たった一人の君を探す旅

 037 百円道に落ちてたら、交番に届けようと思いますか?




037 百円道に落ちてたら、交番に届けようと思いますか?

「フッ、これでは埒があきません。先にボンゴレを手に入れるつもりでしたが、こうなっては仕方がない。」

硬直状態を解き、フーッとパインはため息をついた。

「僕と貴方、どちらかが勝った方があの二百円を手に入れ、アイスを買うことができる。…もちろん、味はチョコです。」
『元々あれは私のお金だけどな。』
「おや、それを証明する物は何かあるんですか?硬貨の裏には名前を?…残念でしたねぇ」

嬉しそうにパインはクフフ、と笑みをこぼした。

小学生か、おまえは。
よくいるよねこういう奴。屁理屈並べて嫌われる奴。うざっ!!

だが、奴の言い分も一理ある。
私だって道に五百円落ちてたのをこの前拾って、アイスを食べに行った。

「…黒曜チョコ連盟会長(会員一名)として名前を伺いましょう。僕の名は、六道骸。」
『並盛チョコレイトゥゥ株式会社総本家代表(本日創設)並盛・C・ちひろだ。』

「ミドルネームの“C”は?」
『チョコレートのCだよ。ろくどー・P(パイン)・なぽー』
「クフフ、違いますよ。C(チョコ神)・骸です。並盛・C(ちんちくりん)・バカ」

カツン、とパインが杖で床を軽くたたく。
それが、合図だった。


―チョコレート王になるのは
   この私/僕だァァァァァ!!――


こうして、後に伝説の戦いと呼ばれる戦争の幕が開かれたのであった。


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