かちんと歯がぶつかりあった。それを詫びる余裕すらないくらい、二人は互いに求め、唇を重ねあう。
呼吸すら忘れて、舌を絡めた。暫くそんなことを繰り返していると、苦しくなってしまい互いに唇を離し、ふーと長い息を吐いた。
真っ赤な顔を見合うと、二人で笑い合った。

「ははは、顔が赤いぞ、幸村」
「兼続殿こそ、真っ赤になっていますよ!」

一頻り笑った後に、兼続は幸村の顔を見つめた。

「どうしました?」
「うん…」

幸村の頬を包み込むように触れて柔らかく微笑した。

「好きだと…思って、な」

その言葉は、幸村に兼続への愛しさを込み上げさせた。
堰き止めることが出来ないまでの、愛しき想い。

「兼続殿」
「わっ!」

抱き締めると、その場へと押し倒した。
兼続の髪に顔を埋めるように、首筋へと口づける。ふんわりと兼続の優しい香りがした。そして、兼続が笑う。
それらがまた、幸村の胸を締め付けた。

「私も…一等想っております…誰よりも」
「私もだよ」

愛を確かめる言葉を囁きあう姿は、傍から見れば幼いものなのかも知れない。それでも、二人は何度も想いを口にした。
ゆっくりと兼続は、幸村の身体に触れた。
びくっ、と過剰なまでの反応をし、幸村は兼続から顔を逸らした。触れた手から伝わる鼓動は速い。
ふふっと笑うと、背に手を回した。成長途中ではあるが、大分逞しい幸村の身体。ぎゅうっと強く抱き締めた。
幸村の頬を己の方へと向けると、頬に口つけた。そして、軽く吸う。同じことを口にも繰り返した。

幸村の手が兼続の身体に触れた。あたたかな手。ふるっと小さく身体が震えた。
身体が火照る。熱を持つ。疼く。
肩から腕へと流れ、そして腰に触れる。

「幸村…くすぐったい…」

身を捩じらせて悶えると、幸村はその上の形の良い膨らみへと手を移動させた。軽く指の腹で押す。僅かに指が震えていた。

「や、柔らかいのですね」

兼続の肌に初めて触れた時、女が柔らかいものだとは知っていた。
だが、直接触れるその膨らみは、弾力のある今まで知り得なかったものだ。
やや強めに握り締めると、兼続の身が振るえ、小さな吐息が零れた。

「痛くはないですか?」

震えた身体の心配をし、そう問うと、兼続は己の指をかりっと噛む仕草をした。

「…痛くはない。痺れるような、気持ち良いような…不思議な感覚だ…。よく解らぬ……だが、もっと触れて欲しい…」
「はい…」

持ち上げるように揉むと、より一層深い吐息が零れた。
柔らかなその感触と、甘い吐息は幸村の呼吸を速める。はぁっと息を吐くと、先程よりも強い力で弾力を確かめた。
兼続の乳房の先端がぷくっと膨らみ、幸村の手の腹を押した。その先端を指で軽く摘んだ。びくっ、と兼続の身体が強張った。

「…あ、…」

幸村は身を下ろすと、その先端に軽く口づけた。ぴくんと、声と共に兼続が反応する。
舌先で軽く突くと、ねっとりと舌を這わせた。そこの部分の硬さが増し、兼続の身体が小刻みに震え、声が漏れた。
その声の甘さに兼続は口を手で塞いだ。
幸村はそれに気づくと、その手を退かせた。顔を上げると、兼続に言う。

「声を聞かせてください…」
「嫌だ…恥ずかしい」
「私は聞きたいのです…」

両の手を幸村は片手で掴み、兼続の上へと退かせてしまった。

「ゆき、むらっ…」

再び先端を舌で愛撫する。舐められ、もう片方の手で乳房が揉まれる。
その気持ち良さに下半身が疼いた。太腿を擦り付けるように合わせる。

するすると幸村の手が腹を撫でた。そして、その下へとたどり着いた。
兼続が身体を捩じらせる。
拒絶からではない。感じているからだ。

「…ふっ、ぅ…う…」

薄い毛に手が触れる。ざわざわと騒ぐ。

「濡れて・・・ますよ」

兼続の箇所に触れた幸村が乳房から舌を話すと、そう告げた。

「いつも…そうなのだ…幸村と共に居ると、何故にかそこの部分が濡れてしまう。私の身体はどうしてしまったのだろうか…」

小さく身体を震わしながら、兼続は幸村に言う。
粗相をしてしまったのとは違う、滑った液体が幸村の指を濡らした。つぅっと撫でると、今までとは違う反応を兼続はする。脚を閉じようとはするが、幸村の手がそれを阻止した。

「私に感じてくださっているのですね…」

呟き、幸村は乳房から半身へと舌を這わせた。

「ん、んん……ゆきむら…」

液が増す。そこを弄ればくちゃりくちゃりと音が鼓膜を擽る。
一度、指を離せば、大量の液体が指を伝い流れた。手の平から手首へと流れる。
それを幸村は舌で拭った。甘く舌を痺れさす。

「そ、そんなのを舐めないでくれ…」

兼続の顔をちらりと一瞥すれば、顔を真っ赤にし、呼吸荒く幸村を見ていた。
舌が指の先端を舐め取るのを見終えると、はぁと深い息を吐いた。









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