らずに食堂を飛び出していった」

「でも、それじゃあ桐生さんにも聞こえていたんじゃ……」

「美雪、昨日一緒に実験したじゃないか」

「あっ!
あの時!!」

「そう、あの時、美雪は『どん帳を下ろしたら、スピーカーの音がいっさい聞こえない』って言ったじゃないか。
つまり、どん帳を下ろしていれば、オープンリールから流れていた悲鳴も聞こえなかったてことさ。
どん帳が下りていたことは、床に残っていた血痕とどん帳の裏側に付着していた血痕が証明している」

「そうだけど……。
でも、もしかしたら、事故ってこともありえるんじゃない?」

「それはないな。
ワイヤーの切り口が、スパッと切れている。
これは、故意に誰かが刃物でワイヤーを切り、舞台の上の彼女に照明を落としたことを照明している。
つまり、桐生春美は、犯人によって殺害されたのさ。
そして、彼女の殺害に成功した犯人は、次の犯行を実行に移したのさ」

「でも、はじめちゃん。
警部さんの話じゃ、自殺の線が濃厚だって……。
あの時、早乙女先輩の足跡しかなかったし……」

「それは簡単なトリックさ。
彼女は部屋の中で殺されて、外に運び出されたのさ」

「でも、首吊り自殺に間違いないって、お医者さんも言ってたわ」

「犯人は、窓を使ったのさ。
まず、この『ワイヤー』を窓の内側から見えないように張り巡らせておき、ワイヤーの端を上の階に引き込んでおく。
そして、彼女がなくしたケータイを窓のすぐ下に置いておき、上の階の電話を使ってケータイを鳴らす。
ケータイをなくしていた彼女は、その着信音に気がつき、あわてて窓を開け、身を乗り出してケータイを探すだろう。
彼女が首を出したのを確認したら、ワイヤーを一気に引いたのさ」

「なるほど……。
そうすると、窓枠に張り巡らされていたワイヤーが首にかかるわけね」

「その通り。上の階の空き部屋の窓枠を調べたら、案の定ワイヤーの跡がくっきり残っていたよ。
あとは、ワイヤーをつたって下の階に降り、彼女を担ぐと、今度は彼女の靴を履いて『死体』を木に吊したんだ。
その後は、彼女に履いていた靴を履かせて、芝生の上を通って帰れば、足跡を残さずに戻ることができるのさ。
早乙女先輩は自殺ではなく、犯人に殺されたのさ。
しかし、ここまで思惑通りに進んでいた犯行だが、ここで思わぬ事態が犯人に発生したのさ」

「それは?」

「緒方先生が、偶然にも犯行に使われた、この『オープンリール』を見つけてしまったんだ。
そして、犯人はとっさに緒方先生を襲ってしまったんだ」

「そ、そんな…。でも、先生は自室の風呂場に倒れていたはずじゃ……」

「緒方先生は、自室で襲われたんじゃない。『音響室』で襲われたんだ」

「どうして『音響室』だってわかるの?」

「先生のストッキングだよ。あのストッキングには、大量のホコリが付着していたんだ。
思い出してみろよ。この館で最もホコリがある場所といったら……
そう。そしてそこで犯行が行われたと証明しているのが、この前、音響室で見つけたこの『つけ爪』だよ。
犯人にとっては、今回の出来事が予想外であったため、つけ爪が外れていることにも気がつかずに、先生をバスタブに入れてしまったのさ」

「でも、先生の服には血は付着していなかったよね?」

「ああ。でも、中庭の植え込みでこんなものを見つけたぜ」

「それは、先生の服じゃない! しかも、こんなに血がべったりと……」

「服に血が付いていると、他の場所で殺害されたことが連想できるため、犯人は先生の服を脱がせてバスタブに入れたのさ。
風呂で服を脱ぐのは当たり前だからな。
そして『血の付いた服』を捨て、先生のカバンの中から代わりの服を出し、それを洗濯機籠に入れたのさ」

「じゃあ、あとは凶器になるんだけど、鈍器ということ以外、何も手がかりがないのよね」
「その凶器もすでに発見済みさ。
ゴミ捨て場に捨てられていたこの『道具箱』、よくみてみろ」

「あ! 血が付いている!!」

「そう、この真新しい血の跡から、この『道具箱』が緒方先生を殴打した凶器とみて間違いないだろう。
そして犯人は、最後の殺人を計画していたんだ」

「え? 最後の殺人?」

「そう、この『ボーガン』と『時計』を見てくれ」

「何かの装置にみえるけど……」

「時間が来ると、このボーガンが発射される仕組みになっているのさ。
ここの食堂の席はあらかじめ名札によって決められている。
つまり、誰がどこに座るということがわかっているのであれば、時限装置でボーガンの矢を放ち、狙った相手も射抜くことも可能だってことさ。
そして、この矢が向いていたのは……日高織絵だったのさ」

