土沖大量生産企画! | ナノ


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「土方さん、お帰りなさい〜」

仕事を終え、帰宅し玄関を開けた所で総司の明るい笑顔に出迎えられた。

「総司?来てたのか、ただいま」

嬉しそうに笑う総司の頭を撫でてやり、一緒にリビングへ向かう。

「飯はどうする?どっか食いに行・・・これ・・・」

「ふふ、作っときました〜」

にこにこ笑う総司に礼を言い一緒に夕食を済ませ、向き直る。

帰ってきてからずっと気になっていたのだ。

「総司、お前明日参加しねぇつもりなのか?」

平日、学校がある時もよく土方の家に来ている総司だが、家に来る時は体を重ねる事も少なくない。

明日は通常授業でなく課外授業なので、サボるつもりかと溜息を吐く。

最も丈夫でない総司にとっては疲れに行く様な物だから休むなら休むで構わないのだが。

「嫌だなぁ、ちゃんと行きますよ、お城見たいですもん!でも流石に課外授業は遅刻したら置いて行かれるでしょう?起きる自信ないから泊まりに来たんです」

当然泊めてくれますよね、とでも言いたそうな口調で言う総司の頭を乱暴に撫でてやる。

一人暮らしの総司にそう言われてしまえば断れない。

「ったく、おめぇは・・・・。で、ちゃんと明日の準備して来てんだろうな?」

準備と言っても、昼食も出ることになっている課外授業に大して持って行く物はないのだが。

「はい、飲み物もおやつも買って着ました」

嬉しそうに言う総司の頭をぺし、と叩く。

「痛ぁい」

大した力で叩いていないのに叩いた部分に手をやり、恨めしそうに見上げてくる総司に一つ溜息を吐き、総司のスクールバックを開けて確認する。

「あ〜〜!!勝手に見ないでくださいよ!!!」

チョコレートだの、飴だの、クッキーだの、金平糖だの菓子ばかり入っているカバンに脂っこいスナック菓子が入っていない事を確認し、他の持ち物も確かめる。

以外にも几帳面に綺麗に畳んで入れてあるビニールの袋が数枚、申し訳程度に入れられている筆記用具、タオルハンカチやポケットティッシュも何時も土方が口やかましく言うからか、ちゃんと入っている。

後、カバンの底の方に隠されているかのように入っている薬の入ったポーチ。

飲み物は冷蔵庫に入れてあるのだろう。

「総司、菓子多すぎだ、どうせこんなに持って行っても食えねぇだろ?」

「いいんです、どうせ平助君とかと分けるし、余ったら持って帰って来るだけですから」

ぷく、と膨れて見せてカバンを閉めた総司は、土方から離すように、壁にかけている制服の下へカバンを置き、隣へ戻って来た。

その後は一緒にテレビを見ながら取り留めの無い事を話し、早めに風呂に入れ相変わらず髪を乾かさず濡れたままタオルを被って出てきた総司の髪を乾かしてやる。

何時も目を細めて気持ち良さそうにその手を受け入れる総司が可愛くてついつい甘やかしてしまうのだ。

明日も最近気に入って着ている土方の買ってやった緑のカーディガンを着て行く!と言う総司に、天気予報では明日は汗ばむほどのいい天気だといっているのに、ウールの濃い色のカーディガンは暑いだろう、と以前着ていた綿のオフホワイトのカーディガンを出してやる。

大体このカーディガンにしても去年の今頃の時期にジャケットを着たがらない総司の為にカッターシャツだけだと寒いだろうと土方が買ってやった物なのだ。

去年買った物だが、元々大きめの服を好む総司が選んだサイズは土方にも大きい位のサイズだった事もあり、身長だけは土方よりも高くなったが華奢な今の総司が着ても充分に大きく、窮屈な思いはしないだろう。

