普段と変わらないラザリスと過ごす時間

けれど、“その日”は突然やって来た


「ディセンダー様!」

「助けて下さい!」


ラザリスの部屋に慌ただしく入って来たのは、暁の従者のメンバーだった

その姿は、ヒトとは呼べないものに変わり果てていた


「何があったんですか?」

「ラザリス様…助けて下さい! 元の姿に戻してください!」


メンバーの男はラザリスに近づいて土下座する

しかし、ラザリスはアーティと話すときとは違う雰囲気で男を睨むように見た


「助けて…だって?」


ラザリスは話を続ける

望むから力をあげたのに。それなのに今更拒むのは自分勝手ではないか、と


「ラザリス様…?」


アーティはラザリスを見る
普段と違う雰囲気に、少し不安になる

面会時に不機嫌でも、自分と話すときには戻っている
けれど、今日は全く違う


「もう此処にいる必要はないな」


ラザリスは歩いてアーティ達から離れる


「ラザリス様…何を言ってるんですか?」

「アーティ…僕はね、ヒトじゃないんだ。勿論、君が信じるディセンダーでもない」

「ディセンダー様じゃ…ない? それじゃあ……」


アーティはラザリスを見つめる
ラザリスは手を差し出た


「選んで良いよ。このまま腐ったヒトと共に生きるか、僕と共にこの世界を消すか」

「………」


アーティは黙ってラザリスの手を見つめる

元々ディセンダー様に叶えて欲しい願いがあった
今となっては“それ”はどうでも良い


「どちらを選んでも、君は後悔するだろうね」

「後悔…。それなら、俺はラザリス様と共に行きます」


アーティはラザリスの手を取る

ラザリスはアーティの手を握ると、もう片方の手をあげた


「……っ」


一瞬光ったと思うと、アーティとラザリスの姿はそこになかった



噴水の如く限りなく
(止める事が出来ない)



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