「織絵ちゃんを!!
でも、はじめちゃん。犯人は海に落ちて死んだはずじゃ……」

「あれは、簡単なトリックさ。
あの時、俺達は逃げる犯人を追い詰めた。
『コ』の字形の廊下の向こう側から、有森達が来ていたし、犯人は挟みうちになっていたんだ。
ところが、曲がり角を曲がった瞬間、向こうから来ていた有森とぶつかった。
犯人の足跡は、崖に面した窓に続いていた。
崖の下は海。
犯人の身に着けていた仮面と衣装が浮かんでいた。
廊下の向こうから来ていた連中は、誰も犯人を見ていなかったんだ。
俺もてっきり海に落ちたものだと思ったが……。
廊下に残された足跡は、あんなに泥だらけだったのに、窓の手すりには、足跡どころか、泥すらついていなかったんだよ
つまり、犯人は……」

「犯人は?」

「最初にぶつかった奴ということになるんだよ」

「それは……有森君ってこと?」

「残念ながら、そういうことになるな」

「完璧な推理ね!
ところで、このボーガンの時限装置は何時に作動するの?」

「朝7時にセットされている。
つまり、朝食の時を狙っている訳だな……。
よし、これを使って逆に罠を仕掛けよう」

「罠?」

「そう。奴はこの罠で自分が犯人であると証明することになる!
美雪! 頼みがある!」

「え!? な、何!?」

「朝食の席に置いてある名札だが……。
『有森』と『織絵』ちゃんのを交換しておいてくれ!
それから、みんなを食堂に集めてくれ!」

「わ、わかったわ」


(1)

有森「冷静に考えてみろ、ゴムボートなんて大きなものをどうやって運ぶんだ?
だいたいそんなものを持っていたら、すぐにわかるだろう?
歌月はきっとどこかに隠れていたんだよ」

美雪「もう、はじめちゃん! 何をやっているのよ。
有森君、これは『トリック』だったのよ。
はじめちゃん、例のスーツケースを貸して!

このスーツケースに空気を抜いたゴムボートを入れていたのよ。
そしてまんまと島を抜け出したってわけ。
つまり、私達がこのオペラ座館にやって来た時には、すでに歌月の部屋はもぬけのカラだったてこと」

剣持「じゃ、じゃあ、あのデカイスーツケースは、長期旅行に見せかけるためじゃなくて、ゴムボートを持ち込むためのものだったのか!?」

美雪「つまり歌月なんて男は、どこにもいなかった。
そして、島を抜け出した犯人は、翌日何食わぬ顔でこの島を訪れる……」

日高「美雪ちゃん! まさか……」

美雪「そうよ!
犯人は、この中にいる!!」

有森「な、何言ってんだよ七瀬さん!!
桐生さんが死んだ時、俺達全員食堂にいたじゃないか?」

金田一「美雪……それ俺の台詞……」

(2)

有森「七瀬さん。
一緒に食堂にいたじゃないか?だいたい、金田一も七瀬さんも聞いたはずだぜ? 彼女の生の悲鳴を…。
あの後、俺達と一緒に劇場に駆けつけたじゃないか? 忘れたのかい?」

美雪「何をやっているの?
はじめちゃん。重要な証言を見逃しているわよ。
このままでは有森君を追い込むことができないわよ。
はじめちゃん! 音響室で見つけた『オープンリール』を貸して!!

有森君、それは犯人が仕組んだアリバイ工作なのよ。
これを見て!
犯人は、初日の劇から、アリバイトリックの準備をしていたのよ。

まず、桐生さんの悲鳴が録音されているオープンリールを探し出し、前もって音響室に準備しておく。
そして夜……。
『月島の事件のことをバラす』とか言って桐生さんを呼び出したと思うの。
アリバイ作りのために、みんなが食堂にいる時間を狙って……。
その数分後、音響室でタイマーセットされたオープンリールがまわり……私達はテープの悲鳴を聞いて部屋を飛び出していった。
その時、まだ桐生さんは生きていたのよ」

金田一「俺の出番が……」

(3)

有森「ちょっと待てよ!
その悲鳴が劇場のスピーカーから出たものなら、当然舞台にいた彼女にも聞こえているはずじゃないか?
舞台のことなら、俺達の方が詳しいだろ?
だいたい俺も金田一も七瀬さんも彼女を捜していたじゃないか?」

美雪「もう、はじめちゃん。しっかりしてよ。
さっきの推理はどうしたの? もういいわ!

