たった一人の君を探す旅

 120 体育館裏に呼び出されるとロクなことがない




120 体育館裏に呼び出されるとロクなことがない

どうやらGHOSTオブ変態はユニの元へと歩いているらしい、いやあのさあ…一瞬で移動できるなら直接行けばよくね?って思うのは私だけか?やっぱりスケスケだから脳みそもスケスケなのかな?
まあそんなこと考えてる間もめちゃくちゃ眠いんだけどね!瞼がボンドのようだ…

『な〜んて言ってられっか!!!!!!死に去らせェ!!!!!』

手に持っていた幣をビュンッとGHOSTに向けて放り投げれば、スカっと通り抜けて地面に突き刺さってしまう。ですよね〜そんな気はしてたけど…
隣で踏ん張ってるチェルヴォがなんてことをするんだと言わんばかりに足を蹄で攻撃してくる。テメッふざけんなGHOSTに投げつけんぞ

「君、意外と元気だね。そろそろ寝落ちするかと思ってたけど…大丈夫そうだ」
『バッカチキンどこからどう見たらそうなるわけ?全身から炎がただ漏れなんだよ!死にそうなんだけど』「全然枯れる気配がしないけど」『真似すんな!』

隣のチキンを叩こうにも武器はGHOSTの足元だし…なんかアイツ歩くのおせーな。日が暮れちゃいそうじゃん
そんな気持ちが彼にも通じたのか、ババババッとより強い光を放ち始める。もし通じたのなら煽り耐性がなさすぎる。全裸で発光して煽り耐性ゼロなんてこの残酷な世界を生きてけるのかしら…ちひろちゃん心配…

「まずい!」

ナポーの焦った声が響く。吸収した我々の炎を使ってテレポートをするのではないかという仮説。瞬間移動と書いてテレポーテーションと読むのはなかなかの厨二…貴様…できる!

「それはさせない!」
「!!あれは」「俺たちの…ボス!」「ボンゴレ…]世」「沢田綱吉」
『ダメツナ』

空から響く声。普段は弱気な彼もいざという時は役に立つということだ。どうやって戦うつもりなんだろうか、やっぱりあれか?アレ…あれ?アレってなんだっけ。

「恭さん!ちひろさん!大丈夫ですか?!」
『マ…ママン!』

駆け寄ってきたママン草壁は手に和菓子を持っている、お前…こんな時にまで私のことを…!最高だ!!!ありがたくいただくぜ!
視線はヒバリの方を向いているが練り菓子を持つ手は私の方が近かった。これは完全に私のでしょ。口に入れればじゅわりと砂糖が溶けて甘味が口の中をいっぱいにする。こんなお菓子が10年後にあったとは…心なしか力も湧いてきた。やはりママンは最高。つかの間の休息を味わっていると、轟音が鳴り一瞬炎がめちゃくちゃ吸われそうになった…けど持ちこたえたようだ。何事じゃい

「間に合ったようで何よりです。これは恭さんの増殖の炎を練りこんだ和菓子。ちひろさんの大好物で緊急時に食べる用のおやつです。」
『天才…』

「お菓子い…」
「ええ」

ん?お菓子?呼んだか?と正面に目を向ければGHOSTは消え去り、中央にはダメツナ一人がじっと地に足をついたままだ。しかもなんか皆んなしてピリピリしている。やっべ〜状況が全く読めない、倒したのにおかしいって言ってるってことは…

『フルーツバスケットで不正が発「違うよ」…そっか』
「零地点突破改は敵の炎を吸収し自分の炎に変換する技だ。だが、GHOSTの炎を吸収し強大化するはずのツナの炎はほとんど変化していない…」
『たし蟹』「誤字」『今は朝の9時』「こんな時に韻をふむなちひろ」

ハァハァと息切れする金髪まつげにたしなめられてしまった。めちゃくちゃボロボロじゃんどうしちゃったんだ跳ね馬、跳ねない馬じゃん。跳ねない…羽根ない…ノーペガサス!

「いやぁすごいすごい!!GHOSTを倒しちゃうなんてさ♪」
「!!」「白蘭!」『や〜っと出てきやがったな』

またまた空中から登場したのは真っ白な男、北山を破壊し並盛を戦地にした憎き男白蘭。
その姿を見た瞬間力がまた湧いてくる。地面から吸い上げるように足からぶわりと巡り始める。
“拾ってきてやったぞ”
『センキューチェルヴォ』
いつの間にやら私がぶん投げた幣を回収してくれたチェルヴォ。というか、ディリテは炎吸われて匣の中に帰っていったというのに、お前はまだいたんかい!ちらりと幣を見れば四角い何かがはめ込まれていることに気づく。アッ…ここに匣入れてたのか…だから幣から出たり入ったりしてたわけだ。てっきりポケモンの杖想像しちゃってたよ。ルカリオのアレ、映画のシャレオツ封印モンボ。

“我だからな、そこらへんの獣とは違う”
『今の言葉、ディリテが聞いたらどんな気持ちになるのでしょうか。チェルヴォ君はあとで体育館裏に来るように』
“あとでとはいつのことだ”
『あの真っ白やろうをぶち殺してからだっつーの!』

応えるように全身から炎が吹き出した。

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