「総司、髪乾いたらそろそろ寝ろ、明日は絶対に寝坊できねぇんだからな」

「えぇ〜!まだ10時じゃん!!それに・・・・・折角お泊りなのに」

「何言ってんだ、明日なんて疲れに行く様なもんなのに疲れるような事出来る訳ねぇだろ」

「むぅ・・・」

「たく、どうせ明日も泊まるんだろ?」

明後日は土曜だから問題はないし、課外授業で疲れるだろう体力の無い総司が体調を崩す可能性も否めない。

元々明日は本人が嫌がっても泊まらせるつもりだったのだ。

こくり、と頷く総司の髪を撫でてやり、一緒に寝室へ向かう。

「ほら、もう寝ちまえ寝不足で観光バスになんざ乗ったら酔っちまう」

最近土方の車には慣れたのか酔うことも少なくなったが、基本的に総司は乗り物に弱い。

少しでも原因は減らしておく方が良いだろう。

「でも・・・まだ眠くないのに・・・」

ベッドに座り不服そうに見上げてくる総司の額に一つキスを送り、寝かせる。

「俺も用事済ましたら直に戻ってくる、眠れなくても横になって目ぇ瞑っとけ」

掛け布団を掛け、胸元をポンポンと叩いてやり、電気を消して寝室を後にした。

それから風呂に入ったり明日の準備をしたりと結局土方が総司の元へ戻ってきたのは日付が変わろうとしていた頃だった。

『眠くない』と言っていたわりに既に熟睡している総司を抱き込み、土方も睡魔に身をゆだねた。



翌朝、早めに寝たくせにやはり中々起きてこない総司を起し、相変わらず食べたがらない朝食を、総司好みの甘いフレンチトーストを作ることで、半ば無理矢理食べさせ、遅刻するなと念を押し一足先に学校へ向かう。

一緒に登校した方が安心だが、総司が泊まった事を他の生徒に知られる訳にはいかないのだ。

結局総司が登校してきたのは、遅刻ギリギリの時間だった。

HRを終え、わいわいと迎えに来ているバスに向かう生徒達を横目に総司を探す。

表面的には愛想のいい総司だが、本当に仲がいいのは斎藤、藤堂、後は山崎位だ。

斎藤はクラスが違うことを考えると、藤堂、山崎辺りと行動するのだろう。

一際五月蝿い場所へ視線を移すと、案の定一人で騒がしい藤堂と、少しは静かにしろと藤堂に注意する山崎、騒いではいないが二人を見て笑う総司。

今まであまりこういう行事に参加出来なかった―去年も体調を崩してしまった所為で参加出来なかった―事を思うと参加できるのが嬉しいのだろう。

楽しそうな総司を見てつい表情が綻んでしまう。

「ほら、お前らさっさと乗っちまえ」

最後までバスに乗らずに喋っていた藤堂、山崎、総司に声を掛け、三人に続き土方もバスに乗り込む。

藤堂は後ろに乗りたかったようだが、最後に乗った所為で前しか空いておらず、文句を言いながらも空いてる席に座る。

総司が最後まで乗ろうとしなかったのは恐らく後ろに座りたくなかったのだろう。

相変わらず素直に言わない総司に苦笑は漏れるが、言わなくても総司の思うとおりに事が運んでいるのには少々感心もする。

「お前ら、餓鬼じゃねぇんだからあまり騒ぐんじゃねえぞ、それから菓子食ってもかまわねぇが、乗り物に弱いヤツもいるから臭いのキツイ物は食うなよ、後気持ち悪くなったら吐くまでに言え、判ったな」

バスに乗り込み、シートベルトを着けたり、早速菓子をあけたりしている生徒達に声を掛け、最後に直後ろの席に座る総司を一瞥し、土方も座席に座りシートベルトを着ける。

ちらりと見た総司は早々に寝る体制を取っており、山崎と通路を挟んだ横に並ぶ藤堂にうるさいと文句を言い、山崎にも自分の隣じゃなく藤堂の隣に座れば良いじゃないかと言っている。

