4話宿泊施設(女)『1、4番ベッドに寝かせる』【PS追加END袖山くん助かる】 | ナノ
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なんでそんなことをいうんですか。
僕がそんな人間に見えますか。

僕は自分のベッドに寝かせましたよ。
たしかに、迷いましたけど。
袖山君は死んだように眠りました。

しかし、その夜は僕が彼の代わりに4番ベッドに寝ることになったんです。

夜中に突然、寒気がして目がさめると、僕は誰かに操られているかのように校庭を歩いていました。
目に映ることが、まるで映画のように自分の意思とは無関係に展開していったんです。
校庭の中央には巨大な魔法陣が描かれ、黒い服を着た男たちが立っていました。

そして、僕の体は、その男たちの前で止まりました。
「最後の儀式を行う」
そういうと男の一人は呪文を唱えたんです。

バリバリという音とともに青白い光があらわれました。
男の一人は、呪文を唱え終わると、こういったのです。
「いけにえを捧げます」
すると、僕の体はフッと浮かび、男達の背後にある青白い光に向かいました。
……僕は自分の死を予感しました。

けれど、どうにか逃れたんですよ。
体が男達の頭上にかかった時、手を出してマスクを取ったんです。
思ったより楽にできましたよ。
男はとっさに抵抗出来なかったんです。
僕は、男の顔を覗き込みました。

「……も、守山さん……」
驚いたことに、男の正体はサッカー部のキャプテンだったんですよ。
そして、彼はニヤッと笑ったんです。
彼のその笑いから、死の予感が確信に変わりました。
どんどん僕の体は青白い光りに近づいていきます。

「やめろー!」
袖山君でした。
彼はそういうと男たちに向かっていったんです。
袖山君は彼等の儀式を止めさせるために、必死に戦いました。
そして、守山さんが持っていた紙を破いたんです。

「うわあー」
守山さんが叫びました。
すると、周りの男たちの動きも止まったんです。
同時に僕の体は急に落下しました。
地面に叩きつけられ、僕は体の自由を取り戻しました。
守山さんをはじめ、男たちは逃げ出しましたよ。

その時、青白い光りが突然強く光りだしたんです。
今度は守山さんの体が、凄まじい勢いで光に引き込まれていったんですよ。

「や、やめてくれー、助けてくれー」
苦しそうにうめきながら、守山さんは青白い光に吸い込まれ、消えていきました。

校庭には僕と袖山君が残されました。
そして、僕は袖山君にお礼をいいました。
「ありがとう」
「僕の方こそ、4番ベッド……、代わってくれたから助かったんだ」
僕と袖山君は、校庭に座り込み、静かに笑いました。

あとで知ったんですが、守山さんを代表に、一部の先輩たちは悪魔を呼び出し、今度の県大会での優勝を願っていたんです。
あの時破った紙は、悪魔との契約書だったんですよ。
契約書が破られたため、代表者であった守山さんが犠牲になったというわけです。

そのおかげか、サッカー部は県大会で優勝しました。
そして、僕と袖山君は、すぐにサッカー部を辞めたんです。
……でも、事件はこれで終わったわけではないんですよ。
ここだけの話ですが、守山さんも、四番ベッドを使ったことがあったそうです。

その日以来、裏で悪魔を呼び出すようになってしまったとか……。
いいですか、倉田さん。
あの宿泊施設には……出るんですよ。
悪魔がね。

今でも、四番ベッドに寝た生徒を誘惑して契約させたり、いけにえとして生気をしぼりとったりしているんじゃないでしょうか。
この学校はスポーツで有名ですが、どのスポーツ部も悪魔にいけにえを捧げているという噂があります。

毎年、何人もの新入生が行方不明になりますが、みんな4番ベッドを使った生徒だそうですよ。
学校側は、こうした事件を、知ってて黙認しています。
どうしてかは、いうまでもないでしょう。

倉田さん、もし運動部に入ることがあったら気を付けて下さいね。
他にどんな方法でいけにえにされるかわかりませんから。
これで僕の話は終わります。
次の方、どうぞ。


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