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季節は冬

雪は静かに降り積もり、それをただ見ていた少女がいた

教室の窓から誰かを待っているようにそっと見ている

「ふー、ギリギリセーフ!」

遅刻しそうになった幼馴染が今来たらしい

だけどその中にはもう一人の幼馴染の姿はなく、もう一度外を眺めた

「おはよう、月子。・・・錫也は?」

「あ、哉太おはよう」

少女―――夜久月子は幼馴染の七海哉太が普段どおりの登校をし、学校に来ていたのを窓からずっと眺めていた

そして、先ほど哉太が口に出したもう一人の幼馴染、東月錫也はまだ来ていない

「錫也はまだ来てないの」

「寝坊?」

「哉太と錫也一緒にしないでよ」

「てっめぇ!」

何気ない会話。普段どおりの登校

だけど誰も知らない中、自分達の世界は変わっていた

悲しい、だれも望んでいない世界が――――




















学校終了後、月子と哉太は蟹座寮へと足を進める

結局今日一日錫也は来なかった。きっと風邪でも引いたんだろうと、そう思っていた

蟹座寮へ着き、錫也の部屋へと向かう

「錫也ー、いるー?」

「おーい、入るぞー」

・・・返事が無い

「きっと寝ているんだろう」と哉太は言ったが、月子にはまた別の不安があった

とても嫌な予感。月子の予想は当たった










ガチャ












「・・・・!」

「なんだよ・・・・これ・・・・・」

数分間、二人はそこから動けなかった

錫也の部屋。錫也本人はいないが、部屋が



















荒れていた










壊れた物、服、布団、テーブル、椅子・・・

誰かと争ったような形跡

ありえなかった、信じたくなかった















そこからが本当の始まり




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