アクセス制限機能充実
夢小説のDLove


chiche-シシュ-TOP>140字(twnovel) No.10
 
■Log ; 2013年11月前半(No.274〜301)

301.吹っ飛んだ布団/300.布団が吹っ飛んだ/299.語り声/298.ホワイトナントカ/297.赤と白/296.砂の城6…迷/

295.砂の城5…空/294.砂の城4…エレベーター/293.砂の城3…腹/292.砂の城2…器/291.砂の城1…城/

290.冬の足音/289.静まりかえった家/288.Request;紙/287.Request;腕時計/286.Request;コウノトリの仕事/285.Request;海(暗)/

284.Request;海(明)/283.Request;遠い/282.Request;毛布/281.Request;カーテン/

280.Request;カフェ/279.ウイルス物語/278.ふんだりけったり/277.仕事愛/276.いつかの再会/

275.ハロウィンの翌日/274.おにぎり、フーフーしますか?/


 
【おにぎり、フーフーしますか?】
「おにぎり、フーフーしますか?」コンビニの可愛い店員が笑顔で言う。
「はい…お願いします。君がしてくれるの?」
「いいえ、店長!」ゴリラ似のおっさん店長が、レンジで温まったおにぎりを両手に持ち、フー、ブー、うぉっほん!「ちょっ!」
「お待たせしました☆」「どうも…」


【ハロウィンの翌日】
ハロウィンの翌日のカボチャは、魂が抜けている。昨夜のようにケタケタ笑わないし、その周りでサッカーをしてワインを飲む、ゾンビや狼男の姿もない。ただ大きなカボチャだけがひっそり、そこに佇んでいる。
「トリック、オァトリート?」
その問いも、近くの犬だけが鳴いて答えた。


【いつかの再会】
いつかまた。そう約束した日から、何年も経ったね。僕は目尻にシワができるようになって、君は少しふくよかになったかな。元々やせ気味だったから、今の方が良いと思うよ。太陽に向かって真っ直ぐに咲く、向日葵のように笑う君は、まぶたの裏に焼き付いていた印象のままだった。


【仕事愛】
生産性の塊みたいなもの。僕の両手から生み出される数字。なんて無機質な物だろうと最初は思っていたけれど、昨日よりちょっと増えていたり、去年より大幅に減っていたり。同じ『毎日』が実は無い。目標値が定まっていて、これ以上に現実的で信頼性があるものなんて、きっと。
( #アイの欠乏 へ提供)


【ふんだりけったり】
喉が超痛い。風邪薬が無い。知恵袋をググッてみた。長葱を炙って首に巻けばいいらしいけど、長葱が無いから玉葱を代用した。カセットコンロのボンベが切れていたから、生のまま巻いた。涙が出てきた。ピンポーン。
「明日提出のレポートさぁ…って何で泣いてるし」だって、だって!


【ウイルス物語】
世界中に吹く風の中に、小さな小さな細菌が1つ。どこから来たのか、どこで生まれたのかわかりませんが、それは鳥にくっつきました。それから鳥を通じて獣に。獣からヒトに。1つで孤独だった細菌は、仲間をどんどん殖やして、今では世界中で一番幸せになりました。ハックション!


【Request;カフェ】
特別なメニューがあるわけじゃないんだけど、寛ぎの時間を与えてくれるこのカフェが好きだ。客は少ないし、珈琲は安いし、何時間いても嫌な顔ひとつしないマスターが本当に人が良くて。だから明日も仕事へ行って、帰りにここで珈琲を飲みたいと思いながら、生きていける。
(「カフェ」Sa_Yo_Ne さんより)


【Request;カーテン】
魔法のカーテンを手に入れた。カーテンを開くと、昨日は桜吹雪が舞っていた。今日は鮮やかな楓の木が、手に届きそうな距離に。目の前の美しい四季に触れたくて窓も開けると、カーテンの魔法が解けてしまった。
「あら、どうも」「どうもー」隣の奥さんと間近で目が合い、照れ笑い。
(「カーテン」catnap_7 さんより)


