秋
※エドさん
※学パロ
※敬語ちゃん主
「・・・あ」
「枯葉、か?」
お昼休みもあと20分。
お天気もいいから、と同じクラスで留学生のエドワード君に誘われて、
今日は中庭でお弁当を食べています。
「もう夏も終わりなんですねぇ・・・。」
「最近肌寒いしな。全く四季ってのは面白れーよ。」
とっくにお弁当を食べ終わっているエドワード君が、彼はを太陽にかざしてしげしげと見つめる。
何でも科学的に解明するのが好きなエドワード君は、四季にも興味があるようです。
「夏川、日本では秋といえば何なんだ?」
「うーん、そうですね…。」
食欲の秋、睡眠の秋、読書の秋・・・
「…オレは睡眠だな。」
「そうなんですか。」
「最近眠くてなー。夏川は?」
「私は…読書ですかね。昨日図書館で借りた本が面白かったんです。」
「面白・・・かった?もう読んだのか?」
「はい、一晩で読み切っちゃいました!」
すげえなぁ、何て本?
エドワード君に聞かれたけど、私が読むのはほとんどが物語。
歴史書とか研究書とか、専ら資料として本を読むことが多いエドワード君には、さして興味が沸かない様なものだ。
「そんなことねーよ?」
「え、読むんですか?物語も。」
「まぁ、発想の転換も必要だしな。オレは基本目に見えるものしか信じないタチだけど『ありえないなんてことはありえない』訳だしな。」
意外ですね、エドワード君がそんなことを言うなんて。
そうやってくすりと笑えば、彼は顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
「…っし。あと10分あるし、図書室いくか。」
「え?」
「夏川の好きな本教えてくれよ!」
「え、え?」
「ほら時間ねーぞ!!」
腕を引かれる。簡単に私を立ちあがらせる。
やっぱり、男の子なんだなぁ・・・。
「背はちっちゃいのに・・・。」
「あ!?」
「あ!ちちち違います!いやいやいや、格好いいなって思ってただけです!」
「え?」
「へ?」
「…夏川」
「?…あ!」
顔の温度がぐんと上がるのが分かる。赤くなった顔を隠そうと懸命に空いている手を頬に当てる。そうっと彼の顔を見ると、私と同じくらい赤い顔で、にかっと白い歯を見せていた。
「ほらいくぞミナ!!」
「あ、あのっエドワード君!」
わたしからも
手をつないでも、いいですか?