私は、思い切って触ってみることにした。
そっと手を近づけてみると…………。
「きゃあっ!!」
私は、一瞬心臓が止まりそうになった。
急に花が揺れ始めたから……。
細田さんが、私をからかうために、わざと揺らしたのね。
「はっはっはっはっはっはっ。
『きゃあっ』だって。
いや、ごめん、ごめん。
君って、なかなか勇気があるね。
普通、こんな話を聞いた後に触ってみようなんてする人、いないよ」
「はっはっはっはっはっはっ。
『うわぁっ』だって。
いや、ごめん、ごめん。
君って、なかなか勇気があるね。
普通、こんな話を聞いた後に触ってみようなんてする奴、いないよ」
細田さんは、笑いながらそういったけど、次の瞬間、ものすごく怖い顔で、次のようにいった。
「君は、僕の話を信じていないのか、僕の苦しみを理解していないのか、どっちかだよね……。
知らないよ、いつ君の身にこの不幸が降りかかるか、わからないんだからね」
細田さんは、そういって、花を大事そうにしまった。
「これで、話は終わったよ、倉田さん。
次の人をお願いするよ」
細田さんは、私を睨みながら、そう締めくくった。
自分で、触ってみないかと誘ってきたのに、なんのかしら、この態度は。
私には、細田さんがなにを考えているのか、全くわからない。
別に、わかりたいとも思わないけれど。
「それでは、次の人、お願いします。
次は…………」
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