【Request;毛布】
凶悪な悪魔が目を覚ましました。それは身が凍えるほどの冷たいヤツではなくて、むしろその逆で。私の頭からつま先までふんわりと覆いかぶさり「あと10分…」と甘く囁く悪魔に、抗うすべなどありませんでした。
「全部、悪魔のような毛布が悪いんです!」
「遅刻の言い訳がそれか」
(「毛布」is_not_blue さんより)


【Request;遠い】
深海と宇宙だと、どっちが見たい?
雑誌の心理テストのページを開いてそう聞いてくる彼女に、僕は微笑む。どちらを選べば、君は満足するのかな?と聞き返したい言葉を飲み込んで。遠回しに僕の心理を探る、その意図は何なのか。深海と宇宙より遠い君の気持ちを、僕は今日も探索する。
(「遠い」VerweleDochさんより)


【Request;海(明)】
海から生命が生まれたのなら、海はどうやって生まれたのか。海の生みの親を生み出したものもきっとあるはずだ。その親さえ海から生まれたのだとしたら、海の生みの親を生み出した海の存在が。
「面倒臭いから、全部神様ひとりで作ったことにしとけばいいじゃん」
「「それだ!!」」
(「海」hyuugahikageさんより)


【Request;海(暗)】
春の海は荒々しく、岩場に立つ彼女に威嚇するように波飛沫を浴びせかける。一歩踏み間違え足を滑らせると、比喩ではなく身が凍る思いをするだろう。しかし波打際まで進んだ彼女は、手に持った瓶の蓋を開け、灰を海に撒く。体を震わせ、顔を濡らしながら、瓶の中が空っぽになるまで。
(「海」hyuugahikageさんより)


【Request;コウノトリの仕事】
今日もぼくらは赤ちゃんを運ぶ。
「いい人たちかな?」
「幸せになれるかな?」
運んでいる間の赤ちゃんはとてもお喋り。でも口にかごを加えたぼくは、返事ができない。
だからこの赤ちゃんの親になる人たちが、この子の話をたくさん聞いて、話かけてくれる人であることを願っている。
(「コウノトリの仕事」monaka_sosakuさんより)


【Request;腕時計】
左手派と右手派が、今日も今日とて言い争っている。
「仕事の効率を考えれば利き手と逆に着けるだろ!」と強気な左手派。
対して右手派は「右に着けてないと落ち着かないんですよ?」とおっとり言い返す。
腕時計なんて、どちらに巻いても変わらな…
「懐中派は黙ってて!」
…はい。
(「腕時計」delution_boxさんより)


【Request;紙】
折り紙で作っていた鶴たちが、一斉に羽ばたいて空を飛んだ。毎日机の上で折られて、嫌になっちゃったのかな…なんて思ったけど。999羽の折鶴は、あの子のところまで虹色の橋を掛ける。鶴を折るのに夢中になってて、全然お見舞いに行ってなかった。最後の一羽を持って、走り出す!
(「紙」000plankton000 さんより)


【静まりかえった家】
限りなく朝に近いのに、夜の終わりを引きずった夜明け頃。鳥や動物たちは目を覚まし、朝だ朝だと騒がしいが、家の中は水を打ったように静まりかえっている。微睡んでいるのだろう。そろそろ現実に目を向けようか、まだまだ夢の深淵を覗いていようか。今朝も彷徨っているのだろう。


【冬の足音】
ヒラヒラ舞った紋白蝶は姿を消した。リンリン羽を掻き鳴らす鈴虫も、土の中へ。冬の足音は、とても静かだ。シャクシャク落ち葉を踏み締める音に近いと言うが、本当の冬はそれよりもっと音がしない。ギュッギュッと雪が足裏で圧縮される小さなあの音こそ、本物の冬の足音なのだろう。


