book短A | ナノ


[1/1]



「はっ……せんせっ…も、やめ……」

「ん??そんなこと書いてねぇだろ?ちゃんと読めよ」


土方先生は、僕の前に教科書を突きつける。

「はい、始めからやり直し」

「っ……先生っ〜〜!!」







ことの発端は、その日最後の授業まで遡る。


「今年度は、身体のしくみについて学ぶからな」


一番眠く、一番かったるい最後の授業は保健だった。

左之先生に恨みがある訳じゃないけど、眠いものは眠いんだから仕方ない。

爆睡していたら、いつもは寛容な左之先生が担任の土方先生に告げ口して、結果、放課後ネチネチと説教される羽目に陥った。

まぁ、説教くらいで済むならまだよかったんだけど。

あろうことか、変態土方先生が、僕が寝ていたところの復習をしてやるなんて言い出した所為で、僕は不本意ながら補習を受けることになった。

で、その補習ってのが、ただの補習じゃなくて。

補習によく使われる小さめの教室に押し込まれたかと思ったら、ドアにはご丁寧に鍵をかけられ、小窓にカーテンまで引かれて。

まぁその時点でヤバい予感はしてたんだけど、教科書を開かされたと思った途端にこれだ。


「総司、そこを、音読してみろ」

「へっ?」

「いいから、ちゃんと音読してみろ。そうしたら、一番手っ取り早くさらえるだろ?」

「う………」


土方先生は、本当に変態で、そして、意地悪だ。

今日の授業内容を予め聞いておいて、そんな意地悪を言ってきているに違いない。


「きちんと読めなかったら、お仕置きだからな」

「う〜…」


僕は恨みがましく土方先生を見つめてから、仕方なく、今日授業で扱ったらしい教科書のページを音読し始めた。


「せ、…せい………」

「聞こえねぇ。もっと大きい声ではきはきと読め」


教室の一番前の机に座って音読する僕の後ろを、土方先生が行ったり来たりする。

コツコツと響く足音に妙な緊張を覚え、余計に意識があらぬ方向へと働いてしまう。


「っ……性、行為や、じ、自慰などに、よらず、無意識に射精すること、を、遺精、といい、」

「何緊張してるんだ。そういうのは、ただの生理現象の話じゃねぇか。恥ずかしがる必要はねぇんだぜ?」

「う、わ、分かってますっ……」


僕だって、先生が言ってることが正論だって分かってる。

だけど、普通に授業中に読むのなら何でもないはずのことも、明らかにそういう意図を持って強いられると、途端に羞恥に変わってしまう。

背中に視線を感じて、見られていると意識してしまうと、もうそれ以上読み続けることは難しかった。

しかも。

口ではいかにも教師らしいことを言うくせに、あろうことか、先生は読んでいる僕にちょっかいを出してきたのだ。

急に背後で足音が止まったかと思ったら、いきなり後ろから覆い被さってきて、際どいところを触ってきたり。

首筋に顔を寄せ、鼻を擦りつけながら、カーディガンの中に上から手を差し込んで、シャツの上から乳首を撫でてきたり。

明らかに、僕が困るのを見て楽しんでいる。


「性的に、…こ、興奮っ…あ……した、とき、に、んっ…」

「おい、ちゃんと読めよ」

「あ、だって……」

「総司」

「………血液、が、流れ、…っこむことによって、ひっ……い、陰茎は、ぼ、…き、し、にょ、道、から…しゃ、射精、する…」

「何言ってるかさっぱりだな」

「………っ…」


ここで反応したら僕の負け、と頑張って音読に集中していたけど、最終的に耳朶を唇ではまれ、舌を差し込まれた瞬間、僕はとうとうギブアップした。


「………せんせ…」

「ん?何だ」

「も、無理……読めません…」

「ほぉ」

「う……こ、これくらい、自分で勉強できる、し……次からは、ちゃんと、授業聞きます、から…」

「だから?」

「もう……許してください…………」


土方先生の方を振り返って、俯いてお願いする。

すると。


「そうか……」


案外あっさりと、土方先生は引き下がった。


「まぁ、読めねぇなら仕方ねぇ」

「……はい」

「………………けど、最初に言ったよな?読めなかったら"お仕置き"だって」

「っ………!!」


先生の言葉に、咄嗟に顔を上げた。

ヤバいヤバいと頭の中に警鐘が鳴り響く。


「そんなにお仕置きして欲しかったのか。ったく、仕方ねぇなぁお前は」

「ち、違います違います!嘘です!僕ちゃんと読みますから!」


慌てて前言撤回しようとしたが、もう遅い。

この上なく楽しそうな表情をした土方先生に腕を取られ、抵抗する間もなく、机の上に引っ張り上げられてしまった。

教科書が潰れないように余所へ放り出し、ジタバタと暴れる僕のベルトに手をかけると、慣れた手つきでしゅるりと抜き取る。

それからやけに生々しい音を立ててジッパーを下ろすと、慌てて膝を閉じた僕の足からズボンごと下着を抜き取り、ついでに上履きも投げ捨てて、抵抗なんてものともせずに、足をいわゆるM字開脚にしてしまった。


