すべて自分のせいなのに。
人のせいにしてしまうのは悪い癖だともわかっていたはずだった。

〜3〜


さくらくんにバレンタインのチョコをあげる人リストを見られ、挙句の果て好きな人もバレた。
これはきっと新聞部内のネタもしくは本人にバレるのではないかと心配で仕方がなかった。


「白銀?今日は見掛けてないけど。多分部室じゃね?」


結局次の日、さくらくんがいる西洋占星術科のクラスを見に行った。
ドア近くにいたクラスの男子にさくらくんを呼んでもらおうと思ったら、どうやら当の本人はお昼になっても教室には現れてないようだった。
クラスの人の情報をあてに新聞部部室へ向かうことにした。

―――――
――――――

部室のドアをノックするけども誰の声も聞こえない。恐る恐るドアに手をかけると鍵がかかっていなくて開いてしまった。
無防備な部室に少し驚きつつ、中に踏み入れると部屋の壁際のソファに誰かが横になっているのが見えた。


(さくらくんだ・・・)


学校内に赤髪を持つ人は一人しかいない。さくらくんは熟睡しているようで寝息が聞こえた。
いつもつけているゴーグルは手に持っていた。


「さくらくん」


昨日のこと、本人に言っちゃった?わたしが好きってことバレてるのかな?
聞きたいことはあるのに、寝ている姿がいつものさくらくんとは違ってみえて見つめてしまっていた。


「みょうじ?」


いつ来たのか知らないけれど、後ろから声が聞こえてビクッと肩が震えた。


「え、あの」


振り返ればそこには新聞部部員でありクラスメイトの男子がびっくりした顔を浮かべて立っていた。
目が合うと、何か面白いものを見たような表情になった。


「白銀のこと好きだったのか?」

「違うってば!」


大きな声を出してしまった。寝ている人がいるというのに。


「んー、なまえちゃん?」


さくらくんと目が合ったときには涙が流れてしまっていた。


20140201

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