確かに総司は慣れていない人の気配が近くにあると眠れるようなヤツじゃない。

授業中もよく居眠りをしていても、うとうととしているだけで熟睡する事はまずありえない程だ。

今回のように直横に人がいるとなると、うとうとも出来ないのだろう事は予測できる。

それでも、よく気の付く保健委員の山崎が総司の側に居る事は土方にとっては安心できる事だ。

山崎もあまり丈夫ではない総司の事を思い藤堂ではなく総司の隣に座ったのだろう。

到着まで約1時間30分、そこまで遠い距離ではない。

土方の車でなら体調さえ悪くなければ酔うことのないだろう時間だが、慣れない観光バスと、他人の気配に不安はある。

眠っては居なくても目を閉じて視界からの情報を遮断して、動かないだけでも随分違うだろうと結論付け、土方は前に向き直った。


「こほ・・・」

バスに乗ってそろそろ30分、高速にも入っており、一定の速度で車はスムーズに動いている。

後ろから聞こえてきた小さな咳に少々の不安はあるが、咳き込んでいる訳でもないし大丈夫だろう。

担任として総司にだけ構っている訳にいかないし、少々の事で過保護に構うとまた臍を曲げかねない。

「沖田さん、大丈夫ですか?」

そんな事を考えていると、山崎の心配げな声が聞こえてきた。

「っ、やまざき・・・くん・・・」

総司の何時もとは違う弱々しい声音に慌てて後ろを振り返る。

ぐったりと窓に寄りかかる総司の顔色は蒼白だ。

「やっぱり酔ったか、沖田どんな具合だ?」

「・・・きもち、わるい・・・、あたま・・・いたい・・・」

思っていた以上に我慢をしていたようで、つい眉間に力が入ってしまう。

「はぁ、気持ち悪くなったら言えって言ってんだろ、こっち来るか?」

山崎に任せても上手く面倒見るだろうが、総司は変に気を使って余計に具合悪くするだけだろう。

そう思えば土方が面倒を見るのがいいだろう。

小さく頷いた総司に手を貸してやり、窓側の席へ座らせてシートを倒してやる。

後ろはさっきまで総司が座っていたから問題なく倒してやる事が出来る。

山崎も気を利かせてか藤堂の隣へ移動してくれている。

「酔い止めは飲んできたのか?」

冷や汗を掻いている総司の額を準備してあった冷たい濡れタオルで拭いてやり、クーラーボックスに入れてある冷たい水を少し飲ませてやり、ベルトを緩めてブランケットを掛けてやる。

「・・・・・・、」

テーブルの上に朝食と供に置いておいた薬。

返事のないところを見れば薬嫌いの総司は飲まずに来たのだろう。

小さく溜息をつき、今更なような気もするが、酔い止めの薬を出し飲ませる。

「ったく、こうなる事判ってて何で飲んでこねぇんだ、ほら、薬飲んだらちょっと寝ろ、此処に袋置くから吐くなら此処に吐けよ」

横になり、薬や水を飲んで少し落ち着いたのか少し顔色は戻ってきている。

後1時間ほどは降りることが出来ないが、土方が隣に居る事も心強いのだろう、ブランケットの下の手を握ってやると、小さく笑って直に寝息を立て始めた。

この状況で総司が眠れるのは心許している人間が直側に居て、その身体に触れているから。

勿論あまり具合が良くないからというのも大きいのだが。

その後、何度か『気持ち悪い』と目を覚ましていたが、何とか吐く事もなく、目的地へ辿り着く事ができた。


漸く目的地に着き、続々とバスから生徒が降りてくる。

早々に降りた土方は一緒に連れて降りたまだ青い顔をしている総司を山崎に任せ、生徒達を整列させる。

藤堂も山崎や総司の休んでいるベンチの方へ行きたそうだが、これは授業の一環だ、体調の悪い総司と保健委員の山崎以外を別行動させられる訳もなく、首根っこをつかんで列へ並ばせる。