有森君、残念だけど、その問題も解決済みなのよ。
あのトリックを可能にしたものは、『どん帳』なのよ」

神矢「どん帳!?」

美雪「舞台の一番外側の厚い幕のことよ。
これが下りていると、舞台にはスピーカーの音が一切聞こえないの。

桐生さんが殺された時『どん帳』は下りていたのよ。
桐生さんを捜すふりをして、食堂を飛び出した犯人は、その足ですぐに劇場に向かったの。
そして、桐生さんの『本当』の悲鳴や物音を消すために開幕のベルを鳴らし……照明のワイヤーを切って殺したの……」

剣持「しょ、証拠はあんのか?」

美雪「昨日はじめちゃんと舞台を調べたら、桐生さんの死体が発見された時に上がっていたはずのどん帳の裏に血痕があったわ」

金田一「俺の出番が……」

(4)

有森「ちょっと待てよ。
あの時は全員にアリバイがあるわけだし……。
不幸にも彼女は事故で照明の下敷きになったとしか考えられないんじゃないのか?
第一、あの時俺達はみんな一緒にいたじゃないか。
そんな状況で、殺人事件を犯すのは、無理なんじゃないのか?」

美雪「はじめちゃん、どうしたの? 有森君を追い詰めるんじゃなかったの?
もう! 肝心な時に役に立たないんだから……。

有森君、忘れているようだけど、あのワイヤーは鋭利な刃物で切られた跡が残っていたのよ?
事故とは思えないんだけど」

有森「うぐっ……そ、そうだったな……」

美雪「犯人は桐生さんが照明の下敷きになった後、どん帳を上げて、あたかも今来たかのようにみんなに紛れて現れたの。
このトリックで犯人は、アリバイを確実なものにしたんだけど……。
回収に手間の掛かるオープンリールを残したことが、犯人に予定外の殺人をさせることになったの。

犯人が悲鳴の録音されたオープンリールを回収しようと劇場に忍び込んだところを、偶然に緒方先生が目撃して追いかけ……そこで先生は、犯人の残した『オープンリール』を見つけてしまった。
重要な証拠品を見つけられた犯人は、先生を襲った……先生は、証拠隠滅のために大怪我をさせられてしまったの……」

金田一「美雪……。
完璧な推理だ。
突っ込むところがない……」

(5)

有森「し、しかし、先生は風呂場で襲われたんだよな?
先生の部屋には、凶器となるものはなかったと思うが……。
そもそも、犯人は本当にそんな回りくどいことをするのだろうか?
もし、俺が犯人なら、直接先生の頭を壁に殴りつけるなりして、殺害すると思うのだが……。
その方が、万が一血液が付着してもその場で洗い流せるわけだし……」

美雪「もう! はじめちゃん。
見逃さないで、しっかり追い詰めてよ。
もういいわ。ゴミ置き場で見つけた『道具箱』を貸して!

有森君……。
凶器なら、庭の粗大ゴミ置き場に捨てられていたわ。
この道具箱、よくみると最近付着したと思われる血の跡も残っているし……。
凶器は、この『道具箱』で間違いないと思うんだけど……。
そして、恐らく犯人は、この道具箱をとっさにつかみ、先生を……殴りつけて大怪我をさせてしまったのね」

金田一「俺の出番がない……」

(6)

有森「だが、本当に音響室で道具箱を使って殴りつけたのなら、服に大量に血液が付着するんじゃないのか?
しかし、風呂場に置かれていた服には、血は付着していなかったぞ?
もしかしたら、その道具箱を用意していて、先生の風呂場で襲ったかもしれないじゃないか?
わざわざ証拠が残る場所で、犯行を起こすとは考え難いんじゃないか?」

美雪「はじめちゃん! しっかりしてよ。
『血の付いた服』を貸して!

有森君……。
これ何だと思う?」

有森「そ、それは!! まさか…」

美雪「そう、先生の服よ。中庭の植え込みに捨てられていたわ。
犯人は、今回のアクシデントに余程あわてていたんでしょうね。
あんなに冷静な犯人が、証拠品を無造作に捨てていくなんて……」

金田一「美雪、完璧だ……。
俺が突っ込む余地がない」

(7)

有森「し、しかし……それだけの証拠だけでは、犯行が音響室で行われたと判断するのは、早いんじゃないのか?
そもそも音響室で襲われたのなら、何らかの証拠が残っているはずだろ?
もしかしたら、まったく別の場所で犯行が行われたのかもしれないじゃないか?
その証拠品も犯人のトリックということも考えられるぜ」

美雪「はじめちゃん……。せっかく追い詰めるチャンスなのに……。
音響室で見つけた『つけ爪』と先生の部屋で見つけた『ストッキング』を貸して!!