「やっ、やだ……見ないで…!」


恥ずかしいところが丸見えの状態に、僕は前屈みになって土方先生の視線から逃げる。


「残念ながら、それは聞けねえな」

「うぅー!意地悪!」

「何だよ、お前が望んだことだろ?」

「違っ……」


羞恥の余り俯いた僕の陰茎を、土方先生が緩く扱く。


「んっ……」

「なんだ、読んでるだけで勃っちまったのか?」

「それは…土方先生が意地悪するから!」

「俺が、何だって?」


土方先生は、途端に凶悪な顔になって、こう言った。


「しっかり見ててやるから、自分でシてみせろ」

「え?」

「お仕置きだからな。俺は何もしねぇ」

「な…………」


言ってる傍から、先生は後ろの机に腰掛けて、腕を組んでしまった。


「やだ……そんなの…したくない…」


先生がいるのに、目の前で一人でするなんてできるわけない。


「シねぇなら何時までもこのままだぞ。終わるまで帰さねえからな」

「そんな………!」


懇願するように先生を見るが、先生は全く取り合ってくれない。

その上開脚した足を抑えられてしまって、今度こそ本当に逃げ場がなくなった。

剥き出しの下肢に不躾な視線を注がれて、恥ずかしいはずなのに僕の息はどんどん上がっていく。

この目の前の教師にすっかり開発されてしまった自分の身体を恨めしく思いながら、僕は仕方なく震える手を自身に伸ばした。


「っ………」


ちょっと握っただけなのに、ぐんと質量を増した自身に惨めな気分になる。

泣きそうになりながらギュッと目を瞑って手を上下に動かすと、自然に喘ぎ声が漏れ出した。


「んっ…は……ぁ」


唇を噛み締めて、なるべく声が漏れないようにしながら、亀頭を親指でなぞり、溢れてきた液を塗りつける。

段々と濡れた音が鳴るようになった頃には、僕の頭には最早吐き出すことしかなくなっていた。

チラリと視線を上げると、土方先生が、腕組みしたまま涼しい顔でこちらを見ているのが目に留まって、さらに僕の羞恥を煽る。

思わず俯くと、すぐにたしなめるように声をかけられた。


「こら、顔を上げろ。見えねぇだろ」

「は、い……」


もう何を言っても無駄だと思って、僕は素直に顔を上げる。


「はぁ……はぁ……っ」


もうイく……!そう思った次の瞬間、僕の手は土方先生に押さえ込まれ、自身の根元は逆の手でキツく戒められていた。


「あぁっ…!なんで…!」


机に背中を押し付けられながら、もう少しだったのにと、恨みがましく土方先生を見上げる。


「なかなかイイ顔だったぜ」

「せんせ、……イきたい…」

「俺がイくまで、我慢な」

「ひどっ………」

「これもお仕置きのうちだろ?」


そういうなり、先生は僕の体液でぬめった右手を取った。


「あ、なに……?」

「まだ後ろが残ってるぞ」

「嘘…!そん、な…」


先生は、後ろも僕にほぐさせるつもりらしい。

手に力を込め、申し訳程度に抵抗してみるが、先生はどこ吹く風だ。

今まで、自分では一度も触ったことなんかない場所に僕の手を持って行くと、手についているヌメリを軽く穴の周りに塗りつけて、いきなり中に差し込んだ。


「あっ!やだ、痛いっ…!」

「痛い?……嘘言うなよ」

「やだ、抜いて!抜いて!」

「しっかりほぐさねぇと、俺のは入らねぇぞ?」


土方先生は、僕の指をぬぷぬぷと飲み込ませると、引っ張ったり押したりして、好き勝手に出し入れを始めた。

いつもは土方先生が弄ってくれるところに、今日は自分の指が入っている。

その感覚が妙にムズムズして、恥ずかしくてたまらない。


「ひゃっ!」

「ほら、ここだ。お前の好きなとこ。分かるか?コリコリしてんだろ?」