さっさと並べば簡単な注意事項だけで直に終わるのだ。

ちらちらと心配そうに総司の方へ視線をやっている藤堂と、隣のクラスの斎藤を尻目に必要事項を伝え、飲食店への入店の禁止と12時の集合時間に遅れないように念を押し、解散を言い渡した。

解散と同時に各々好きな所に散って行く生徒達を掻い潜り総司の元へ急ぐ。

「総司、少しは落ち着いたか?」

山崎、藤堂、斎藤に囲まれ、まだぐったりとベンチに体を投げ出している総司に声を掛ける。

「せんせ・・・、もう大丈夫ですよ」

弱々しく笑う総司の髪を撫でてやり、もう暫くは休ませた方が良さそうだと思うが、こんなベンチだと丈夫ではない総司の身体には負担になってしまうだろう。

本来なら禁止しているが、何処か喫茶店にでも入って休ませた方がいい。

「まだ顔色悪い、気持ち悪いんだろ?ベンチだと冷えるからどっか店入るぞ、総司の事は面倒見るからお前らはちゃんと観光して来い、総司も少し休ませて調子が戻ったら観光させる」

総司の腕を取り、斎藤、藤堂、山崎には解散を言い渡す。

藤堂は少し不満げだったが、斎藤に連れられ三人は足早に町並みの方へ歩いていった。

近場にあった喫茶店に入り、自分の分のコーヒーと総司にはオレンジジュースを注文し、ソファーに沈み込む総司の前髪を払い額に手をやる。

「・・・熱はないですよ」

「あぁ、大丈夫そうだな・・・総司、お前電車で帰るか?」

何とか吐くのは免れたが、頭痛もまだ治まっていないのだろう総司の顔色は未だ悪い。

他にも数人バスに酔った生徒もいるようだが、ここまで具合が悪そうなのは総司だけなのだ。

帰りは30分程戻った所で昼食ともう一箇所観光をして学校までは1時間程とバスに乗っている時間自体は短くなるのだが、又酔う可能性は低くないだろう。

「・・・やだ・・・お城、見たいし・・・土方さんの横に乗ったら、気持ち悪くなっても寝られるもん」

少し回復してきたのか、オレンジジュースに手を伸ばす総司の髪を撫でてやる。

「判った、その代わり気持ち悪くなったら直に言うんだぞ?」

こくりと頷く総司は随分顔色も戻ってきている。

着いてそろそろ30分、此処の観光の時間は1時間30分を予定している。

体調が落ち着いてきたのなら早く観光させてやらないと時間もなくなってしまう。

「気持ち悪いのは治まったか?」

「うん、もう平気です」

「頭痛は?」

「・・・これ位なら平気、我慢できます」

「まだ痛いのか?鎮痛剤飲むか?」

「ううん、大丈夫です、もう出ましょ、一緒に観光してくれるんですよね?」

にっこり笑う総司の頭を撫でてやり、喫茶店を後にした。

江戸時代から明治時代の和風建造物の連続性が高い情緒ある町並みが有名なこの町には美術館等もあり、時間内に戻ってこられる範囲なら自由行動となる。

勿論買物は自由で、喫茶店等の飲食店への出入りは禁止をしているが、比較的自由度は高い。

教師は観光ではなく、生徒の監督が目的なので総司と一緒に観光してやる事は出来ないが、斎藤や藤堂の元へ送り届ける位なら観光がてら一緒に歩いてやるのは許容範囲だろう。

あちこちに寄りたがる総司に苦笑を零しつつ付き合ってやり、斎藤たちの下へ送り届ける頃には、集合時間まで残り30分程になっていたが、三人に総司を託し、集合時間に遅れるなと声をかけ、監督の為にバスの停まっている駐車場へ戻った。


集合し、30分程バスで移動をし、江戸時代の城下町をイメージされた白壁と黒格子の町屋風に統一された街並みと、その奥の城が有名な観光地へ降り立つ。

総司は少し気持ち悪くなったようだが、バスから降りれば治まる程度で済み、昼食も相変わらず出された物を食べきる事はできず、残した物を藤堂が食べていたが、それなりには食られていたようだ。