有森君……。証拠ならあるの……。まずは、これをみて」

日高「ストッキング? それがどうかしたの? ずいぶんと汚れているみたいだけど……」

美雪「これは『先生のストッキング』よ。
汚れて見えるのは、ホコリまみれだからだわ。
こんなにたくさんのホコリがある場所といったら……」

神矢「あ、音響室か!!」

美雪「そして、その音響室でこんなものを見つけたわ」

日高「それは、なくなっていた先生の『つけ爪』じゃない!」

有森「う……それじゃ、俺達全員にアリバイがないことに!?」

剣持「なんてこった……」

仙道「そんな……犯人は、海に落ちて死んだんじゃなかったのか!?」

美雪「それも犯人の仕組んだトリックだったのよ。
犯人は生きているわ」

布施「七瀬君!
犯人はいったい誰なんだ」

美雪「みんな動かないで!! 時が来れば、犯人は自ら名乗り出るわ!

真犯人は自ら怪人『歌月』の死を演習したの。
それは『最後の殺人』を完成させるための巧妙なトリックよ。

そして真犯人が書いた『シナリオ』では、死んだ『歌月』の仕掛けた罠によって、ここで『第4の殺人』が起こるわ!!」

日高「この食堂のどこかに犯人の罠があるの……!?」

剣持「くそっ!」

結城「第4の殺人の罠……!?」

神矢「ど、どこに!?」

有森「いったい、何が起きるんだ?」

日高「……!! 美雪ちゃん……」

美雪「……」

有森「!」

剣持「!!! ど、どうしたんだ、いきなり?」

結城「な、何かあったんですか?」

美雪「どうしたの? 有森君。
ボーガンの矢なんて飛んで来ないわよ」

有森「な、何だと?」

美雪「あなたは自ら証明してしまったのよ。
自分が『犯人』だということを!!」

金田一「何もいうことがない……」

(8)

「冗談だろ? 席から転げただけで犯人だなんてさ。
だいたい、ボーガンの矢って何だよ? わけのわからないことを……。
俺が犯人なわけないだろう? 今まで君と一緒にいたんだぜ?」

美雪「はじめちゃん……!
何をやっているの? こんな調子じゃ、有森君に逃げられちゃうわよ! 『ボーガン』を貸して!!

有森君、これを見ても、まだしらを切るつもりかしら?」

有森「そ、それは……。なくなっていたボーガン」

金田一「名探偵美雪ちゃん……。
このままでは主役交代か?」

(9)

有森「ちょっと待ってくれよ。
ボーガンは俺の持ち物じゃないぜ?
ボーガンの持ち主は、布施先輩なわけだし……疑うなら布施先輩じゃないのかい?」

美雪「ちょっとはじめちゃん……。さっきの推理はどこにいったの?
もう! 世話がかかるんだから……。食堂で見つけた『置き時計』を貸して!

有森君、残念だけど……。
そのトリックもすでに解決しているのよ。
この時計に見覚えはあるわよね?」

有森「うぐぅ!そ、それをどこで……」

美雪「この時計とボーガン。
この2つを組み合わせれば、自然と仕掛けは見えてくるわ。
このボーガンの矢の発射装置を糸で縛って固定し、時計の短針につけたカミソリの刃で時間が来ると糸が切れ、毒を塗ったボーガンの矢が放たれる。

仕掛けは、こんな感じだと思うんだけど違うかしら?
有森君は、小道具を作るのが得意だったから、こんな仕掛けぐらい簡単に作れるよね。

朝食の時間は7時。
そしてこのホテルでは、ひとりひとり座る席が決められているわ。
この『時限装置』を使って、織絵ちゃんを狙うには、まさに好都合なのよ。
有森君、あなたが今座っている席は、本来なら『織絵ちゃんの席』よね?
有森君がこの食堂に罠を仕掛けたことは、はじめちゃんの推理で予想がついたわ。

だから、はじめちゃんが逆に罠を仕組んだの。
まず、有森君以外のメンバーを早めに食堂に集めて席につかせ、それから有森君が来るのを見計らって、はじめちゃんがわざと廊下に飛び出してぶつかったの。
覚えているでしょ?
その時、はじめちゃんが、有森君の時計を『10分進めて』いたのよ。
今の時間は本当はまだ7時になったばかりよ。