先生は器用なことに、僕の指を前立腺に擦り付けてきた。


「ああっ…あ、あ、っ、あぁっ」

「は……気持ちいいか?」


そこを押されると、僕はもう何も考えられなくなる。

気持ちよすぎて、馬鹿になってしまう。

まさか自分の指で触る日が来るなんて思ってもいなかったけど、土方先生に的確に押し当てられて、頭が真っ白になる。


「そこ、ばっかり…っあ、あぁ!」

「ほら、指を折り曲げて、自分で引っ掻いてみろ」

「ん、…っあぁ!きもち、い…ぁ、ぁっ」


もう今すぐイきそうなくらい気持ちいい。

けれど、前は先生が戒めている所為で吐き出せない。

先生がイくまでイけない。

切なくて、ウズウズして、窒息しそうなくらい苦しい。


「せんせぇ……もうイきたいよぉ……」

「んー?」

「………せんせ、の…ちょうだい」

「ほしくなっちまったのか?」

「おねがい……突いて、ごりごりして…っ」

「は……とんだ淫乱だな」


ようやく指を引き抜いてくれた先生の首に腕を回して、顔を引き寄せる。


「せんせ……土方せんせ…」

「ほら、めちゃくちゃに突いてやるよ」

「ぇ…ぁっ」


手早く土方先生がベルトとズボンを取り払って、僕の両足を高く持ち上げた。

そして、物足りなさげにひくつく僕の後孔に、先生の大きくて熱いものを擦りつけてくる。


「あ、早く………」

「分かったから、力抜け」


次の瞬間、すっかり溶けきった僕の中に、ズブズブと土方先生が侵入してきた。


「あぁぁっ…!」

「やべぇ…お前の中、最高…」


挿れられただけでイきそうになった僕の根元をしっかり抑えて、土方先生はこの上なく色っぽい顔で笑みを浮かべた。

その顔に、また僕自身がびくんと跳ね上がる。


「…動くぞ」

「えっ…いきなり、あ、待っ…あああ!」


パンパンと乾いた音を立てて、容赦なく腰を打ちつけられる。

そのうちに土方先生の先走りで結合部が濡れて、動く度にぐじゅぐじゅと水音まで立ちはじめる。


「あぁっ、あっ…あっ、」


突き刺したまま奥深くを抉られ、かと思ったら前立腺をごりごりと先端で擦られて。

僕はここが学校であることも忘れて、必死で土方先生にしがみつきながら、声を上げた。


「総司、イっていいぞ……」


苦しそうな、だけど物凄く艶っぽい顔をして、土方先生が僕自身から手を離す。


「ン、あ、ぁぁっ!」


びくびくと痙攣し、土方先生の手の中で勢いよく飛び出した白濁が、僕の顔にまで飛び散る。

はぐらかされ続けた絶頂は、そう簡単には終わない。


「っ…はぁっ…中に出すからな……」

「えっ………」


その直後、イったばかりで敏感な身体を二、三度激しく突き上げられて、土方先生のものが中に吐き出された。

全て出し切ろうと、先生がゆらゆらと腰を揺らす。


「はぁ…総司……」

「ん…せんせぇ」


名前を呼ばれ、唇に軽く口づけられる。

それから、ずるっと自身を引き抜かれた。

塞き止められていた液体が、どろどろと溢れ出てくる。

その感覚にすら、身体が痺れる。


「あー……こりゃあ、どうしようもねぇな」


土方先生が苦笑した。

僕は半ば放心状態で、必死に息を整える。

そして密かに、今度からは真面目に授業を受けようと決心したのだった。


……数日後、また懲りずに居眠りしてお仕置きされたのは、また別の話。



2012.08.11


エロのリハビリ。
土方先生ダメな教師だな(笑)

お仕置き好きだよお仕置き




―|top|―




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -