2012/0929~10/28拍手
この
話の続き
※長編ヒロインのティアーナも出演
「つまりハロウィンってのは悪戯してもいい日ってことか」
「違う!悪戯してもいいか尋ねて、お菓子を持っていなかったら悪戯していいの!お菓子をくれたら悪戯はしちゃ駄目だから!」
「ついでにお菓子も手に入るってわけか」
「違う違う!」
誇らしげに言っているアッシュさんに否定の言葉を言うけれど聞いてくれない。
助けを求めようと店長を探すけれど店長の姿は厨房にはなかった。
「店長・・・」
「それより、あの眼鏡はなんで試食してるんだ?」
「ああ、パーチェさんは」
アルカナ・ファミリアの幹部の一人、パーチェさんは食べることが大好きな人。レガーロ島のお店は全部制覇しているのか、どのお店ではどれが美味しいのかを知っている。
だからそんなパーチェさんに試食してもらうことで、このお店ならではの美味しいレシピを生み出そうとしているわけ、らしい(店長曰く)。
「ま、俺は退散するぜ。ここにいたってことをヘタレ従者に伝えなきゃいけないからな」
「ルカさんに言われて来たの?」
「まぁな。それでなきゃここには来ねぇよ」
(なんだかんだ仕事らしいことやっているんだ)
アッシュさんは最近アルカナ・ファミリアのファミリーになったばかりの人。
なんでもつい最近まで「ヴァスチェロ・ファンタズマ」と呼ばれる幽霊船で旅をしていたらしい。その船がたまたまアルカナ・ファミリアに怪しい船だと目をつけたらしくて、アッシュさんとアルカナ・ファミリアの人たちは対立してたみたい。
どの話も、ここ「ルーチェ」に来るお客さんの話したことだから本当かどうかはわからない。でも、ティアーナさんが言っていた。アッシュさんは悪い人じゃないって。
『アッシュにはわたしもお世話になったからね』
ティアーナさんもまた、最近まで幽霊船(ヴァスチェロ・ファンタズマ)に乗っていてそこでアッシュさんと知り合ったようで、そんなことを言っていた。
「フェデリア?」
「あ、ごめんなさいアッシュさん」
「俺は帰るからな。パーチェに言っといてくれ」
「うん」
私にパーチェさんへの伝言を伝えるとカフェを出て行った。
・・・ってあれ。今、「パーチェ」ってアッシュさん言ったよね?
「フェデリアー!誰か幹部の人来たー?」
「パーチェさん!さっきまでアッシュさんがいたんですよ!」
「へ?」
もしかしてつまみ食い?!「え?何言ってるんですか?」
「おれの食べてたドルチェを食べようとしてたとか!?」
「いや、パーチェさんこそ勝手に厨房に入らないでくださいよ」
「店長に呼ばれたんだもーん」
(店長・・・)
20120929
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