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04/27(Wed):Time is Coming!

 僕はこの力を望んで手に入れた。
 無個性だからこそ喉から手が出るほど渇望していたモノだったから、それを差し出された時に僕に迷いはなかった。それが僕にとって掴むべきものだって、確かにその自覚が、確信があったから。
 僕以外の誰かがこの力を受け取ることも考えた。
 轟君やかっちゃんが受け取っていたならもっと……そうも考えたよ。でも、そうじゃないとも考えた。
 受け継いできたこの力は、決して絶やしてはいけない炎だ。
 手にしたら当然のように、いつか誰かに引き継がなければならない。
 自分が手にしている全ての個性と共に。
 もしかしたらそれは、4才からずっと手にしていた個性とも別れなければならないことを意味している。それはある意味自分との決別を意味しているのかもしれない。

 だから――だから、ごめんね――。

 本当はちゃんとこの個性の事を話して、納得してもらって渡すものだってわかっている。
 でも――。

 ――僕はもう助からない。

 死が迫っている。そう嫌でも確信してしまった。

『無理矢理奪われることはない。無理矢理渡すことはできるがね』

 かつてオールマイトが語った言葉が僕の脳裏で瞬く。
 次の動きはそれこそ一瞬のことだっただろう。

「……かっ……ちゃん」

 かすれた僕の声に彼が一瞬だけ振り向く。
 無心だった。気づけばその口に僕は自分の血で濡れた指を突っ込んでいた。

 脳裏にはたくさんの言葉が浮かんでいた。

 まだ死にたくない。
 この力を絶やしちゃいけない。
 背負わせてごめん。
 ワンフォーオールのこと話さないと。
 時間がない。
 かっちゃんならきっとできる。
 いつか恨まれるかもしれないな。
 かっちゃんが無事でよかった。
 僕の代わりにーー。

 僕の代わりに使命を果たして。


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