140字(twnovel) No.7

 
■Log ; 2013年10月上旬(No.169〜200)

10月上旬〜
200.ミーチャン/199.いつもの、休日の朝/198.滅亡するとも/197.滅亡フラグ/196.喫茶滅亡

195.タッチペンで消滅/194.太陽の消滅/193.滅亡の卵へ還る/192.滅亡のプロムナード/191.新しいカトラリーを

190.あの日の君の言葉/189.私の睡魔さん/188.僕はリスナー/187.イジワル、だけど/186.トラック

185.破滅的な愛/184.この世の天国には/183.こんな気持ちを/182.地球に優しい/181.味気ない人間

180.祝福できるのかしら/179.二次元の可能性/178.境界線を滅ぼす/177.一線を越えて欲しかった/176.零れた涙の価値

175.浅い眠り/174.この愛/173.魔法使いの先生/172.結末の一つくらいは/171.肩に子泣きじじい/170.電波よ届け/169.魔法の言葉


【魔法の言葉】
彼女のノートに綴られた文字たちは、夜の12時になると魔法が解けて動き出します。
机を下りて、部屋を出て、あなたの元へと走ります。
今夜こそは届きますように。
もし今夜も届かなければ、朝日を浴びた文字たちは再び彼女の魔法にかけられて、ただの美しい言葉になってしまうでしょう。
(@kashiwam0chi さんのイメージSS)


【電波よ届け】
今よりさらに深く、永眠するように寝た時に見る夢で、真の自分を探していた。
会社でも学校でも見つけられなかったけど、この夢の扉の向こうになら、きっと。
ピン。
キーを回して開いた先にいた君。
凜とした声が電波になって頭に響く。
「まだよ。おねむりなさい」
終わらない夢の始まり。
(@hyuugahikage さんのイメージSS)


【肩に子泣きじじい】
肩があまりに重いので、子泣きじじいでも乗っていたりして、と思ったら、本当にいた。シルバニアファミリーくらいの小さなじじい。
おりて、と言うと、いやじゃあ!と泣く。超重い。
とりあえずご機嫌取りで、ご飯を食べさせ風呂に入れたら、すっかり肩に居着いてしまった。重い。


【結末の一つくらいは】
物語の終わりが、必ずハッピーエンドになるとは限らない。
現実の鏡のような平行世界が、争いも苦しみも無いなんて変だから。
でもその物語には、夢や愛も散りばれられている。
ハッピーでバッドな世界の終わりが何十通り何百通りもあれば、一つくらいは、誰かの願いを叶えてくれるはず。
(@shirota_yama さんのイメージSS)


【魔法使いの先生】
今日からみなさん、魔法を使ってくださいね。お湯を沸かすときは火の精霊さんを応援して、テレビが見たい時は箱の中に住んでいる、小人みたいな妖精さんにお願いするのです。
魔法の杖は、あなたの手。物語を書く時は?それも簡単。あなたは自分自身に、魔法をかければよいのですよ。
(@naholograph さんのイメージSS)


【この愛】
この愛は惜しみなく、噴水や温泉のように沸き上がるのだけど、人は水を浴び続けたら身体が冷えて風邪を引くし、温泉に浸かり過ぎたらふやけてのぼせてしまう。
傷つけたくて愛したわけではないのに、愛することで傷つけてしまうなら、この愛なんて枯渇してしまえばいい。


【浅い眠り】
うちの家族は、みんな眠りが浅い。眠りが浅いので、夜中に起きてトイレに行く。
トイレに行った音で目が覚める。
隣の部屋のテレビの音で目が覚める。
スッキリした後は、ベッドに入り直してイビキをかく。
テレビをつけたまま、また寝る。
イビキとテレビの音で眠れず、トイレに行く。


【零れた涙の価値】
雨の降る日に泣いていた。心も体も冷えきって、ずぶ濡れになって、雨水と一緒に排水溝に流れてしまいそうだった。
そんな感情の渦に巻き込まれてしまうより、ここで一緒に雨宿りしませんか。少しお話しませんか。
あなたが落としたものの、零れた涙の価値を問う。
(@Gomappp26 さんの#締め より)


【一線を越えて欲しかった】
引っ越しするって言ったのに、いつも通りだったね。また帰ってくるだろ?って。
今はお隣だった昨日より、ずっと遠くへ来たよ。幼なじみの一線より、海の方が簡単に越えられた。なんか不思議だよ。
別れる前に一度だけね、わがままだと思うけど、抱き締めて欲しかった。
(@catnap_7 さんの#締め より)


