2、苦手3、どちらでもない【END条件は100点】 | ナノ
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『2、苦手』



嫌なこと聞いたかしら。
ごめんなさいね、知らなかったの。

でも、そう……。
数学が苦手なの。
うふふふ……。
その時に貼ってあった答案もね、間違いだらけで、ひどい点数だったそうよ。



『3、どちらでもない』



うふふふ……。
得意でも苦手でもないっていうのね。
その時々で、点数の上下があるってことかしら。
そうね……。
そういう人って多いわよね。
いい点数をとった時ならよかったのに……。

その時に貼ってあった答案はね、間違いだらけで、ひどい点数だったそうよ。



※以下同文※



答案に書かれていた名前は……。
ふふ……、安心して。
倉田恵美……なんて名前じゃなかったわよ。
その答案の持ち主の名は、江藤昭子。

地味で、おとなしくて、クラスでもあまり目立つ存在ではなかった。
その江藤さんの答案が、なぜ掲示板に貼られてたのか……。
……さっきもいったと思うけど……。
……たぶん、ちょっとした悪戯だったのよ。

まだ、純真な高校生が多かった頃ですもの。
いじめなんて、そうそうなかったんじゃないかしら。
でもね……。

江藤さんの身になって考えると、やっぱり辛かったと思うわ。
みんなが自分の答案に注目してるのよ。
とても誉められるような点数じゃないのに……。

恥ずかしくて、悲しくて、悔しくて…………。
私だったら、とてもじゃないけど耐えられないわ。
絶対に犯人を捕まえて復讐してやる!
……あら、ごめんなさい。
江藤さんの話だったわね。

彼女は掲示板から答案を引き剥がすと、そのまま駆け出して行ってしまったの。
それっきり、学校には姿を見せなかったそうよ。

ずっと家に閉じこもってたようね。
そして一週間が過ぎた時……。

校庭の花壇の脇で、頭から血を流した江藤さんの死体が発見されたの。
屋上から飛び降りたのよ。
あの掲示板に、最後のメッセージを残して……ね。
遺言……?
そう呼んでもいいのかしら。

例の彼女の答案用紙の裏に、
『くやしい……』
って、真っ赤な文字が並んでいたそうよ。
血文字じゃないかっていう噂もあったわ。
すぐに片付けられてしまったから、真相は謎のまま……。
でもね……。

この時から、掲示板に不気味なメッセージが貼られるようになったの。
『くやしい……』
『なんで私だけがこんな目に遭うの』
『くやしいわ……』
どのメッセージも、江藤さんの遺書と同じ赤い文字なんですって。

誰かの悪戯なのかもしれないけど……。
不思議なことに、このメッセージが貼ってある日は、必ず死者が出るのよ。
もちろん今でも続いてるわ。
あなたは入学したばかりだから知らないでしょうけど、この学校からは、毎年、異常な数の死者が出てるのよ。
事故、事件、自殺……。
どれも、不吉な死に方よね。

倉田さん、あなたも気を付けなさい。
その中の一人にならないように……。
ふふ……。

そうね、一つだけ掲示板の呪いで死なずに済む方法があるんだけど、知りたい?


1、知りたい
2、知りたくない



『1、知りたい』



じゃあ、教えてあげるわ。



『2、知りたくない』



ふふ……。
そんなこといってていいの?
呪いのせいで命を落とすなんて、馬鹿げてるとは思わない……?
その方法を試す、試さないはあなたの自由なんだから……。
聞いた後で、判断すればいいでしょう?
……教えてあげるわ。



※以下同文※



まず、数学のテストの時に、名前を書かずに問題を解いて提出するの。
それだけなら簡単でしょう?
でもね、そのテストが百点満点じゃないといけないのよ。

その満点をとった数学の答案用紙を、例の掲示板に貼っておくと、名前の所に真っ赤な文字で彼女の名前が浮かび上がって来るんですって。
そして、どこからともなく
「ありがとう……」
っていう、女の子の声が聞こえるの。

その声を聞いた人だけが、確実に掲示板の呪いを跳ね返せるのよ。

ふふふ……。
私が、生きていられるのもこの方法のおかげだわ。
倉田さん、あなたも早いうちに挑戦した方がいいわよ。
百点をとる前に、死んだら意味ないもの。
もっとも数学が得意でない人には難しい方法かしらね。

まあ、呪いに脅えながら生きるのも、スリリングで楽しいかもしれないわよ。
身を持って恐怖を体験した方が、いいきじが書けるものね。

うふふ……。
私の話はこれで終わりよ。
次の話が楽しみね。


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