はじめちゃんにはおじいさん仕込みのマジックのテクニックがあることは、有森君も知っているよね?
とっさに時計の針を進めることぐらい、はじめちゃんにとっては簡単なことなのよ。
そして、織絵ちゃんの席に有森君をわざと座らせたの」

金田一「……俺の出る幕がない」

(10)

有森「は、ははは……じょ、冗談きついぜ、七瀬さん。
早乙女先輩の時はどうなるんだよ。
窓の下のぬかるみには、彼女の足跡しかなかったんだ。
どうやって足跡を残さずに彼女の遺体を運び出し、そしてホテルに戻って来れるというんだ?
俺には彼女を誘い出すような催眠術なんてできないぜ〜?」

美雪「もうっ!
はじめちゃん。真面目にやってよ……。もう、いいわ。

有森君、それも簡単なトリックよ。
あなたは、早乙女先輩を担いで木の下まで行って、そこで死体を木に吊し……。
この靴を彼女に履かせたの。
あとは芝生の上を通って、足跡を残さないように帰ってきて、2階の空き部屋の後始末をすれば、このトリックが完成するわ。
つまり、早乙女先輩は部屋の中で殺されて、外に運び出されたのよ」

結城「しかし、彼女の首に残ったワイヤーの跡は、明らかに首吊りによるものだよ。
木に吊されてなければどこに……」

美雪「窓よ!」

金田一「……だめだ。ツッコミを入れる隙がない」

(11)

有森「窓っていっても俺の部屋は彼女の部屋とは反対側。しかも1階だぜ?
そもそも、彼女が何者かに吊されて殺害されたという証拠でもあるのか?
俺を疑うよりも上の階に宿泊していた奴を疑った方がいいんじゃないか?」

美雪「さっきまでは切れ味鋭い推理だったのに、肝心な時に頼りないんだから……。

有森君、証拠はあるのよ。
上の階の空きの部屋を調べたら、窓の手すりにワイヤーの跡がくっきりと残っていたわ」

金田一「……何もいうことがない」

(12)

有森「……それだけじゃ犯行は行えないんじゃないのか?
例え、上の階からワイヤーで吊したにしても、どうやって彼女をワイヤーの中に誘うんだ?
ワイヤーに何か仕掛けでもあるというのか?」

美雪「もう! なにやっているの! さっきはちゃんと推理して、答えを見つけていたじゃない!
はじめちゃん『ワイヤー』と『携帯電話』を貸して!!

有森君、このワイヤーなんだけど、所々テープか何かで貼り付けていた粘着質な物が付着しているわ。
犯人は早乙女先輩の部屋の窓ワクに、内側から見えないように、テープでワイヤーの輪を貼り巡らせた。
そして、ワイヤーの端を上の空き部屋に引き込んだの。
あの夜、犯人は事前に抜き取っておいた早乙女先輩の携帯電話を彼女の部屋の外……窓のすぐ下に置き、そして、空き部屋から彼女のケータイに電話をかけ、早乙女先輩が窓の下をみるように仕向けた。
ケータイを無くしていることで、ケータイの着信音に敏感になっていた早乙女先輩は、すぐに自分のケータイの着信音だと気が付いたはずよ。
そして音が鳴っているところを探すために、窓から身を乗り出したと思うの。
そして、早乙女先輩が顔を出すのを見計らって、一気にワイヤーを引っ張る。
すると、ワイヤーを固定していたテープが外れ、ワイヤーの輪が首に食い込む。
そして、犯人は早乙女先輩を……!
その後、犯人は彼女に靴を履かせ、今度は芝生の上を通り足跡を残さないように帰って2階の空き部屋の後始末をする。
そして『オペラ座の怪人』になぞられた殺人を暗示するために、盗んだ『怪人ファントム』の仮面をつけて私の前に姿を現した。
あなたは、実に巧妙に異常な殺人鬼『歌月』という犯人像を『演出』していったのよ」

金田一「美雪、完璧だ……。
俺が突っ込む余地がない」

(13)

有森「みんなで一緒に見たじゃないか!?
犯人は、窓から飛び降り、海に落ちて死んだんだ!
俺じゃない!」

美雪「もう! 最後の最後で……詰めが甘いんだから……。

残念だけど、それもトリックだわ!!
有森君は用済みの『歌月』に全ての罪を着せて消したの!!
そして、そのトリックこそが、あなたが犯人だということを証明しているのよ!!」

有森「!?」

美雪「あの時、私達は逃げる犯人を追い詰めた!
コの字形の廊下の向こう側からも人が来ていたし、犯人は挟み撃ちになっていたはずよ。
ところが、角を曲がった瞬間。
はじめちゃんが、向こうから来たあなたとぶつかり、犯人の足跡はそのまま崖に面した窓に続いていて……。

崖の下の海には、犯人のつけていた『仮面』が浮かんでいた。
廊下の向こう側からやって来た人達も、犯人を誰ひとり見ていなかった。
だから、みんなてっきり犯人は海に落ちたものと思い込んでしまったの。
だけど、ここで犯人は重大なミスを犯したわ。」

有森「ど、どういう意味だ!」

美雪「窓の手すりよ!

