企画 | ナノ

※藤北さまリクエスト!


「それでどうしてこんな状態になってるんですか?」


にこにこ、と笑ってる彼の笑顔は相変わらず黒い。


「翼くん、早く片付けてくださいね?」


やっぱり黒い。

―――――――


ここ1週間はテスト週間だったので、生徒会室には全く行っていなかった。


「元気が出ない・・」


とぼとぼと歩きながら生徒会室に向かうも、いつもより生徒会室までの距離が長く感じる。


――

「いいですか?しばらく実験はなしですからね」

「そらそらぁー」

「そんな顔をしても駄目ですからね。僕は報告書を取りに行きますから」


毎度起きる翼くんの実験失敗の後始末には慣れない。
それに最近彼女に全くと言っていいほど会ってないからやる気も出ない。


背後で唸る翼くんに溜め息をつきながら僕は生徒会室の扉を開けた。


<ドカッ>

「?」

「いったぁ・・」


扉を開けるも、勢いよく開く代わりに鈍い音が聞こえて、
次に聞こえたのは会いたかった彼女の呻き声だった。


「なまえさん・・?」

「え?あ、颯斗くん。・・って、今の颯斗くん?!」


信じられないと言った顔をしつつ彼女は手でおでこを擦っている。


「僕の・・せいですね」

「へ、」

「すみません。痛いですよね」

「ちょ、」


彼女が何か言う前に僕は手を引き寄せて腕の中に閉じ込めた。
そうすると彼女は顔を赤くさせて「え、と」と可愛らしい声で慌てている。

その様子に僕はくす、と笑ってしまった。


「そらそらぁ。ずるいのだ!俺もなまえをぎゅってしたい!」

「翼くん、」


なまえさんの焦ったような声を聞く限り、きっと翼くんに僕の異変を知らせようとしたのでしょう。


「翼くん、代わりに報告書を出しに行きますか?」

「ぬわわわ、そらそらが魔王になったあ!」


今のは聞き捨てならない。
手元にあった黒板に指を添えて翼くんにその姿を見せる。


「!」
「颯斗くん、翼くんも反省してるみたいだしよく・・ない?」

「はぁ」


しかし、実行する前になまえさんに注意されてしまった。


「僕の気が変わらないうちに報告書を「俺、行ってくるな!」


最後まで言葉を言う前に、翼くんは報告書を持って急いで生徒会室を出て行った。
そうなるともちろんここにいるのは僕と彼女の2人だけ。


「・・・」

「最近会えなくて寂しかったけどさ、八つ当たりはよくないよ」

「あなたはまた力を使ったんですか?」

「私の場合勝手に視えちゃうだからしょうがないもん」


僕の彼女は星詠み科。
だから星詠みの力を使える。


「ねぇ、颯斗くん。これから喫茶店にでも行く?それとも食堂に行く?」


食堂なら今なら東月くんお手製のクッキーが食べ放題!、なんて嬉しそうに笑う彼女に少し嫉妬した。
でも、あなたが甘い物好きなのは知っていますから・・・


お菓子にも嫉妬する
(今回は我慢します)
(僕も一緒に食べたいですから)


***
藤北さまへ
激愛というより、ヒロインに甘い青空くんが出来上がりました。
こ、・・こんなんでいいんでしょうか?(゜゜;)ヒロインも敬語じゃない!←
なにかありましたら言ってくださいね!





 

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