城下町風に整えられた通りをぶらぶらと店を冷やかしながら―最も飲食店が殆どだが―歩き、城の見学へ向かわせる。

急勾配のある城へ登るのは体力の無い総司には酷かとも思うのだが、折角見たがっていた城なのだ。

集合は城の駐車場になっているので、キャッスルロードまで戻る必要がないのは校長である近藤さんが総司の為を思い決めたのだろう。

案の定斎藤や藤堂に手を引かれ戻ってきた総司は疲れ切っているようだ。

「大丈夫か?」

小さく頷く総司の髪を撫でてやり、集合時間には少し早く戻ってきた総司たちに直側にある土産物屋でも見てソフトクリームでも食って来いと背中を押してやる。

暫く休憩をさせたからか、集合時間に戻ってきた時には元気そうにしており、これなら大丈夫かとバスに乗せ、学校へと向かった。

結局総司は帰りのバスでも吐きはしなかった物の行きと同じような症状を訴え、学校に着くころには随分とぐったりとしてしまっており、到着早々に保健室へと送り届け、土方はHRへと向かった。


「山南さん、総司はどんな感じだ?」

HRと今日の最低限の仕事を終わらせ、終わったら迎えに来るからそれまで寝ておけと山南に任せていた総司を迎えに行く。

「おや、土方くん、沖田くんなら今眠ってますよ、バスはやっぱりダメだった様ですね」

「あぁ、行きも帰りもよく吐かなかったもんだ」

カーテンの奥のベッドを覗き、眠っている総司の顔色は悪いままだ。

「学校に帰ってきて気が抜けたんですね、土方くんがクラスへ行って早々に吐いてしまいまして、とりあえず寝かせましたが相当疲れてるみたいですね」

心配気に総司を見る山南を横目に土方は総司の髪を撫でる。

「・・・熱あるな・・・」

「えぇ、今はまだ微熱ですが、恐らく上がると思います。発作も出るかもしれませんので気を付けてあげて下さい」

「あぁ、判ってる、総司が目を覚ましたら戸締りして連れて帰る、山南さんはもう帰って貰ってかまわねぇぞ」

「そうですか、ではもう少ししても沖田くんが目を覚まさなければお先に失礼させて頂きますね」

山南は柔らかく微笑み、机に向かった。


暫くして山南がいるうちに目を覚ました総司を連れて帰宅し、早々にベッドへ押し込む。

「総司、何か食えそうか?」

スポーツドリンクのペットボトルを片手に寝室へ戻ってきた土方がぐったりとベッドへ沈み込む総司に声を掛ける。

「・・・いらない・・・」

「プリンで構わねぇから、な?食わねぇと薬も飲めねぇだろ?」

小さく頷いた総司の頭を撫でてやり、プリンと薬と水を持って戻って来て食べさせ、薬も飲ませて再び寝かせる。

さっき測った体温は38度程あった。

随分丈夫になったとは思っていたが、疲れてしまうとこうやって熱を出して寝込んでしまう。

今回も、バスで酔ってしまったのと、城に登ったのと、知らず知らずの内に溜まっていた疲れが出てしまったのだろう。

冷却シートを額に貼ってやり、髪を撫でてやると、気持ち良さそうに瞳を細める総司に笑みが零れる。

「ほら、もう寝ちまえ」

「・・・寝たら、行っちゃう・・・・・?」

体調の悪い時には少し素直になって甘えてくる総司に苦笑を零し、赤い顔で見上げてくるその頬に唇を落とし、総司の隣に横になり、その熱い体を抱き込んでやる。

「一緒に居てやる、明日熱下がって元気になったら明後日は総司の好きな事させてやるから早く治せ」

「ん・・・ありがとう、ございます・・・」

小さく頷き目を閉じた総司を抱きしめてやり、少し早いが土方もそのまま眠りに落ちていったのだった。




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