慶次と兼続は二人、酒を傾け合っていた。
大分、酒も進んだ頃、ちらりと慶次は兼続を見た。
投げ出された白く細い脚、胸元を見れば着物を着ていても解る、浮かぶ突起。顔は酒により、仄かに紅潮し、唇が艶やかに濡れる。

「あんたは男に抱かれたことがあるのかい?」

生娘ではないなと思いつつも、兼続にそう問う。
兼続はついっと杯の酒を飲み干すと、返した。

「ふふっ、確かめてみるか?」

杯を置いた手が慶次の太股を撫でた。



「っふ…、んん、…ふっ」

兼続は四つん這いな状態で、口に入りきらぬ慶次の物を舌で舐めまわした。
慶次はやや乱暴に胸を掴み、兼続の中を太い指で解き解す。胸と中とのまるで正反対の愛撫の仕方に兼続の身体は感じきった。
液がとろとろと、脚を伝い落ちていく。

「入れるぜ」

十分に解れた頃、慶次は兼続をそのまま後ろから突いた。
突いたと言えど、全ては入れず先の窪み辺りまで埋める。

「ふっ」

堪えるような息を吐いた。
慶次の其れは中でぎちぎちと主張を続ける。痛いが快感。

「あんたの初を貰いたかったもんだねえ」
「それでは…」

一呼吸置く。

「他の男に抱かれられなくなってしまう」

言葉に慶次は、ははっと笑う。
慶次は腰は動かさず、僅かに屈むと兼続の胸を鷲掴みにした。

「兼続…」

声に振り返った兼続と口付けしながら、胸を手の平で持ち上げるように揉みながら、指先で先端を強めに摘んだ。
唇の間から、息を漏らす。

唇を離してやると、荒く呼吸を繰り返しながら兼続は言った。

「ああは言ったが…」

他の男に抱かれられなくなると言った話をしているのだろう。慶次はうんと返事をした。

兼続はゆっくりと腰を揺らし、慶次の物を刺激する。動く度に濡れ過ぎた箇所から愛液が垂れた。

「私は惚れた相手にしか抱かれぬ…んっ」

最後の言葉と共に、腰を慶次に寄せた。
急に広げられた其処は割かれ、血が混じった。

兼続はふぅふぅと息を吐きながら、動けずにいた。痛みがじんじんと込み上げる。

「慶次の物は熱いな…溶けてしまいそうだ」

一際濃密な吐息を零した。

「あんたが最初に惚れた男は?」

ぎちぎちと締め付ける兼続の中は、経験があまりあるようには思えなかった。

「謙信公」
「…謙信は…」
「そう。だから、人の物を入れるのは初めてだ」

血が足元に置いた着物に落ちた。じんわりと染み広がる。

兼続は張形での経験があったが、人との経験は無かった。
ほぼ、処女に等しい。

「何も乱暴に…」
「忘れられなくなるだろう」

兼続は上半身を起こした。身を捻ると、慶次の顎をつうっと指先で撫ぜ、口付ける。

「忘れたくないのだ…お前のことを……」

唇を離しながら兼続は吐息混じりにそう言った。

「凄い口説き文句だな」
「慶次も私に惚れてしまうか?」
「なあに…」

濃厚な口付けを交わすと、慶次は破顔した。

「既に心底、惚れてんだよ」

ふふっと兼続は言葉に笑った。



「あんたはちょいと、無防備過ぎないかい?」

行為が終わったあと、兼続に腕枕をしてやりながら慶次はそう言った。

「うん?何の話だ」
「あんたの脚は魅力的なのさ」

脚を下から撫でた。指がつうっと滑る。
今まで味わった数多くの女の誰よりも美しい。

「そうか?そんなに誰某と己の身体を見せたりはせぬよ」
「ならいいが…」
「どうした?慶次」
「いや…」

何となく、何かがありそうな気がし、慶次はぼんやりと俺が側に居てやらないとなと思った。








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