廊下に残された足跡は、あんなに泥だらけだったのに、犯人が落ちたはずの窓の手すりには、泥なんて少しもついてなかった。
あの窓の高さからして、手すりに足を掛けずに外に出るのは難しいわ。
つまり犯人は、窓から出たのではなく、そのまま廊下に残っていたのよ。
あの時、私達に追われて廊下の角を曲がった犯人は、窓に駆け寄ると、すぐさまマントを脱ぎ、泥のついた靴を履き代え、仮面と一緒にそれらを窓から投げ捨て、そして角の所で私達が来るのを見計らって、あたかも逆方向から来たかのようにぶつかってきた。

犯人が、窓から出ていないならば、姿をくらます方法はこれしかないわ!
つまり、犯人ははじめちゃんが角を曲がって『最初に出会った人物』……有森君、あなたってことになるわ!
あなたは結局、作り過ぎた自分のトリックに足をすくわれたのよ!!」

有森「くっ………」

金田一「最後の決め台詞を美雪に持っていかれるとは……。
トホホ……」

〜登場人物の印象〜

金田一一

美雪:私がはじめちゃんのこと忘れるわけないじゃない。

剣持:お前のことなんか興味ねぇーよ。

黒沢:金田一様でしょう?先ほどお名前は伺いましたけど……。

緒方:金田一君、色々と期待しているわよ。

有森:金田一だろ?ちゃんと覚えているよ。

神矢:金田一君だろ?ちゃんと覚えているよ。

仙道:金田一君だろ?知っているよ。

桐生:あなたが、金田一君でしょ?どうかしたの?

日高:金田一君でしょ?ちゃんと覚えているわよ。

早乙女:あなたが、金田一君でしょ?

布施:金田一君だろ?美雪ちゃんから話は聞いているよ。音響係頑張ってくれよ。

七瀬美雪

「わ、私のこと忘れたの?」

一:(幼なじみ。おせっかい……)

剣持:彼女がどうかしたのか?

黒沢:七瀬様ですね。当館のパンフレットをお申し込み頂いた方ですね。

緒方:七瀬さん?真面目で働き者よ。お嫁さんにするにはいいんじゃない?

有森:七瀬さんのおかげでこんな場所に来れたのは、ある意味ラッキーだな。

神矢:美雪さんは、しっかりしているので助かっているよ。

仙道:七瀬さんって、美人だと思わないか?俺の予想だと、来年のヒロイン役は彼女だと思うな。

桐生:美雪さん?今回の合宿をセッティングしたのは彼女よ。

日高:美雪ちゃん?衣装係とメイク係をやっているわ。

早乙女:美雪ちゃん?彼女がどうかしたの?

布施:美雪ちゃんかい?衣装を担当してもらっているよ。来年は舞台に立って欲しいなあ。

剣持勇

「なんだ?お前と話すことなんかねーぞ!フン!俺のことを聞いて、どうするつもりだ!」

一:(警視庁の殺人課警部。やっなヤロー)

美雪:怖そうな人よね。

有森:あまり近寄りたくないよな。

黒沢:申し訳ございません。詳しくは存じ上げておりません。

有森:あの人のことはイマイチわからないな。

神矢:ごめん、その人のこと、あまり知らないんだ。

仙道:何だかいつも怒っているよな。

桐生:私には関係ない人ね。

日高:怖そうな人だよね。

早乙女:何だかいつも怒っている感じね。

布施:あの人怖そうだよな。

結城英作

一:(医者。何を考えているかわからない)

美雪:何だか、ちょっと怖い人よね……。

剣持:知らんな。

仙道:あまり近寄りたくないな。

日高:あの人のことはよくわからないわ。

早乙女:あまり近寄りたくないわ。

布施:よくわからない人だな。

黒沢和馬

「私は当館のオーナーをやっております黒沢と申します」

一:(オペラ座館オーナー。顔に大きな傷がある)

美雪:パンフレットを頼む時に親切にしてくれたわ。

緒方:黒沢オーナー?私もよく知らないんだけど、人当たりがよさそうね。

有森:黒沢さんは、ここのオーナーだろ?詳しくは知らないけど。

神矢:黒沢さんって、ここのオーナーだろ?顔に傷があって少し怖いな。

仙道:黒沢さん?ここのオーナーだろ?しかし、あの頬の傷、どうしたんだろうな。

桐生:黒沢さんは、ここのオーナーよ。

日高:黒沢さん?ここのオーナーでしょ?頬に大きな傷があるけど、どうしたのかしらね。

早乙女:黒沢さん?ここのオーナーでしょ?