【境界線を滅ぼす】
皮膚という名の境界線。これがいつも越えられないから、ぼくたちは解りあえないんだよ。
だからもう誰もさみしい思いをしないように、このウイルスを作ったよ。ほら、感染すると身も心も蕩けるだろう?
骨抜きになったぼくらは、やっとひとつになれたね。
(#世界もう滅ぼしたい協会 へ提供)


【二次元の可能性】
好きな人に「好き」と言えなくて、物語を書き始めた。
自分の幸せはあなたの幸せに、あなたの幸せが自分の幸せにはならない現実だから、この世界では自分もあなたも共に幸せになりたいの。
二次元に広がる無限の可能性に、抱き続ける想いを託す。


【祝福できるのかしら】
人という漢字は、ふたりが寄り添って出来ている。あなたと私は、寄り添って生きていけるのかしら。
いつか純白のドレスで、もしくは白無垢の角隠しで、添い遂げると決めた男性の隣を粛々と歩くあなたの姿を見て、心から祝福できるのかしら。
それとも私だけ、人でなしになるのかしら。


【味気ない人間】
美味しいものが食べたくなる時は、自分が味気ない人間になっている時かもしれないわ。
ため息をつきながらグルメ雑誌を開く君の手を取って、口に入れる。
ペロッ。確かに味がしない。昨日は玉ねぎを切った後で、ちょっと辛ったのにね。


【地球に優しい】
ソーラーパネルを作りましょう。環境に優しいですよ、経済的ですよ。
大きな屋根に、休耕している畑に。どんどんソーラーパネルを作りましょう。
家を潰して、木を伐採して、みんな更地にして作りましょう。
ほらここにも、地球に優しいソーラーパネルが。いつかあなたの元にも。


【こんな気持ちを】
僕たちは毎日、同じ電車に乗っていた。君が先に降りる。帰りは僕が先に乗る。それだけ。
特別なことは何も無い。無いのに、ひとりだった君が男と一緒に乗り込むようになって、僕の気持ちは。
いらないんだ、こんな気持ち。君のことを愛してるから、今日こそ殺そうと思う。
(@Gomappp26 さんの#締め より)


【この世の天国には】
人や車や電車がたくさんあるせいで、この世に悲しみで溢れていると、かつて神は考えた。
ならば、と草むしりをするように地面にあったものをブチブチ抜いて宇宙にポイ。
そうして世界は悲しみから救われたが、この、この世の天国には、私しかいなかった。
(@monaka_sosaku さんの#締め より)


【破滅的な愛】
#世界もっと愛したい協会 に入会したいと思ったのに、#世界もう滅ぼしたい協会 から先に勧誘された。
「破滅的な愛を私と共に」
そんな人の道から外れるような行為なんてしたくない。でも私は、好奇心に駆られてしまって。
危険な愛が、滅亡への扉を開く。
(#世界もっと愛したい協会 と 、#世界もう滅ぼしたい協会 へ提供)


【トラック】
大小様々なトラックが、この陸上競技場のトラックの上に並びました…ヨーイ、ドン!
さあトラックの上をトラックが一斉に走り出しました!
トラックがトラックで埋め尽くされ、ゴール!
直前で追い抜いたトラックが、トラックからはみ出ていたか?
いま巻き戻してトラックを確認中です。


【イジワル、だけど】
イジワル。
そう、君はイジワル。
すぐに私の言葉の揚げ足取るし、私の背が低いことをからかいながらヒョイッと高いところの物も取ってくれる。
からかわれて、優しくされて。
だからイジワルだけど君を嫌いになれない。
むしろほんの少しだけ君が好きになった。
(@000plankton000 さんの#締め より)


【僕はリスナー】
僕はリスナー。
DJが同じ時間、決まったタイミングで話す言葉を黙って聞く。
今日はテストで気分は曇り気味です。
廊下で衝突がありました。
相手は片思い中の彼女で、いま原因を慎重に調査しています。
透明なイヤホンへ、今日も自分の心から声が聞こえてきた。
(@hyuugahikage さんの#締め より)


【私の睡魔さん】
今夜も睡魔さんが背後から忍び寄る。
だーれだ?
毎日、毎晩、あなたと一緒にいるのに、忘れるわけがないじゃない。
瞼を覆うその手を握って、気を失うように、安息な地へと旅立つ。
今夜はどんな夢の世界へ連れていってくれるの?
もしも願いが叶うなら、世界が愛で滅びる夢がいいわ。


