とりあえず、私は席から立ち上がろうとした。
そのとき、
「きゃっ！」
情けない悲鳴を上げて、私は床に尻餅をついていた。
「大丈夫？
恵美ちゃん？」
そういう福沢さんは、笑いをこらえきれずにいる。
彼女だけじゃないわ。
皆、遠慮なく笑っている。
でも、今の私には、皆の笑い声よりも気になる物が……。
「あーっ、こんなところにあった！」
そう、私の座っていたイスの下から、例の儀式の紙らしき物が出て来たの。
ただの紙切れに見えるんだけど……。
もしかすると、今の出来事もこの紙の仕業なのかしら？
そういえば、イスに振り落とされたような……。
福沢さんは、笑いながら紙切れを拾うと、スカートのポケットにそれをしまった。
「早苗ちゃんの話、どうだった？
すごいよね。わけのわかんない儀式なんか、しちゃうんだもんね。
おまけに、恵美ちゃんまでのってくれちゃうし」
いや、別にそんなつもりは……、まぁ、いいか。
「じゃ、私の話はこれで終わり。次は誰の番？」
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