【砂の城1…城】
砂で出来た城は脆く崩れ易いと言うが、巨人の手によって圧し固められたそれは石のようだ。湿らせた砂を城型に嵌めて圧縮し、外すとチョコレートのような量産形の城が完成。それを自宅の庭に飾り、一国一城の主になった気分をリーズナブルに味わえるのが、今のステータスらしい。


【砂の城2…器】
一国一城の主に相応しい器を持ち合わせた人間が、それを求めているかどうなのかは別として。巨人が始めた『量産型一城』の商売。売上は右肩上がりで絶好調。するとそれに付随したサービス業が台頭し始める。メドゥーサの外装コーティングや、小人の城内内装工事請負など。


【砂の城3…腹】
巨人が作ったリーズナブルな砂の城。それの外装や内装の補強や改修をする業者。更にはそれを斡旋する、悪魔の中間業者も現れた。仕事を効率的に受注し、手早く発注と指示伝達をしてくれる悪魔の采配。しかしその腹の内を、巨人やメドゥーサや小人は知る由も無かった。


【砂の城4…エレベーター】
砂の城の内装工事は、小人が担当する。石のように圧し固められた砂を小さなツルハシで削って、掻き出して、城の主の希望通りに間取りを作る。しかし小人と、城主の人間の間にいる悪魔は、建築家ではない。エレベーターを取り付けて欲しいという無理な受注さえ、小人に丸投げする。


【砂の城5…空】
砂を圧し固めて作られただけの城は本来、数日間だけ一国一城の気分を味わう為のもの。それを期間延長したり、中を空洞化することは想定されていなかった。メドゥーサと小人の仕事は、城の主の更なる欲を満たすため。間に入った悪魔の、利益を潤すため。砂の城が、崩れ始める。


【砂の城6…迷】
巨人が作った砂の城。メドゥーサの外装強化。小人が内装を改修。ハリボテみたいなその城に巨額の金を注ぎ込んだ人間が、完成した城内のエレベーターに乗って天守閣を目指した瞬間。砂の城は崩落した。欲に血迷い、城主の器を持たない人間を、空から見ていた悪魔が腹を抱えて笑った。


【赤と白】
妖精たちがいる国で、ボクひとりが人間だった。でもボクが人間であることを、ボクが転んで赤い血を流すまでみんな知らなかった。
「血だ」「血だ!」と騒ぎ出し、妖精たちが離れていく。でもひとりだけ、ボクに近付き「このハンカチを使って」と、真っ白なそれを手渡してくれた。


【ホワイトナントカ】
カーテンを開けたら、外が真っ白だった。雪が積もったせいかと思ったけど、道路も建物も空も真っ白で、雪ではなくペンキが降ったみたいだった。大人たちはため息交じりに後始末する中、なぜか子供たちがはしゃいでいる。「この雪、甘い!」え?ペロッ…こ、これは、チョコレート?!


【語り声】
机の上のペンが見当たらない。仕方がないのでパソコンで打ち込もうとすると、キーボードがない。タブレットも。昔使っていたケータイ電話があったけど、充電されてない。全部失ってしまったのか、隠されてしまったのか。諦めて、この話を語りかけると、嬉しそうな笑い声が聴こえた。


【布団が吹っ飛んだ】
小春日和の温かな朝。布団を干した直後に突風が吹いて、吸い込まれるような青空へ布団が吹っ飛んでいった。唖然とする私の目の前で、色とりどり布団が舞い上がる。隣やお向かいの物干し台からも、布団が吹っ飛んだ。つむじ風に舞い上がる木の葉のように、高く高く。これは笑えない。


【吹っ飛んだ布団】
ベランダから吹っ飛んだ布団は両手両足を広げ、高度を保とうとした。上空50メートル。気流を捕らえることは出来ず、布団は緩やかに滑空する。問題なのは着地点。電線はまずい。水があるところもダメだ。挟まれるのを忘れられたとはいえ、布団は綺麗なままで家に帰りたかった。
chiche-シシュ-
アクセス制限機能充実
夢小説のDLove
- ナノ -