ハピバ白石
チカチカ光ると共に鳴る聞きなれた音が携帯から聞こえた。今は包帯のメンテナンスを終えた時やった。
「誰や?謙也か?」
いや、謙也なはずはない。この時間はもう寝とる。しかも今日は俺の誕生日や言うて騒いだからいつもより寝るん早いやろうし。
パカリと携帯を開けるとブログで知り合った女の子からのメールやった。
内容は
お誕生日、おめでとうございます!!
昨日あの記事書けばちゃんと0時に蔵さんの誕生日を祝えたのに(ノд<。)゜。
なんだかすみません…
いつもコメントありがとうございます!(。・ω・。)
とのことやった。
さっきこの子のブログに皆さんの誕生日教えてください、っていう記事にコメントしたからやろうなあ、
「ええのに、」
そう言ったものの、正直嬉しかった。
いつも明るくて俺のブログにコメントをいち速く送ってくれて支えられてたから、しかも俺はそれを望んでる。
彼女のことを考えるとふわふわとした気分になって、部活の疲れとかがなくなる感じがするからや。
そんな彼女にありがとう。と返事をする。
「なんて返事くるやろなぁ、」
少しドキドキしながら携帯を見つめる。
チカチカと携帯が光った。メールの光で音はネットで知り合った子用の音楽が部屋に響く。
きた、そう想いながらメールを開くと
電話していいですか、
と一言の文やった。
一瞬時が止まったかのように感じた。メアドと携帯番号を教えてはいたけどさすがにメールはネットと同様に顔や声が聞こえないから気軽に彼女とはメールしてたけど電話はせえへんかった。
やけど、彼女がそういってくれるなら、もちろん、やった。
ええよ、とメールを返してすぐにトランスが流れる。表記は彼女の名前。
「も、しもし」
「もしもし、蔵さん、ですよね?」
同じ年齢なはずやのに落ち着いたトーンで、やけど少し楽しそうな柔らかい声に顔の筋肉が緩む。
「当たり前やろ!」
「ふふ、やっぱり関西の方ですね!あ、お誕生日おめでとうございます!」
ふわりと笑われた感じがした。嫌な笑みとかそんなんじゃなくて、ホンマに微笑んだ感じやった。
「電話までしてくれておおきにな」
「いえ、私がしたかったんです!迷惑でしたか、、?」
「そんなことあらへん!」
「よかった、」
ぎゅうぎゅうと彼女の声を聞くために耳に押し当てる。トクトクと鼓動がはやくなって、しかも顔が暑い。あかんなあ、
「…あ、あの!迷惑かも、しれないんですけど…」
「どうしたん?」
………沈黙の秒数が増えていく。するとすうっと息を吸う音、
「く、蔵さんが、好きです」
喉がひゅ、となる。ああ、そうなんや、俺は
「俺も好きやで。」
「は、わ、」
好き、好きなんやなあ。って。
もうすぐ誕生日が終わるっていうのに、こんなに幸せになれるって今年はそんな感じがした。
2011 happy birthday Kuranosuke Shiraishi
企画くら誕!様に提出
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