猛暑




※原作沿い主
※エドさん



「あぢ―――――あ―――ぢ――――――」
「・・・エド・・・放してくれない?」


夏まっ盛りのとある暑い日。
私達はエドの壊れた腕を直しに、ウィンリィのいるラッシュバレーへと戻って来た。
部品を調達してくれている間、彼女の部屋で待たせてもらう事になったのだが、
部屋に入って床に座るなりエドが私に後ろから抱きついてきた。


「ちょっと・・・暑いってば。」
「・・・ミナ、お前体温いくつ?」


話を逸らさないでいただきたい。
彼は離れるどころか更に密着してくる。


「・・・アルは?どこ?」
「散歩してくるって。で?何度?」
「ん――――33℃かな。」
「33℃ォ!?」
「ちょ、うるさい…。」


耳元で叫ばれる。
そう。私の体温は人より低く、33℃だ。姉さんの話では私の体温は意識障害が出るギリギリらしい。
それでも元気に走り回っていられるのは、水を操る、冷たさ温かさを操ることができる"蒼の錬金術師"だからではないかと言われた。


「だからミナは体こんな冷てーのか。」
「暑いのは苦手だけどね。寒いとこのが好きよ。」
「ふーん・・・」
「あ!寝ないでよ!?そのまま!」
「ん・・・わかって、る・・・て・・・」
「エド!?てにぎゃあっ!」


ねねね、寝やがった!
彼の全体重が左へと移動し、耐えきれずに私も巻き込まれて床に倒れこむ。
彼の腕はしっかり私の腰にまわされていて中々放してくれない。


「・・・どうしよ。」


このまま起きてても何も出来ないんだよなぁ。
暇だし。何か恥ずかしくなってきたし。


「私も、寝よ・・・。」


長旅の疲れを取らないとね…。












*******



「エド!?ミナ!?ななな、何やってんの!?」
「「!?」」


はっと目を覚ます。あれ、オレ何やってたんだっけ。
確かウィンリィの部屋で待たせてもらってて、そんでミナに・・・


「あれ?」


目の前には、ミナの背中。彼女の腰にはオレの腕が回されている。


「エド・・・あんた、ミナに何を・・・。」
「ま、待てウィンリィ。違う。ご、誤解だ。」


これはまずい。
機械鎧壊した時よりやばいって。だってもうウィンリィのオーラが違ぇもん!
瞬時にミナから体を離すと、彼女はまだ眠いのか鞄を抱きしめて再び眠りについてしまった。


「ウィ、ウィンリィ・・・さん?これはあの、誤解で・・・!!」
「言い訳無用!!この変態―――――!!!!」




やっぱりこの地は、オレには合わない様だ。








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