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―朝―


錫也が死んでから、5日目

お葬式の日だ

直獅に言われたあの日から、月子は何も口にしていなかった

逆に体調を崩し、寝込んでいる状態が続いている

今日も高熱でお葬式には出られないくらいだった

哉太も正直信じたくなかった。でも、これは夢でも幻でもない








現実だ








実際は自分も月子みたいになっていたのかもしれない

でも、自分が月子みたいになったらどうなる?

誰が、アイツ(月子)を守るんだ?

もしアイツ―――月子も錫也と同じことになったら――――

それだけは嫌だ。これは自分への義務。そして罪悪感

あんなに守りたかった幼馴染を守れなかった罪

そして今日から一ヶ月。他にも大切な人が来ている

「哉太、大丈夫?」

「あぁ、ちょっと考え事・・・」

「・・・そっか」

赤色の髪をした、期間で星月学園に来ていた大切な友人

土萌羊。彼がこの一ヶ月、日本にいることになった

月子はまだ彼が来ていることをまったく知らない。でも、羊は仕方ないと思い、自分から月子には会ってもいない


「なぁ、羊」

「何?」

「俺さ、まだ起こると思うんだ」

「・・・・なにが」

その続きの言葉はあまり聞きたくなかった

それでも彼は話を続けた











この事件の続き













ねぇ、錫ちゃん、錫ちゃん



昔の私。一生懸命彼を呼んでいる



錫ちゃん、なんでそんなに早いの?



お願い、お願いいかないで



私を置いていかないで――――






「――――っ!!」

目を覚ました。そして彼の名前を叫びそうになった

辺りを見わたす。ここは自分の部屋。もちろん誰もいない

最近夢を毎日見ている。自分が毎日見る理由なんてもう分かっていた




錫也が死んだということ




いい加減現実を見なくてはいけない

これ以上、回りに心配かけたくない

(今日は錫也のお葬式だったんだっけ・・・)

自分がこんなんだから、そして熱を出してしまったから行けなかった

とにかく明日から頑張ろう。そうしてまた眠りについた










別の夢を見た

いつもは自分が小さい頃の錫也を追いかける夢だったが、今回は不気味な夢だった

真っ黒の中、日本人形が自分を見て笑っている

月子が目を逸らすと、その先には見覚えのある背中が見えた

誰だかわからない。でも知っている

その人形が彼のほうを向き、勢いよく彼の背に近づいていく

嫌な予感がし、急いでその人形を捕まえようとした

けど、足がまったく動かない。そして人形が彼の背ぎりぎりまで行き―――――――
















そこに真っ赤な花が咲いた











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