布施:黒沢さんって、ここのオーナーだろ?どうかしたのか?

月島冬子

美雪:月島さんは、この演劇部に所属していたのよ。とても清楚な人だったわ。月島さんのことは、なるべく話さないでね。

緒方:月島さんは、容姿も演技力も抜群だったわ。月島さんのことは、先生も残念だったわ。

有森:月島さんの演技は、観る人全てを魅力していたんだ。もし、彼女が生きていたら、素晴らしい劇になっただろうな……。

神矢:……。彼女は、とてもキレイだったよ。

仙道:……そのことは、あまり話したくないんだ。

桐生:月島さんの演技はとても素晴らしかったわ。

日高:月島さんの演技は、スカウトの目にも止まっていたという話よ。

早乙女:なっ!あなたも私がヒロイン役じゃ納得しないわけ?……彼女のことは、話したくないわ!

布施:月島さんが、ヒロイン役だったらな……。月島さんは、なぜ自殺なんか……。

緒方夏代

「私?この演技部の顧問の緒方夏代よ」

一:(演劇部顧問。かなりの美人だ……)

美雪:緒方先生って美人よね〜。先生目当てに入部してくる子も多いみたい。

剣持:緒方先生って、あの美人のことか?

黒沢:緒方様は、高校の先生だとか。引率でお見えになられたと伺っております。

有森:緒方先生は、演技部の顧問だよ。練習中は厳しいぜ〜〜。

神矢:緒方先生は、演技部の顧問だよ。

仙道:緒方先生?演技指導の時は、近寄りたくないなあ……。

桐生:緒方先生?演劇部の顧問よ。

日高:緒方先生?演劇部の顧問よ。演劇力は抜群なの。

早乙女:緒方先生は、演技部の顧問よ。

布施:緒方先生は、ウチの部の顧問だよ。

有森裕二

「俺は、役者と小道具係をしているぜ。今は出番がないので、小道具の整理中だ」

一:(ラウル役兼小道具係。なれなれしい奴)

美雪:劇で使う小道具のほとんどは、有森君が作っているのよ。

緒方:有森君は、小道具係よ。

神矢:有森の作る小道具は、驚くほど精巧に作られているんだぜ。

仙道:有森は、しばらく元気なかったみたいだけど……。もう、大丈夫なのかな?

桐生:有森君はヒロインの恋人役。なかなかの演技よ。

日高:有森君は、ヒロインの恋人役よ。手先が器用なので、小道具係も兼ねているわ。

早乙女:有森君はヒロインの恋人役を演じるわ。

布施:有森は、小道具係だ。手先が器用なので、いろいろと助かっているよ。

神矢修一郎

「俺か?照明係をメインでやっているよ。見ての通り人不足だから役者も兼任しているけどな」

一:(アンドレ役兼照明係。真面目そうな性格)

美雪:神矢君は、とっても真面目な性格よ。

緒方:神矢君は、真面目な性格よ。

有森:神矢は、役者と照明係をやっているよ。

仙道:神矢は、照明係だよ。役者としても、いい演技するんだぜ。

桐生:神矢君は、アンドレ役。真面目でいい人よ。

日高:神矢君は、照明係よ。照明など機械のことなら、彼に聞くといいわ。

早乙女:神矢君は、アンドレ役よ。照明係もやっているわ。

布施:神矢は、照明係だよ。最近落ちつかない様子だったな。

仙道豊

「俺か?仙道だよ。今回は、出番が少ないから暇だな……」

一:(フィルマン役兼大道具係。体格がいい)

美雪:仙道君は大道具係よ。力持ちなので助かるわ。

緒方:仙道君は、大道具係ね。力が強いので、何かと助かるわ。

有森:仙道は、役者と大道具係をやっているよ。演技に、自信がないらしいけど。

神矢:仙道は、大道具係だよ。裏方だとサボれると自慢していたな。

桐生:仙道君は、フィルマン役。もう少し演技を頑張って欲しいわ。

日高:仙道君は、力持ちなので、大道具係をやっているわ。もちろん、役者としても舞台に立つけどね。

早乙女:仙道君は、フィルマン役よ。演技はあまり上手じゃないけど。

布施:仙道は、大道具係をやっているよ。部員が減ってからは、役者としても舞台に立ってもらっているけどね。

桐生春美

「私?桐生春美。衣装似合ってる?」

一:(カルロッタ役。性格が悪そう)

