3、幽霊が現れた【PS追加END屋上は危ない】 | ナノ
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光はすぐに消えたわ。
光が消えた後、何もいないように思えた。
でもそうじゃなかったの。

私達の目の前には、白い煙のようなものが浮かんでいたのよ。
煙の中央には女の人の顔があって、こっちを睨んでた。
「何でそっとしておいてくれないの?
やっと上にあがれるところだったのに……」

煙はだんだんと人の形になっていって……。
私達と、同じセーラー服を着てた。
「やっと、許されたと思っていたのに……、邪魔するなんてひどすぎるわ!!」
何だかものすごく怒ってるみたいだった。

でも、私にそんなこといわれても、わかんないよ。
召喚したのは早苗ちゃんなんだもん。

当の早苗ちゃんは、本を確かめながら首をかしげてた。
そして……。
「やだ、間違えちゃった。
どうしよう……。
ケツの生霊が出てくるはずだったのに……」
どうしようじゃないよね。

早苗ちゃんに悪気があった訳じゃないけど、昇天しようとしていた霊を、地上に呼び戻してしまったんだから。

「ああ、もう間に合わない。
また、私はここで一人……」
女の人の霊は悲しそうな顔をしたわ。
と思ったら、その顔はみるみる恐ろしい形相に、変わっていったの!

霊は甲高い声を発すると、私達に向かって突進してきて、私と早苗ちゃんは、恐怖でその場にしゃがみこんじゃったの。
一瞬、ゾッとするほど冷たいものが、私達の間を通り抜けていったわ。

その時、私は怖くて目を閉じちゃってたんだけど、早苗ちゃんはしっかりと見てたんだって。

「あの人、泣きながら飛び降りちゃった……」
その声でやっと私は、顔をあげたの。
早苗ちゃんは、柵の所に立って下を覗き込んでた。
私も下を見たけれど、もうそこには何も見えなかった。
「何だか悪いことしちゃったね……」

「うん……」

しばらく二人で立ち尽くしてたんだ。
でもね、そこにいるとなんだか変な気持ちになるの。
悲観的……っ、ていうのかなぁ。
もう自分は必要ないんだ。
誰も私を見てくれない。
どうしたら楽になれるのかしらって思えてくるの。

この柵を越えたら……。
そう思った時、誰かに腕を捕まれて、ハッとなったのよ。

私の腕に、恨めしそうな顔をした女の人がしがみついていたの。
その青白い顔は、この世の人のものじゃなかった。

よく見ると、その女の人の腰のあたりに、また別の人がしがみついていて、その人にもまた……、というふうにたくさんの霊がロープみたいにつながってたわ。
そして、皆で私を柵の外へ引きずり出そうとしていたの。

「玲子ちゃん!!」
早苗ちゃんが私の体を押さえててくれなかったら、どうなっていたか……。
しばらくの間、私の腕にくっきりと、あざが残ってたんだよ。
それからは、屋上には怖くて近寄れないんだ。

この学校で、一時期、飛び降り自殺が多かったんだって……。
最近は聞かなかったけど……、また増えるのかな。
早苗ちゃんは、さすがに脅えてるよ。
だって、そんなことになったら、原因は早苗ちゃんにあるもんね。

軽い気持ちでやった黒魔術で、霊を怒らせちゃったんだもん。
そうならないことを祈るけど……。
えっ、ケツのこと?
もうすっかり冷めちゃったんじゃない?
今は、他のことを考えられないみたいだから。

私にいえるのはただ一つ、屋上にはあまり近寄らない方がいいよ。
ってことだけ……。
恵美ちゃんも気を付けてね。
……じゃあ、私の話はこのへんで。
次は誰の番……?

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