小説 | ナノ


  YOBAI [おしおきセックス]


「はく……りゅっ! …ぁ…も、おねが……」
「いいえまだです。御仕置、なんですから」
 奥のイイ所を抉りながらその度にイけない辛さと快楽に震える身体をゆっくりと堪能する。張り詰めたアリババ殿自身を愛撫すれば耐えきれずに大きく身体が跳ねた。
「ぁああああああっ!!!」
 一際大きな声を上げてアリババ殿が弓なりに身体をそらした。ビクビクと震えるのは何も身体だけじゃない、ナカも痙攣して収縮を繰り返して俺を締めつけてくる。持って行かれそうになりながら、敏感になっているナカをせめればさらに涙目で腕の中のアリババ殿が嬌声を上げる。けれども、彼は熱を吐き出してはいなかった。張り詰めた熱はそのままに身体を痙攣させている。
「空イキ……したんですか?」
 ぞくりと、背が泡立つ。締めつけるナカが気持ち善すぎて持って行かれそうになるのを奥歯をくいしばって堪えながらその奥をさらに抉った。気持ち善いのだろう。蕩けた瞳が涙に濡れている。
 懇願するように見上げてくるその瞳がなんとも心地が良い。根元の締めつけは緩めずに笑ってその身を貪る。
「まだ……反省は足りてないでしょう…?」
「ぃあっ! …わるかった…てぇっ…もぅっ、おねが……っ!」
「まだです…まだですよ…?」
 あなたが自由に遊んでいる姿を見て俺がなんとも思っていないとわかってないでしょう? 男の嫉妬はみっともないとは良くいったものだ。自分で胸中にそんな思いを抱いていると実際に醜いし、口にしたいとも思わない。
 だから、身体を繋げる。熱を貪り与えて、快楽におとしたアリババ殿の表情を堪能する。彼にこんな表情をさせられるのは俺だけだ。彼に自らを忘れさせるほどの快楽を与えられるのも俺だけ。俺だけじゃないといけない。
「ひぁっ! ぁああっ!! ああああああああああああっ!!!」
 まだ熱を吐き出していないのに、腕の中で一際大きな声を上げて身体をしならせる。
「また空イキ…本当に…淫乱な身体ですね」
 身を繋げながらさすがに根元を手で押さえるのが辛くなってきた。紐を取り出して根元をきゅっと縛って空いた手を胸の飾りへと伸ばす。
 そうして、おろそかになっていた胸への愛撫を始める。腰はあえて動かさなかった。その方がアリババ殿が感じているのをナカで感じられるから。ぷっくりと立ち上がった飾りを指でつまみこねくり回しながら、一方を口に含み吸い上げる。
 絶頂の余韻に浸る暇も与えずに新しい狂うような熱を与えていく。耳元で聞こえる呼吸は浅く、その喘ぎ声が心地よかった。アリババ殿の吐き出せない熱は主張をいっそうしながら張り詰めている。吐き出せない熱のせいで痛くて辛くて苦しいはずなのにアリババ殿の身体が今感じているのは間違いなく悦楽だ。
 ナカに身を埋めているからそれがよくわかる。胸の飾りを弄るたびにナカが大きく開かれて脈動している。そうやって締め付け熱を上げてくるナカはとても気持ちがいい。 視線を上げて顔を覗きこめば蕩けた表情で涙を溢れさせている姿にドクリと心臓が鼓動をあげる。
「反省……。しましたか?」
 小さく囁けば虚空を彷徨っていた瞳が俺を捉える。言葉も出ないのだろう。ただ俺の言葉はよく届いたようで、小さく俺の言葉に頷く。
「もう…少なくとも俺が来る日に夜遊びはしないと誓えますか…?」
 戒められて張り詰めているアリババ自身を撫でながら、身体を震わせるアリババ殿を覗き込む。蕩けている琥珀の瞳を除き込めば、苦しげに口を開いた。
「……ちか、う……からぁ……っ! ……も、ゆる……し、て……」
「………約束、ですからね」
 腰を奥へと打ちつけ、戒めを解く。
「ヒィアッ!!! ァアアアアアアアアアーーーーッ!」
 待ち望んでいた解放にくちりと水音がしてアリババ殿の腹の上に白濁が散った。止まらない射精と快楽にアリババ殿が身を震わせナカをきつく締めつけてくる。
「……くっ」
 アリババ殿の身体を掻き抱き張り詰めた熱を俺もその身の内に注いだ。
「……アリババ……殿っ」
 名前を口にしながら熱を吐き出す。精をアリババ殿のナカに注ぎ込む。ずっと我慢していた射精感に快楽に頭が白んだ。抱きしめあわせた肌から感じる熱、重なる心臓の鼓動、汗のにおい、そして――雄の据えた白濁の匂い。冷めない興奮に自身の熱が勃ち上がるまでそう時間はかからなかった。
 未だ終わらない快楽に震える身体を貪り、肌を合わせその熱を感じる。首筋に身を埋めて流れる汗も舐めとり、欲望のままに肩に歯を立てればまるで獣になったかのようだった。
「……はく、りゅっ! ひぁっ!! ……はく、りゅ……」
 言葉足らずに俺の名前を口にして、背に回された手に力が込められる。
 爪を立てられ背中に走った痛みに口元を歪める。心が満たされていた。求め、求められている実感。酷く渇いていた心が潤っていく。
「……アリババ…殿っ」
 快楽と痛みとが混じり合うまぐわいにもう互いの名を呼ぶ以外の言葉など必要としていなかった。

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