【あの日の君の言葉】
夏の気配はもう消えて、秋風が吹き抜ける。ひんやり乾燥したそれは、透明なカーテンみたいに言葉を遮ってしまった。
一時の激情に流されず、君の話を聞けば良かったのかな。本当の気持ちを、聞いていれば。
やるせない思いを抱え僕は、今でもあの日の君の言葉を探してる。
(@catnap_7 さんの#締め より)


【新しいカトラリーを】
この言葉のナイフは切れないね。このフォークのような眼差しも刺さらない。君の美しい柔肌に触れると、ぐにゃりと曲がってしまうんだ。
傷つけたい、でも傷つけたくない。
同じ行為を繰り返す君に、匙を投げてもまだ僕は。
さあ、新しいカトラリーを買いに行こうか。
(@46_ispyyyy さんの#締め より)


【滅亡のプロムナード】
#全滅亡祭 が始まった。
高い笛の音と共に、海が沸騰して水蒸気に変わる。
太鼓が鳴り響くように、大粒の雹が降り出した。
建物のガラスが粉々に砕け散り、シンバルの如く大音響を奏でる。
まだまだ、序章。終わりの始まり。
人々が祈る神は滅亡のプロムナードをゆったり歩き、その音楽に耳だけを傾けた。
(#全滅亡祭 へ提供)


【滅亡の卵へ還る】
人は人から生まれるのを止めて、卵から生まるようになりました。これから起こる災厄から身を守るためです。
人は卵から孵り、卵へ還ります。
もし世界が無くなってしまっても、卵の中なら大丈夫。一度どろどろに体が溶けてしまうけど、孵るまで殻を割られなければ良いだけのコンコンぐしゃ。
(#全滅亡祭 へ提供)


【太陽の消滅】
1週間以上、どしゃ降りの雨だった。厚い雲に覆われて、太陽の光は地表に届かない。朝から夜まで闇。雨が雪に変わっても、降り続ける。
もしかしたら、と誰かが言った。
「太陽は消滅したんじゃないか?」
厚い雲で覆われ守られた熱は、この空が晴れたと同時に失われる。
(#全滅亡祭 へ提供)


【タッチペンで消滅】
今日は曇りのち雨。近づく低気圧に、気分も天気も下降の一途。タブレットで開いた天気図の、赤い丸で囲まれた(低)という字をタッチペンで塗り潰してやった。それですこし気持ちが晴れた。けど、のちに臨時ニュースの速報。低気圧の中心が真上にあった都市が、突然沈没し、消滅した。
(#全滅亡祭 へ提供)


【喫茶滅亡】
今日は「滅亡」という言葉がよく飛び交う。
#全滅亡祭 の準備祭らしく #喫茶滅亡 には滅亡を企てる人達が集まっているらしい。
どんなところか覗いてみると、メイドが冥土の話を聞いていたとか、いないとか。
滅亡の鳴動を体感しても、ここは穏やかな空間のまま滅びるのだろう。
(#全滅亡祭 へ提供)


【滅亡フラグ】
明日、大事な話があると言われた。
ちょっとだけって手を握られて、でもすぐ離して仕事へ戻っちゃった。
明日。明日かぁ。何があるのかな。
もしかしたら、明日は特別な日になったりして。
私の左手の薬指に、とうとう光る石の輪が?
いかん、顔がニヤける。明日まで、世界が滅びませんように!
(#全滅亡祭 へ提供)


【滅亡するとも】
終焉に向かって奏でられる音色。指揮者はいない。演奏家が各々の楽器を手に取り、それまでの人生を振り返ったり、運命を呪ったりしながらも、フィナーレを目指す。
誰もその手を止めない。弦が切れようとも、音が出なくなろうとも。一楽団としての意識が、手を止めることを許さなかった。
(#全滅亡祭 へ提供)


【いつもの、休日の朝】
起きたら朝だった。
何の変哲もなく始まった一日は、君がいた余韻を微かに残していた。
甘くむせ返る匂い。本当は好きじゃないけど、嗅いでいないとだんだん不安になってくる、君そのものみたいな残り香。
そんなものに包まれて、微睡むいつもの、休日の朝。


【ミーちゃん】
虹のたもとを探していた。お山の向こう、あの町の中。きれいな虹を見上げるよりも、その始まりか終わりの所。
「ミーちゃんは、虹の袂へ行ったのよ」
涙を零しておかーさんが言ったから、おかーさんがもう泣かないように、あの虹のたもとへ行ってくるね。ミーちゃんを見つけに。
(#twCATnovel へ提供)

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