美雪:桐生さんの演技は、はじめちゃんもびっくりするわよ。ウフフ。

緒方:桐生さんは、来年のヒロイン候補よ。

有森:桐生さんは、真面目な人だ。ちょっと怖いけどな……。

神矢:桐生さんは、本当に演技が好きなんだと思うな。

仙道:桐生さんって、実は美人なんだぜ。

日高:桐生さんは、カルロッタ役。演技力に関しては、部内トップクラスね。

早乙女:桐生さんの演技は、舞台役者として尊敬しちゃうわ。

布施:桐生さんの演技力は、俺達でも目を見張るものがあるぜ。

日高織絵

「私?日高織絵だけど……。さっきも教えたと思うんだけどなあ」

一:(メグ役。胸が印象的)

美雪:織絵ちゃん? 最近スランプみたい。何か悩みごとでもあるのかしら?

緒方:日高さん?最近伸び悩んでいるみたいね。

有森:日高さん?そういえば、最近演技に集中できていないみたいだな。

神矢:日高さん?最近、演劇に集中できていないみたいだが……。

仙道:日高さん?最近スランプなのかな?落ち込んでいたし。

桐生:織絵さんは、メグ役よ。頑張って演じて欲しいわ。

早乙女:うっ……。たぶん、自殺した月島さんのことで悩んでいるんじゃないかしら。それ以上は、私の口から言えないわ。

布施:織絵ちゃんは、最近悩みがあるとか言ってたけど……。

早乙女涼子

「何度も同じことを言わせないで」

一:(クリスティーン役。ワガママな性格)

美雪:早乙女先輩って、キレイだと思わない?
緒方:早乙女さんは、今回の劇のヒロインよ。

有森:早乙女先輩は、今回のヒロイン役なんだ。演技の方は、正直あまり上手とは言えないがな……。

神矢:早乙女さんの身勝手さは、どうにかならないかな。

仙道:早乙女先輩は、キレイなんだけど、気が強過ぎるんだよね。

桐生:早乙女先輩は、この劇のヒロインよ。キレイよね。

日高:早乙女先輩は、今回のヒロイン役よ。女の私が言うのも何だけど、キレイよね〜。

布施:早乙女君は、今回のヒロイン役さ。ただ、怒りっぽくて、よく練習を中止させられて困っているんだけどね。部長としても頭の痛いところだよ……。

布施光彦

「俺かい?演劇部の部長をやっているよ」

一:(ファントム役。怒りっぽい性格)

美雪:布施先輩は、この演劇部の部長よ。ちょっと頼りないけど……。

緒方:布施君は、演劇部の部長をやってもらっているわ。

有森:布施先輩?演技部の部長だよ。あんまり頼りにならないけどな。

神矢:布施先輩は、演劇部の部長なんだ。もっとしっかりして欲しいんだけど……。

仙道:布施先輩は、ウチの部長だよ。あまり頼りにならないけどな……。

桐生・日高:布施先輩?演技部の部長よ。

早乙女:布施君?今回の劇で、主人公のファントムを演じるわ。

〜有森END〜

「有森の見舞いだよ!」(病室で微笑む有森君のスチル)

〜女の子END〜
まだ一話なので他の娘とくっつくのはいいのですがほぼ美雪ちゃん成り代わり小説なのでオリジナルENDで見たかったかもf(^^;

「奴は両親が離婚して、アパート暮らしになったばかりのようだな…」

早乙女「初めて聞いたわ!!そんな素振り見せなかったし…」

桐生「そんなこと初めて聞いたわ!!いつも明るく振る舞っていたし…」

日高「初めて聞いたわ。そんな大事なこと、相談してくれてもよかったのに…」

早乙女・桐生・日高「やっぱり私も何かの罪になったりするんでしょうか?」

剣持「月島を呼び出したことについて、ちょっと話を聞くだけだ。
月島が硫酸を被ったのは、やっぱり事故だからな」

金田一「よかったですね」
「よかったな」

「有森の墓参りだよ!」

「早乙女先輩も一緒に行きますか?」

「桐生さんも一緒に来るかい!?」

「織絵ちゃんも一緒に来るかい!?」

日高「うん!」

早乙女・桐生「…そうね!行きましょう」


原作(学校サボってドキドキもしかしたら…)と同じ