1、呪いのせいだと思う【END掲示板ツアー】 | ナノ
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やっぱり、呪いのせいだと思うのね。
嬉しいわ。
私の話を信じてくれて……。
そうだわ、これからみんなで見に行きましょうよ。
まだそんなに遅い時間じゃないし、みんなと一緒なら心強いでしょう?

さあ……。


1、行きましょう
2、行きたくありません



『1、行きましょう』



よかった。
そう答えると思ったわ。



『2、行きたくありません』



駄目よ。
行きたくないっていっても、絶対に連れて行くわ。



※以下同文※



そうだわ、倉田さん。
取材なんでしょう?
カメラは持って行かなくていいの?
ほら、しっかり持って。
うふふ……。
フィルムはちゃんと入ってるの?
そう……。
なら、大丈夫ね。

それじゃあ、行きましょうか。

……さあ、ついたわ。
毎日、ここを通ってるでしょう?
掲示板はね、ほら、あの壁よ。

薄暗くてわからないかしら……?


1、はい
2、いいえ



『1、はい』



じゃあ、もっと近付いてみましょう。

ほら、ここまで近付けば細かい所までよく見えるわよね。








『2、いいえ』



あれが死の掲示板よ。
古いけど、大きな物でしょう。

もう少し近付いてみましょうか……。


1、近付く
2、ここで充分です
3、もう部室に帰りたい



『1、近づく』



ほら、ここまで近付けば細かい所までよく見えるわよね。



『2、ここで充分です』



そう?
そんなこといわずに、ほら……。
もう少しだけ、前に行きましょうよ。
そう……。
一歩、二歩……。
もう、少し……。
大丈夫よ、ちゃんとそばにいるわ。

ほら、ここまで近付けば細かい所までよく見えるわよね。



■※以下同文※■



残念ね。
何も貼ってないなんて……。
ごめんなさいね。
期待させちゃったでしょう。
でも、この掲示板をよく見て……。
ほら、ここよ。
この枠の所……。

文字が刻まれているでしょう?
岩下さんに促されて、私は掲示板を覗き込んだ。

「本当だわ」
ちゃんと、
『卒業生一同』
……って文字がある。
どうして卒業記念の品が、呪われてしまったのかしら……。
あら?
上の方にも、何か刻まれてるみたい。
何かしら……?

えーと……。

「生徒同士の…………」
駄目、その下の文字は傷だらけで読めないわ。
でも、その下の文字は大丈夫みたい。
「生徒同士の…………を、深め……るため……?
ああ……そうか。

『生徒同士の……を深めるため。卒業生一同』
……なんだわ。
この卒業生たちは、きっと私たちが楽しい学園生活をすごせるように……って、願いを込めて、この掲示板を贈ったのね。

なのにその掲示板が、『死の掲示板』なんて呼ばれてると知ったら、どんなに悲しむか……」

「倉田さん、そろそろ戻りましょうか。寒くなって来たわ」
岩下さんも、他の五人も、なんだか不安そうな顔をしてる。
そうね……。
卒業記念という確認もしたし、後は……。
「それじゃあ、最後に写真だけ撮っておきますね」



『3、もう部室に帰りたい』



あらあら……。
もう怖くなったのかしら?
ふふふ……。
倉田さんって、けっこう怖がりなのね。
……そうね。
そろそろ戻りましょうか。
なんだか重苦しい空気が漂ってきているし……。

早めに終わらせた方が良さそうだものね。
ふふ、倉田さん。
帰る前にちゃんと写真を撮っておかないと……。
そんな遠くからじゃ駄目よ。
もっと前に出て……。
ほら、枠の所に文字が刻まれてるでしょう?

『生徒同士の……を深めるため。卒業生一同』
ちょっと読めない部分もあるけれど、あれをしっかりと写さないと駄目よ。
「わかりました……」



※以下同文※



そういって、私はカメラを構えたわ。
ところが……。
「あれ……?」
どうしたのかしら?
シャッターがおりないわ。
フィルムは入ってるし、フラッシュだって……。
どうして……!?

「どうかしたの?」
「ええ、それがシャッターがおりないんです。おかしい所はないはずなんですが……」
「もう一回試してみたら?」
「はい……」

私は、祈るような気持ちで、もう一度カメラを構えたわ。
……お願い!
その瞬間……!!

バチッという物凄い音がして、私の目の前が一瞬白くなったの。

視界は、すぐに元通りになったんだけど、身体中が痺れてるわ。
「倉田さん……!」
「大丈夫か!?」
みんなが驚いて駆け寄って来る。
「今のは凄かったよな」
「うん、一瞬光ったよね」
「静電気のようですね。
いや、あそこまで激しく光るのは初めて見ましたよ」
どうやら、私がシャッターを押した瞬間、身体の中を電流が流れたみたい……。

「早く戻りましょう。これ以上ここにいるのは危険だわ」
私は痺れた身体を支えられながら、どうにか部室に戻った。

じわじわと手足の感覚が戻ってくる……。
「ごめんなさい。
こんなことが起こるなんて……」
岩下さんは、うつむいたままそういったわ。
「いいえ。
私は大丈夫ですから。
そんなに心配しないで下さい」

「そう……?」



『2、知らない』を選んでいた場合



確かに、ちょっと痛い思いをしたけれど、それくらいどうってことないもの。

さっき……、目の前が光った瞬間。
私には、傷だらけで読めなかった文字がはっきりと見えたの。
あれは……。

『溝』という文字だったわ。
しかも、ちゃんと刻まれた文字じゃなくて、落書きみたいに誰かが後から掘ったもの。
生徒同士の『溝』を深めるために……。
掲示板が呪われてしまったのは、この文字のせいに違いないわ。

あの時、シャッターがおりた感触もあったし……。

これで七不思議の一話目はバッチリね。
「岩下さん、とてもいい……じゃない。
怖い話をありがとうございました。
それじゃあ、次へ行きましょうか……」


『1、知ってる』を選んでいた場合



ところで、倉田さん……。

あなたさっき嘘をついたわね?


1、はい
2、いいえ



『1、はい』



ふふふ……。
そうよね、あなたは掲示板の存在を知らなかったはず。
……なのに、掲示板の呼び名を知っていたんですもの。
自覚してるということは……。
あなた、わざと嘘をついたのね。



『2、いいえ』



あら、もう忘れちゃったの?
あなた、掲示板の存在を知らなかったはずよ。
……なのにどうして、掲示板の呼び名を知っていたの?

ふふふ……。
本当は、掲示板のこと知ってたのに、知らないって答えたんでしょう?
……ほら嘘をついてるじゃない。



※以下同文※



私、嘘つきは本当に大っ嫌いなの。
いい?
掲示板の呪いは、まだ続いているのよ。
あなたがそんな態度をとっていると、いつか呪われることになるわ。
簡単なことよ。

十三日の金曜日に、あなたの名前と出席番号を書いた紙を、掲示板に貼っておけばいいんですもの。
後は、みんなが噂を広めてくれるわ。

ふふふ……。
気を付けてね、倉田さん。
……私の話はこれで終わりよ。
次は誰の番かしら……?


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